みんなで育てます。ていねいに届けます。(特集「農が教えてくれた大切なこと」)

みんなで育てます。ていねいに届けます。
NPO法人自然生クラブ(茨城県つくば市)
筑波山南麓の畑で朝早くから収穫中の人たち
名峰筑波山の南麓で、知的ハンディがある人たちと
有機農業や表現活動に取り組む自然生クラブ。
2016年6月号特集「アートのチカラ」では、
豊穣を祈り、自然への感謝の念を捧げる「創作田楽舞」をご紹介しました。
あれから1年半後の9月に、
つくばの里山をふたたび訪ねました。

野菜の名前とイラストがかかれたラベル。1つ1つてがき。
収穫した野菜を丁寧に包み、このラベルをつけます。
ラベルのイラスト1つ1つがすべてが手描きです。

優しく微笑む、自然生施設長柳瀬さん
柳瀬敬さん(自然生クラブ施設長)にお話しをうかがいました。
 「他人と接するのが苦手で、ひきこもりがちの女性のボランティアがいるんです。
でも、うちの畑が好きで、気が向いたらひとりで来て、
草をむしって、ひとりでまた帰ります。
職員や他の利用者さんとほとんど交流はしません。
『今のままでは社会復帰できない』とか焦りません。
私がそう思えるのは、筑波山南麓の自然に、
ある種の包容力があるからかもしれません。
焦ることはない。それでいいんだよ、と。
 1990年からここで、今は23名の知的障がい者とともに
有機農業や表現活動を続けています。
障がい者にだって、健常者だって、みんな懸命に生きている。
生きることは食べること。
自然生クラブが“農”から始めたのは、そこに原点があります。
 時間をかけて、土と向き合いながら、どんな作物を育てるのか。
自然災害や獣害で作物が全滅しても、受け入れるしかない。
待つしかない。無理しちゃいけない。
農の営みは、障がい者と生きることと似ている気がします。
  “農”を生業としながらも、売って儲けることよりも、
みんなで食べたり、ふれあうことを大切にしてきたい。
いいものはつくりたい。
でもそれは、換金が目的ではありません。
 僕らの育てた米と野菜は、“食”であって、人と人をつなぐ“道具”です。
福祉施設ではなく、“大きな家族”のつもりでやってきました。
その想いを、まわりの農家さんや地域の皆さんも感じてくれています。
跡継ぎのない農家さんに、こうい言われました。
『田んぼを捨てたくない。自然生さんで、米を作り続けてほしい』。
その言葉、すごく誇りです」

木でつくられた自然生クラブの看板。てがきの文字。
自然生クラブ
11/3(金・祝)~5(日)は、自然生クラブ 秋の芸術祭!
ぜひ遊びにきてください。


この記事は2017年11月号でご紹介しています。

◆『のんびる』2017年11月号 目次
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