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地域ネットの潮流7月号

2007-06-25 11:18:32

埼玉発! 若き百姓たちが挑む近郊産地交流。
南埼玉産直ネットワーク
南埼玉産直ネットワーク

身近な"産地"を広く知らせる試み。

ときおり小雨がぱらつく、あいにくの天気にもかかわらず、南埼玉産直ネットワークの農業体験イベントは盛況だった。
「ひゃ〜っ!」「何かヌメヌメしている〜!」 
 田んぼに足をふみ入れた子どもたちから歓声が沸きあがる。日常では味わうことのない体験に、親子そろって目をキラキラさせている。今日ばかりは特別と、泥んこになって駆け回る子どもたちの姿がまぶしい。
 この日は、2つの農業体験イベントがあった。午前中は、10センチほどの背丈の小さな苗の田植え作業。午後は場所を変えて、サツマイモの苗の植え付けがされた。今後、それぞれの参加者たちは草取り、収穫といった田んぼや畑の作業を、1年を通して体験することになる。
 ドゥコープの組合員を対象にした農業体験イベントは、今年で2回目。南埼玉産直ネットワークの代表・山崎浩幸さんは、これまでの経緯をこう振り返る。
「“産地”と聞くと、皆さん首都圏からは遠い場所をイメージしがちです。けれども、埼玉県の場合、ごく身近な場所にも産地はあります。そこで私たちの存在を知ってもらい、私たちの作る野菜のファンになってほしいという願いを込めて、一昨年6月にこのネットワークを設立、昨年からはパルシステムの組合員の皆さんとの交流イベントに取り組みはじめました。地元に"産地"があるという、消費者の意識の掘り起こしをしたいと思っているんです」。


地産地消で営農持続の環境を作る。

 南埼玉産直ネットワークは、埼玉県の南部に位置する岩槻市と吉川市の有志13人で組織されるグループだ。平均年齢35歳という若手生産者たちは、それぞれがブロッコリーやルッコラ、レタス、ネギといった作物の“プロ”として、パルシステムにも商品を出荷している。
 農業以外にも選択できる職業が多岐にわたる都市近郊。そんななか、これだけ若手が顔をそろえる生産者グループも珍しい。グループ結成の起源を、同グループ最年少であり副代表もつとめる関本和雄さんは、こう話す。
「いまはかつてのように野菜を作って売るだけでは農業を続けるのが厳しい時代。だからこそ、僕たちのような新しい世代が、新しい取り組みをしていこうと集まったんです。農家は、農作物の世話や収穫・出荷に追われる繁忙期は仕事で精一杯というのが実情。でも、“顔の見える産地”を目指したい。だから時間をやりくりして、組合員の皆さんとの定期的な交流会を実現しました」。
 消費者にファンを作ることは、供給規模の拡大にもつながる。それがこれからの都市近郊生産者の活路になると、代表の山崎さんも言う。
「身近に産地があると知れば、その野菜を選んで食べようという方々も増えるはず。そうして地産地消をうながしていくことで、私たち生産者がいくつになっても農業を続けられる環境を作ることができたらと考えています」。


参加者の心を動かす、理想の産地交流。

 体験農業イベントという交流会のために設立された南埼玉産直ネットワーク誕生の陰には、ドゥコープの働きかけも大きい。
「これまでの産地交流は遠方に出向くことが多く、小さい子どもを持つドゥコープの組合員からは、かねてから『もっと気軽に参加できる産地交流を』という声がありました。そんななか、地元でがんばっている若手生産者がいると知り、ぜひにとこちらからもお願いしたのです。地元生産者との継続的な交流は地産地消のベースにもなり、産地と食卓を結ぶ理想的な産地交流だと考えています」とドゥコープの亀山常務理事は言う。
 南埼玉産直ネットワークの体験農業イベントは、今後さらなる充実が予定されている。将来的なプランとして、パルシステムに出荷している農作物の農業体験プログラムの実現も含まれる。普段注文して食べている野菜を、組合員家族が作ってみようというものだ。
 産地交流、地産地消といったいくつもの意味を持つチャレンジは、参加者の心を動かす。ただ畑を眺めるのではなく、しゃがんで、実際に作業をしながら野菜たちと向き合う。その視点の変化が、未来の食のあり方をも変えるだろう。

* 南埼玉産直ネットワーク:〒342-0057 埼玉県吉川市須賀218(代表・山崎浩幸) TEL.090-3241-0782 FAX.048-982-1435


自慢の農作物は幾種類ものこだわりの「エコ野菜」!

 南埼玉産直ネットワークでは、いくつかの野菜をパルシステムに供給している。小松菜をはじめとして、ネギ、レタス、ルッコラなど。今後はセロリも出荷しようと計画している。
 自慢の農作物は、ほとんどが「エコ野菜」が中心。農薬や化学肥料に頼らずに栽培される「エコ野菜」には、害虫や天候の不順の影響を受けやすいという高いリスクがつきまとう。けれども南埼玉産直ネットワークでは、「消費者に安心して食べてもらいたい」という思いから、土づくり、草取りなど、さまざまな苦労を引き受けて生産に取り組んでいる。
 思いの込もった野菜の味は、食べてみてこそ違いのわかるもの。作り手の顔を思い出して、食べてみよう。

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