大勢のこどもたちが、図書館に集まっているところを想像して、ワクワクした気持ちで八千代町図書館を訪ねました。でも、残念ながらこの日は、こどもの姿はまばらで静かです。
司書の野中さんに伺うと、「土、日などはこどもがたくさん来て、好きな本を選んだり、読んでいるんですけど・・・」ということです。
そこで、図書館で、こどもたちがどんな本を読んでいるか伺ってみました。
<司書の野中さんのお話し>
本が苦手なこどもたち
「正直なところ、最近のこどもたちは、そんなに本が好きではないように見えるところがあるんですよ。テレビ、パソコン、ゲームなどに関心がうつっているんですね」
野中さんは、本が好きで司書になったそうですから、こどもたちが本に夢中にならないことは残念なようです。
「そうなんですか。でも、まるっきり読まないということではないでしょう。好きな傾向ってありませんか」と訊ねますと、「ええ、それはそうです。人気がある本はありますよ」と言って、何冊かの本を出して下さいました。ポケモンやアンパンマンのシリーズです。

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「本というより、マンガと言った方がいいでしょうか。このように絵がいっぱいで、筋やセリフはリズムがあって、大人が見ても楽しいです。テレビで放送されていることも、人気の要因になっているでしょうが、いやなことがあっても、これを読むとぱあっと忘れられるような活気や面白さがあって、こどもたちが好きになる気持ち、わかるんですよ」

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本の力はこどもの成長に重要
「でも、字を読む読書は、想像力や考える力を培いますから、とても大切です。そういう本もこどもが好きになるように、図書館も企画を考えたいですね。これまでも、読書くらぶのボランティアの方と、定期的に読み聞かせなどしています」
「そして、読むだけではなく、『話す』ことに繋がる指導も考えていけたら、と思っているんですよ。最近のこどもたちは、読書をしなくなったと同時に、話すこともあまりしなくなったように感じるんです。押し付けの形ではなく、こどもたちが、自然に本が好きになって、その感想などをどんどん話すようになってくれたら、という気持ちを持っています」
野中さんは、このように話して下さいました。
私がこどもの頃はテレビやパソコンがない時代で、本はとても素晴らしい友達のような存在でした。本という友達は、知らない国に連れて行ってくれたり、見たことのない風景や生き物を見せてくれたり、自分と違う考え方や思いを持つ人と出会わせてくれたりしました。
そこから、想像力がおのずと培われ、また人の痛みを教えてくれました。
野中さんは、そういう本の力をわかっておられて、いいと思う本を、さりげなく目につきやすいところに置いたり、言葉で薦めたりもするそうです。
ただ、大人がいい本と思うものを、一方的に押し付けるだけではどうかな、という思いや図書館の方針もあって、思い惑うことも多いそうです。
私は、お話を聞いて、「野中さんは、こうした本の力と、現代的なテレビやパソコンの持つ力の融合をイメージされているんですはないかな」と思いました。新しい図書館のひとつの方向といえるかもしれませんね。
八千代町図書館
http://library.town.yachiyo.ibaraki.jp/
リポーターの独言
大人も本を好きにならなくては
とてもいいお話を伺ったのですが、私が特に印象に残ったのは、『思い惑われている面』でした。
それは、『本の力と、現代的なテレビやパソコンの持つ力の融合』をいかにするか、ということとともに、『大人が本を好きにならなくては、本の好きなこどもは育たない。大人がもっと本の重要性をわかってほしい』ということです。
私は、ずうっと前に、新聞の投書欄で読んだ記事を思い出しました。それは、ある町で図書館を作ろうという運動がおこった時、「図書館など金がかかるだけだ。それより、お金になるものをつくれ」と公言して反対した大人たちがいるというのです。
この人たちは、人間の成長はお金さえあればいいと思っておられるのか、と悲しくなったものです。
このような大人は、どこにもいるのかもしれないな・・・と。
でもこのたび、司書の野中さんのお話を伺い、図書館が視野を広くもって役割を果たそうと、職員の方々はいろいろ悩み試みていらっしゃることを知り、心強く思いました。と同時に、もっと図書館を利用しよう、それがこどもが本好きになることにつながる、と思いました。
(佐々木和恵)