pagetop

リポーターブログトップ > 記事詳細

認知症予防の「回想法」の活動をされている赤嶺愛子さんの旅行記<何でも見てやろう!93歳ミャンマーを行く>

2008-06-10 01:32:28

「のんびる」2007年4月号と、当ブログ2007年2月1日の記事、「回想法を知っていますか?」でご紹介しています、心療回想士で「NPO法人 龍ヶ崎回想法センター」の主宰者、赤嶺愛子さんから、表題の旅行記が届きました。

ここにあります、“93歳“は赤嶺さんのお母様のふくさんのことです。ふくさんは、骨折で入院して以降、要介護4の認知症と診断された方です。
赤嶺さんは、もとのように矍鑠としたお母様に戻ってほしいと、日夜回想法を心がけ、そしてついに、要介護1まで回復されたということです。

なんとそのお母様、93歳で海外まで行ってこられたのですね。素晴らしい。
認知症のご家族を介護されている人に、何らかの参考や勇気付けになればと思い、旅行記を転載させていただきました。ぜひご覧下さい。
赤嶺愛子さんの旅行記
ケガをしたことも忘れ、東京に帰りたいと泣く認知症の母を救ってくれたのがランの花。
「龍ヶ崎はハイカラさんが多いね」「こんな花東京で見たことない、ここは進んでいる」と、らん展を見に行くのが母の生甲斐になり、咲いてる所を見に行きたいと、田中先生の本が愛読書になった。

akamine_ryokou1tatemono.jpg
昨年5月、背骨の圧迫骨折以来庭にも出なくなった母が、ミャンマー旅行の話を聞き「こんなチャンスは2度とない。あんたにぶら下がってでも行きたい」と、どんなに寒い日でも庭を歩いていた。生まれて初めてパスポート手にし「嬉しい。夢見たい」と。

しかし、何故ビルマをミャンマーと言うのか理解できず、また、飛行機を乗り継ぎ急激に変化する旅に戸惑い「何処にいるの」「何でここにいるの」と、不安な表情を見せていたが、アンさんに会いビルマに来たことを理解し「諏訪湖にいるみたい」と、四方を山に囲まれたインレー湖に魅せられてから様子が一変した。

akamine_ryokou5nuno.jpg
好奇心旺盛の母に戻り「何でも見てやろう」と、日本食には目もくれず、現地食を堪能し食欲も旺盛。高齢の母を、首長族の皆さんは驚きの声を上げて迎え入れてくれるなど、予定を変更することなく観光を楽しんだ。

akamine_ryokou2hune.jpg
また「私も乗りたい」と、ライフジャケットを着て現れた母にホテルの従業員が歓声を上げて片足漕ぎ舟に乗せてくれた。泳げず水が怖い母が、怖さを忘れて舟遊びを楽しんでいた。

akamine_ryokou3par.jpg
93歳の誕生日には、首長族のお母さんが「100歳になったらまた遊びに来なさい」と、ケーキを持ってホテルまでお祝いに来てくれた。

思いがけない祝福に、寝たきり紙おむつ要介護4の認知症の母を龍ヶ崎に連れて来て4年、母と過した日々が走馬灯のように甦り、夢のような出来事に涙が溢れた。

母を優しい眼差しで包み込んでくださるアンさん、至れり尽くせりの気配りをしてくださる田中先生、「お母さん大好き」と、実の母のように接してくださるスタッフの皆様、何かと母を気遣い声をかけてくださったらん友会の皆様。母とこんな思いができるとは、言葉では言い尽くせないほどの感謝の気持ちで一杯になった。私たち家族にとっても忘れられない誕生日になった。

行く先々で、車椅子に乗った母を温かくサポートしてくださるミヤンマーの人々に「申し訳ない。ありがたい」と、嬉し涙を流してばかりの母だったが、高齢者の方が「今は何の心配もいらない。何でも食べたい時に食べられて幸せだよ。でも、昔のほうがよかった」と言う昔はこんなではなかったかと、母には心地良い楽しい旅になった。

帰国後も、旅の疲れも出さず、何事もなかったように家事をこなす母を私たち家族は「化け物」と呼んでいる。しかし、悲しい程老化が進んでいる母は、写真を見ないとビルマにいったことも思い出せないが、「この年で外国に行けるとは思わなかった」「誰も行かない凄いところに行って来た」「この足でビルマまで行けた。これなら、コロラドかスイスにもいける」「100歳になったらあんたと富士山に登りに行こう」「100歳になったら皆で首長族のお母さんのところも行こう」と、気持ちも若返り、自信を取り戻し夢は膨らむばかりだ。

今も暇さえあれば庭を歩き続けている。何でも家族と同じ目標(夢)を持つことの大切さを再確認できた旅でした。色々とアドバイスをして下さったり、気遣かって下さいましたらん友会の皆様、紙面をお借りしまして心よりお礼申しあげます「ありがとうございました」

リポーターの独言
お母様のご様子を読んでいると感動がこみあげてきました。
赤嶺さんの愛情と篤実さのこもった「回想法」が、認知症になられたお母様の心を安らぎほぐし、それが回復につながったんだなぁとしみじみ感じます。

ただ、どんな良薬も優れた治療も、万人に効用があるとは限りません。そういう意味で、この記事は、全ての認知症の方が回想法で回復する、ことを保証するためのものではありません。あくまで、このような素晴らしい例があるという情報のひとつとしてご理解下さい。

(佐々木和恵)

この記事のURLコメント(0)

名前
メール
URL
コメント

▲このページの上へ戻る