茨城県は、前回6月15日のエントリーでも登場してもらいましたかの名君として誉れ高い水戸の斉昭公が、安易に樹木を伐採することを禁じ、ここぞという時に必要な使い方をする歴史の土台があるそうです。だから、人間と樹木の関係は密接で、「NPO法人 やみぞの森」も、地域森林資源を循環させながら生育した樹木を利用し、代々までの世に、樹木の恩恵を受ける、いわば樹木と共生することを伝える目的をもちつつ、広く地域環境・社会に貢献、寄与できる実践活動を行いたいということです。
その実践活動は、一般市民と森林所有者・製材者・大工技術者・設計技術者を結ぶためのセミナー、やみぞ山系の杉の普及拡大のための啓発セミナー、地元大工による地産知消(「地元で生産されたものを地元で消費する」「消費者と生産者を結び付ける」ということ)の家づくり普及セミナーなどの開催、そして森林資源の杉をはじめとする木材を正しく用いることができる伝統大工技術を継続させていく、具体的に言えば、プロの大工さんの育成、神社仏閣の、釘を使わないで建築する“つなぎ“の伝授です。
大工塾、DIY塾は年間を通して行いますが、その他のセミナー等は、6月、7月、8月に次のように開催されます。ぜひご参加下さい。
平成20年6月29日(日)
「家づくり普及セミナー」茨城町「桜の郷みなみ台」14時〜16時
平成20年7月13日(日)
大工塾・DIY塾:笠間市 9時〜15時
平成20年7月27日(日)
「木材活用啓発セミナー」及び「夏休み木とのふれあい親子教室」 水戸市茨城県開発公社ビル会議室 10時〜15時30分
平成20年8月3日(日)
「家づくり普及セミナー」 土浦市乙戸南 午後
平成20年8月10日(日)
「家づくり普及セミナー」 神栖市 鹿島セントラルホテル 午後
(詳細はTEL:029-252-8124
http://www7.ocn.ne.jp/~yamizo/)

向かって左が大工塾の皆さん 右がDIY塾の皆さん(写真をクリック)
では、その日本の木に魅せられ、雄大な構想を実際に形に顕していく人たちの言葉をご紹介しましょう。
代表の佐川正中さん

「やみぞというのは、茨城と福島と栃木の三角点にある山のことで、そこから茨城に流れてきている山脈。自分らが大事にしているのは、そこの杉。やみぞの杉は、斉昭公が伐採を禁じて人々のために育ててきた由緒ある歴史を担っている。その精神も大事にするということも含めて、このNPO活動をやっていきたいのだ」
塾長、福田定利さん

「現代はプレカットという工法で、大工はこの建て方しかしなくなっている流れになっており、またプレカットで素人でも家が建てられるようになっているが、日本の大工は、神社仏閣の工法、“つなぎ“をも習得して、釘を使わないで家が建てられるだけの力を持たなくてはいけない、自分はそれを伝えたい。それだけの気持ちで塾長をやっている」
「それには基本が大事だから、大工道具の研ぎ方から入る」
一級建築士の中村さん

「ぼくは設計が専門なので、大工の技術は教えられないが、家というのは、それぞれの地域の気候風土に合った、その土地の自然の素材を生かした家作りをして、いい暮らしをする。それが大事だと思っている。そのことを伝えたい」(いい暮らしの“いい“というのは、お金をかけてリッチな暮らし、という意味ではなく、家を愛して、自分らしい心豊かな暮らしを営む、ということのようです。)
「ぼくが世の中がプレカット工法全盛になっても、地域の杉をつかった在来工法を守ってきたのは、自分の恩師が、『30年前に植林した杉が、家になるくらい育った時、在来工法で家を建てる大工と設計士がいなくなっている、それでは、日本の家はそこで絶えてしまう、君は、どんなに報われなくても、地元の木を生かした家つくりをするようになれ』と言われ、それを守ってきた、ということです。素材を生かした木の家つくりは、次の世代、その次の世代に伝えるのが自分の役目」
「今、純粋に日本のものを使ってやってるのは、木を使って家を建てる大工と、畳屋さんと、和紙やさんだけだよ。それをそれぞれの立場の人間が伝えていかなくては、何もなくなてしまう。ぼくらは、“伝える”ことが役目」
「自然の素材を使うというのは、長所と短所が背中合わせにあるということなんだ。自然は人間に恩恵を与えてくれるが、ひとつまちがうと暴れる。素材もそうなんだ。その生きている素材の特性を見極めて、いい家の使い方をする、このことを忘れたくないね」
事務局の小林さん

「私は、ただ会の運営が順調に発展することに尽力したいだけなんですよ」
リポーターの独言
ロマンと実践をそなえた皆さんの熱いお話に、圧倒されつつ確かな感銘を受けました。
やみぞの森の皆さんの声は、次回も続きます。
(佐々木和恵)