保育園や児童館や老人ホームで、人形劇を上演している「おはなしゆびさん」を訪ねました。場所は、海と山に恵まれたまち、福島県いわき市にある「児童ふれあいセンター」です。
「児童ふれあいセンター」は、使わなくなった保育園です。コの字型のピンク色の建物のガラス窓には陽ざしが反射して、その明るい光の向こうから、「ガオ〜、食べちゃうゾ〜!」という声が聞こえてきました。
「あ、人形劇の練習やってる!」
ドキドキしながら引き戸を開けて中に入りました。
「うわ〜、すごい、すごい!」
人形劇の舞台が作られていて、黄色いトラが、可愛い男の子にとびかかろうとしています。「ちびくろサンボ」の稽古中でした。
「おはなしゆびさん」という名前の団体ですから、小さな指人形を使っていらっしゃるのかと思っていたのですが、トラは大人の顔ぐらいもあります。
そして、サンボもトラも人形たちはみんな、表情が生き生きとして、わくわくするような迫力がオーラになって部屋いっぱいに立ち込めています。
グループの成り立ち
この会は、最初は、人形を作るだけのサークルで、斉藤ミツヨさんが、1994年に立ち上げました。翌年1995年に、せっかく作った人形を、何かに使いたいね、と思うようになり、保育園で人形劇をはじめる会にしました。
「おはなしゆびさん」の誕生です。
代表の大竹恵子さんが参加したのは、1999年からです。そして、2003年に、病気になられた斉藤さんにかわって代表となられ現在に至っています。
昨年までは、会費を集めていましたが、現在は、会費もなくして、できるだけ制約をもたず、こどもたちとふれあう楽しさ、こどもたちが喜んでくれることを大切にしながら、七箇所の保育園で定期的に上演し、依頼があれば児童館、老人ホームなどどこでもとんで行くそうです。
メンバー
稽古の合間に、メンバーの皆さんにお話しを伺いました。
この若々しい笑顔! 人形劇を観たくなりますね。
この日のメンバーは、代表の大竹恵子さん。
老人会で歌を歌うなどの活動をしているうちに、こどもの心をつかめるようになりたい思いと、人形劇をはじめたという10年選手の柳内いつ子さん。
向かって左が代表の大竹さん。右が柳内さん。
友達に誘われてはじめたという5年目の仲田早苗さん。
保育園の保母さんを20年勤め、後専業主婦になって10年になったところで、おはなしゆびさんに入ったという馬上(もうえ)洋子さん。
活動3年になるという山本禎子(よしこ)さんです。

向かって左から仲田さん、馬上(もうえ)さん、山本さん。
観て楽しく、演じて最高、作って充実
*演出や指導者の方はいらっしゃるんですか?
「いいえ、演出や指導者は特にいません。自分たちで何でも話し合ってやっているんですよ。私たちにとって大事なのは、こどもが喜んでくれること、それだけなんです」
練習もこんなに楽しい♪
*演出がいなくて、どのようなやり方をしていくのですか?
「こどもの反応をみて、ここはなおそう、もっと感情をこめてやってみよう、などと気づきながらやっていくんです。それが楽しいんです」
「作品を決めるのもみんなで話し合って、今度はこれにしようと決めるんです。脚色も自分たちで」
*こどもたちの反応はどうですか?
「保育園は7箇所まわるのですが、園によって、先生が、『静かにみましょう』と言われるところと、先生は何も言わないで見ているだけのところがあるんですが、そうするとこどもは、つまらないと暴れたり、いなくなったりするんですよ」
「ガオーッ! つまらないとは言わせないぞーっ、どうだ、コワイだろーぉ」
「ぼくはサンボだ。みんながぼくを応援してくれるよ〜♪」
*それじゃやりにくいですね。
「いいえ、そういうところは、『よーし、夢中になるように面白い人形劇にするゾ』と意欲がわいてくるんです」
*メンバーの方は全員劇を演じるのですか?
「演じるのはいや、というメンバーもいるんですよ。その人は、人形や装置や小道具などを作るんです。この場合も、自分たちで考え、工夫をしていくんです」
「ぼくたち、よくできてるだろ。人形もヤシの木もみんな、メンバーが作ってくれたんだ。舞台はピアノに黒幕をかけるなど、臨機応変に工夫していくんだよ」
*役は、一定の役をやるのですか?
「ううん、一定ではなく、ヒロインをやったりやまんばをやったり、いろいろ挑戦するんです。それを頑張ってやると、役に成りきれるし、そうすると、観てくれるこどもやお年寄りの皆さんが、真剣にみてくれてるのがわかって達成感も感じます」
*演じていると、観客のこどもやお年寄りの方の様子がわかるのですか?
「ええ、びんびん伝わってくる。全部のこどもの感情、心の動きが、五感に響いてくるんです。そしてその観てくれる全部の人、特にこどもに親愛感が溢れてくる。この活動は、本当に観ても、演じても、作っても楽しいです」
*スタッフの募集はしていますか?
「ええ、随時募集中です。みんなボランティアで、交通費も昼食代も自費でやっていますので、それでもやってきたいという方はぜひ電話をして下さい」
*会費はないということですが、運営費はどのようにしているのですか?
「人形劇の謝礼を少しいただけますので、それを運営費にあてています」
*やりたいけど自信がない、何もわからないし、力もない、という方でもできますか?
「もちろん大丈夫ですよ。やってみようという意欲さえあればいいんです」
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メンバーの方がまちを歩いていると、「あ、人形のおばちゃん!」とこどもが目を輝かせて言ったり、お年寄りの方に、「ホームで人形劇を観ましたよ」と声をかけられることもあるそうです。
アイドルですね〜♪
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■練習・定例会■
毎月第二、第四火曜日AM10:00−12:00
■活動場所■
児童ふれあいセンター(福島県いわき市中岡町)、各保育園など
■募集期間■
随時
■資格・条件■
やってみたいと思う方
■報酬■
なし(交通費、食事等自費)
■応募方法■
TEL&FAX 0246-63-1582
Email ohtake88@hotmail.com
■アクセス■
JR常磐線 なこそ駅下車 車(タクシー)で7分
車の場合、常磐自動車道 なこそインターより5分
(いずれもわかりにくいので、電話で道順を確認してください)
問い合わせ先 0246-63-1582
「おはなしゆびさん」DATA
【代表】大竹恵子
【事務局】〒 福島県いわき市錦町中央2丁目12−10
【TEL】0246-63-1582
【FAX】0246-63-1582
【Eメール】ohtake88@hotmail.com
【設立】1994年立ち上げ 現在の体制は2003年より
【メンバー数】15名
【活動場所】保育園、児童館が中心。依頼があれば老人ホームやサークルにも
【会費】なし(公演先から出る交通費や謝礼を活動費としている)
※のんびる8月号に、「おはなしゆびさん」の記事を掲載しています。ぜひ雑誌をご覧下さい。購入は、当ブログのトップから出来ます。
リポーターの独言
一度でいいから観客になりたい! こどもに人形のおばちゃん、と言われるそうですが、「おねえちゃん」でしょ!
(佐々木和恵)