この紙芝居は、1995年3月に、汐文社から発行された「紙芝居 障害者といっしょに (全5巻)」の中の一冊で、当時は認知症という言葉はなく「痴呆」と表現されていましたが、その痴呆がテーマとなっています。
物語
年をとって、少しボケテきてしまったおじいちゃん。お茶碗を割ったり、なんでも忘れるたりするので、ぼくたち家族はいらいらする。夜も外でうろうろ歩いたりするようになって、ユーレイが出る、という噂が立つようになった。
ぼくは、おじいちゃんが元気だったころ、いろいろなことを教えてもらった。おじいちゃんは強くて優しくて大好きだった。だから、おじいちゃんが、ぼけてしまって悲しかった。
ある日のことだ。公園で、犬に追われた子猫が、木に登ってニャァニャァ鳴いていた。みんなどうすることもできなくて見ているだけだ。
ところが、おじいちゃんが、はしごを持ってきた。おじいちゃんは、子猫がかわいそうでならなくて、なんとか助けてやりたいと思い、一生懸命考えて、はしごを思いついたんだ。
それからみんなで子猫を助けた。
ぼくは思った。『おじいちゃんは、病気のために頭がぼけたかもしれないけれど、心はぼけていない』って。
紙芝居 障害者といっしょに (全5巻)
発行:汐文社
セット価格:29126円
対象:小学校中・高学年・中学生向け
付録:解説指導書、カセットテープ
発行元のシリーズ解説
多くの子ども達は、障害を持った人びとと接する機会が非常に限られています。“知らない”ことから、多くの誤解や偏見がうまれてくるのもたしかです。そこで、一人でも多くの子どもたちに障害のこと、障害者のことを知ってもらうため幅広い視野からわかりやすく語りかけた紙芝居です。
リポーターの独言
実は原作は私(筆名:マオアキラ)が書いています。
私はこれを書くとき、痴呆がどういうものかわからず、自分の想像で書きました。
現在、夫が認知症になって介護をしていますが、夫や他の認知症の方々と接するにつけ、認知症は頭が壊れたようになるところはあるけれど、心は決して壊れることはない、「ユーレイなんかじゃない」で書いたことは本当だった、と感じています。喜びも悲しみも慈愛心も不安もみんな、かわることはありません。
かわるのは、まわりの人の視線や接し方です。
(佐々木和恵)
<子猫のアイコンは、「ごろんた倶楽部」から拝借しました>