pagetop

リポーターブログトップ > 月別の記事一覧

秋の夜長 絵本はいかがですか<あこがれの機関車>

2008-10-29 02:03:37

若い頃に比べると、文字を読むのがちょっと億劫になってきた、という年代の方におすすめしたい絵本をご紹介しましょう。
<あこがれの機関車>です。

honma_ehon_kikansyahyousi.jpg

と言っても、この絵本は、重厚な色彩の挿絵に文字が書いてありますから、読みやすいか否か、という点では、ちょっと読み難いでしょう。
では何をおすすめしたいのか、と言いますと、この絵本には、こどもの頃に抱いた夢や憧れを思い起こして、新たな新鮮な活力が胸をひたしてくる、そんなパッションがあるのです。

この記事のURLコメント(2)

茨城県・八千代町図書館司書、山中治雄さんの生涯 4<寺子屋的塾の生徒たちと>

2008-10-26 06:36:13

yamanakakodomotati1_kamei.jpg
寺子屋的塾で授業中の山中さん

二ヶ月ほど前のことです。「茨城県・八千代町図書館司書、山中治雄さんの生涯 1<図書館が”ぼっち”になればいい>」に、一通のコメントをが入りました。

【私は25年ほど前、山中さんといっしょに神奈川県川崎市の小さな寺小屋的な子供たちのたまり場で、小中学生の勉強の手伝いをしていた亀井正樹と申します。山中さんが病であった知らせの後、亡くなられたことを知りました。
生前、本を愛し、子供たちを愛していた山さんが、郷里でこれほどの偉業に専念されていたことを、後からしりました。
当時、山さんといっしょに教育を志していた仲間たち、教え子たちとともにぜひ、図書館を訪ねたいと思います。なお、彼の墓前にもあいさつへいきたいのですが、お墓の場所をご存知でしょうか? お寺の名前だけでも知りたいと思っております。】


思いがけないコメントの主亀井正樹さんは、この後、メールで若き日の山中さんを、私たちの前にいざなって下さいました。

この記事のURLコメント(0)

茨城県・八千代町図書館司書、山中治雄さんの生涯 3<闘病中に友人に送られたメール>

2008-10-24 12:45:26

都立大学時代の友人、鵜沼克浩さんに送られた闘病中の山中治雄さんのメールです。
どんなに苦しい時にも、ほかの人を思いやり気遣う穏やかで温かいお人柄が、そくそくと伝わってきます。この明るさ、温かさ、穏やかの向こうに、どれだけの苦痛と孤独があったことでしょう。
それに屈することなく誰にもいつもお優しかった山中治雄さんは、真に強い方だったのですね。

2004年2月17日
昨日、入院しました! 今度の金曜午前から手術です。一週間は地獄でしょうね。役一ヶ月の入院の予定なので遊びに来て下さい。

2004年2月27日
回復は順調! でもまだ歩けません。明日あたり(見舞いに)来るんだっけ? できれば来週あたりにしてくれればありがたい。

2004年3月17日
順調に回復しています。若干、尻部に痛みがあるものの歩行もできるようになりました。見舞い、大丈夫です。遊びに来て下さい。待ってます!

2004年3月26日
了解! 安全運転で、待ってます! 大福五個とイチゴ一パックぐらい、お願いします。要するに甘みを体が欲している。

2004年4月19日
元気です! 四月七日に一時退院し、毎日“主婦”の如く、アレコレ雑用してみては、疲れと尻の痛みで、時折バタン・キュー。朝夕約一時間余り、筑波山の表情を眺めながらの散歩が日課。次回の手術のため、体力・筋力回復が当面の課題!

2004年6月4日
今日も爽やかな初夏の日差しです。ご無沙汰! こちら順調に回復し、昨日再入院して、約一ヶ月間の予定。今回はたくさん本を持って来ました。イラクの空も、茨城の空も、那須高原の空も、人は皆同じ空の下で暮らしているのです。一応、報告まで!

2004年6月27日
十日に手術し、約九時間かかりました。その後順調に回復し、いま歩行のリハビリをしています。もちろん尻の鈍痛はありますが、あと二〜三週間で退院の予定。

2004年7月14日
先週退院しました。今夏は、体力回復と読書などブラブラの予定! そちらは夏休みはどうするのですか? ところで、つくば市の筑波学院大学にて連続特別公開講座で「夢をはぐくみ、未来にはばたく」と題し、小室等と谷川俊太郎のジョイントライブがあります。だいぶ先ですが11月27日・土・午後1時からです。無料。予約無し一般可。詳細はHP参照。時間があったら来て(下さい。)

2005年1月2日
いま、自宅にいます。年末に、やっとパソコンを購入。また学生時代からの念願であった『中野重治全集』を買いました。それとにらめっこの正月かな! 入院は今月6日で1月いっぱいの予定。職場復帰は4月頃かもしれません。
 
2005年1月6日
申し訳ない。電話回線をPCに繋ぎっぱなしでした。今日入院し、明日手術です。今回は、盲腸程度の手術内容。1月末には退院予定。また、入院状況をお知らせします。では!

2005年1月27日
退院です!
那須連山は爽やかな冬晴れ! おはようございます。退屈も限界に達しました。本日中に退院します。後は、大腸の回復とお尻の感覚を自宅療養と外来で様子を見ます! 少し時間がかかりそうですが・・・。では!

2005年3月16日
職場復帰しました!
元気ですか? 本日より一年三ヶ月ぶりで仕事をしました。体調はいまいちですが、あとは自然治癒を待つだけと月一回程度の通院。もうひとガンバリとガンバリは利かぬの狭間で揺れる昨今ですよ。

2005年8月12日
那須野原通信!
久しぶり、元気ですか? 三月に職場復帰しましたが、先月からまた入院しています。長い間のバカンスだと思ってますが・・・! 先日、癌のPET−CT検査というのを受けて、そこでガン転移がお尻にあることが判明。ただ幸運にも一匹だけで、肺や肝臓、そして他の臓器への転移は無く、キレイでした。今月二十日に切除手術を断行します。約四時間位かかるというとのこと。引き続き、九月いっぱいぐらいは那須にいます。まっ、とりあえず、元気です。しかし、こうなったら、トコトン、ひとつひとつ、闘っていくしかありません。まだまだ、暑い日が続きます。そっちも体調を崩さないように気をつけてください。では!

2005年8月12日
心配かけます。今後の予定は、十五日に一旦退院します。家で気分転換を図り、二十一日に再入院して、二十六日に手術。そして術後約三週間は入院を要するとのこと。術前二十二〜二十五日は全く暇だから大丈夫です。来るときは、またメールください。

2005年10月3日
惜別! 初秋那須連山
ご心配おかけしています。本日午前、退院します。取り急ぎ連絡まで。

+++++++++++++++++++

yamanakasan_memo.jpg
<那須の病床で書き綴られたメモ。最後まで図書館を気にかけられていた>

茨城県・八千代町図書館
八千代町公式WEBSITE


リポーターの独言
1992年に、山中さんは公民館で児童文学講座を開催されました。講師はマオアキラ、つまり私です。私は当時、八千代町に引っ越して一年を経た頃だったのですが、家に犬や猫を毎日のように捨てにこられて、小さな生あるものへの痛ましさと、命と心のあるものをまるでゴミのような扱いをする人が多いことに打ちひしがれていました。また救っていくことで経済的、労力的に余裕がなくなる上に、地域の中での軋轢や誤解が激しくなり、精神の平衡を欠く鬱病に近い症状におちていました。そして講師を引き受けたものの人に会うのが日々苦痛でならなくなり、ついに父親の介護にかこつけて途中でやめてしまったのです。

今にして思いますと、担当の山中さんにどんなにご迷惑をおかけしたことだろうと、申し訳なく胸が痛んでなりません。
それでもあの頃山中さんは、後も何かで顔を合わすことがあっても、いやな顔をされることはなく、いつもおおらかな笑顔を見せてくださっていたのです。

山中さん、ごめんなさい。そしてありがとうございました。
今こうしてこのささやかな場で、あなたのことを書ける機会を得たことが、私には天の慈悲と、あなたの心の広さの賜物のように感じ、感謝の思いでいっぱいです。今更ですが、あなたから、生き続けていくことの勇気をいただいていますよ。

(佐々木和恵)

この記事のURLコメント(0)

茨城県・八千代町図書館司書、山中治雄さんの生涯 2<山中治雄追悼文集より>

2008-10-21 14:56:58

当ブログ2007年08月19日の記事「茨城県・八千代町図書館司書、山中治雄さんの生涯 1<図書館が”ぼっち”になればいい>>」に、本の力を信じ、町のこどもたちの将来のために図書館を作りたいと奔走し、念願の図書館が出来た後、病気で早世された図書館司書、山中治雄さんをご紹介しています。

yamanakasan.jpg
<茨城県・八千代町中央公民館事務室にて '89.6.15>


その山中治雄さんの追悼集が、山中さんの死を惜しむ友人たちの手で、今年の初夏に発行されました。

この記事のURLコメント(2)

介護☆同行二人<劇:わたしら、食べてないよ〜>

2008-10-16 05:48:21

認知症の高齢者が多く入院している病院の食堂のお昼時

登場人物
明るくて、いつもハツラツとお話しをするみさこさん
身体の左半身が麻痺している、怒りっぽいけど笑顔が素敵なけんすけさん
むっつりとして殆どしゃべらないとみいちさん
要介護4で、歩行も食事をとるのもおぼつかなくなっているとしおさん
としおさんの妻のかずみさん
ヘルパーさん

みさこさん、けんすけさん、とみいちさん、としおさんの四人が、食堂のテーブルを囲んでいる。

としおさんだけが、おかゆをこぼしながらもくもくと食べており、他の三人は何もなく、それぞれ手持ち無沙汰の感じである。

そこに、かずみさんがやってきた。

みさこさん(かずみさんを見て)「あ、きたきた〜!」
けんすけさん「あ、きたきた〜!」
とみいちさん「・・・・・・・・」(むっつりしたまま)
としおさん「・・・・・・・・」(我関せずとただもくもくとごはんを食べている)
かずみさん「こんにちは〜」(夫のとしおさんの横に来る)

かずみさん「あれ?」
(みさこさん、けんすけさん、とみいちさんの前には何もないことに気がつく)
かずみさん「みなさんは、もうお食事終わったんですか?」
みさこさん「わたしら、ごはんもらってないのよ」
かずみさん「えー!? そんなはずないでしょ? もう食べ終わったんでしょ?」
みさこさん「ううん、わたしら三人、食べてないよ〜、もらってないよ〜、ね〜」

(みさこさんは、目を丸くし真剣な口調で、けんすけさんととみいちさんに同意を求める)

けんすけさん「そうだよ、食べてないよ〜、もらってないよ〜」
とみいちさん「・・・・・・・ん」(むっつりとしたままわずかに頷く)

かずみさん(困って)「そんなはずないですよ〜、食べたの忘れちゃったんでしょ〜」
みさこさん「そんなはずあるのよ、わたしら三人、もらってないの、ね〜」

(より真剣になり、再びけんすけさんととみいちさんに同意を求める)

けんいちさん「そうだよ、そんなはずあるよ」(むかついたって顔)
とみいちさん「・・・はずある・・・・・よ」

かずみさん(ますます困って、もくもくと食事中のとしおさんの顔をのぞくように見て)「みなさんは、もう食べ終わったのよね、そうでしょ?」

としおさん(周りの声を聞いていないように、ひたすらスプーンの流動食をこぼしながら口に運んでいる)

(みさこさん、けんすけさんは、としおさんの返事を聞こうと、じいっととしおさんの方を見る。とみいちさんも、表情はむっつりと変えないが、視線はとしおさんの方に向けている。漂う緊張)

かずみさん「ね、みなさんもごはんもらったんでしょ。あなただけもらったってことないわよね」

(としおさんの口元を、いよいよじいっと見つめる三人。高まる緊張感)

としおさん(おもむろに)「もらってないよ、ぼくだけもらった」

みさこさん(勝ち誇ったようにぱあっと晴れやかな表情になり)「ホラ! ホラ!! ホラ!!!」
けんすけさん(人なつっこい笑顔になり)「ホラ! ホラ!! ホラ!!!」
とみいちさん「・・・ラ! ラ!! ラ!!!」
三人「ね〜〜〜〜〜〜!!!!!」(大仰に頷きあう)

(そこにヘルパーさん、登場)

ヘルパーさん「なぁにいってんだ?! 食べたろ!」
みさこさん「食べた? わたしら、三人とも?」
ヘルパーさん「そう、パクパクと」
みさこさん「パクパクと? ああ、食べた食べた、パクパクと!」
けんすけさん「パクパクと!」
とみちさん「・・・ク・・・ク!!!」
みさこさん、けんすけさん、とみいちさん「アーハハハ、食べた食べた、ハハハハハー」
かずみさん、ヘルパーさんも一緒に「アーハハハハハハハ」

(としおさん、我関せずとごはんを食べつづける)

笑い声が温かくひびくなか幕

リポーターの独言
夫が入院中はこういう日が何度もあり、こうやって絆ができていく温かみ、親しみを感じました。夫が退院した今も、食堂で会ったみなさんのことをよく思い出します。
いつまでもお元気でありますように、平安でありますようにと。

(佐々木和恵)

この記事のURLコメント(0)

街に生きる馬

2008-10-05 23:15:56

     nonbl_uma.jpg

     その馬は、
     国道と川に挟まれた囲いの中でよくみかけた。

     馬は見るからに老いて、いつものんびりと草を食んでいた。
     
     その姿に、私はこんなことを思っていた。

     <あの馬、若い頃は、この街の中で、何か役目を担わされて
     人間のために働き、今は悠々自適の暮らしなのね、きっと>
    


     秋晴れのある日の午後、久々に馬に合いに行った。
     馬は変わらず、のっそりと草を食んでいた。

     <あ、いたいた。老後を平穏に生きる馬を写真に撮ろう>

     私はそう思い、車を止めた。

     ドキリとした。
     馬は、カメラを構えた私に気づくと、
     やにわに屹度して、じいっとこちらを凝視した。

     その目と全身に、孤独が、
     瘡蓋のように張り付いているのを感じたからだ。



           (佐々木和恵)

この記事のURLコメント(3)


▲このページの上へ戻る