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陶芸作家 中村 勇の世界<我が誇り 息子よ>

2006-10-01 16:54:46

真春さんは、動物陶芸作家の中村勇の作品を何よりも愛していらっしゃいます。それは、作品そものが、息子、中村勇の命だと思うからです。

いらっしゃい!
ギャラリーの玄関に訪れる人を出迎えるために並んでいる動物たちと水槽の生き物たち。(写真をクリックすると大きく見れます)
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ようこそ!
玄関を入ると、真春さんと猫ちゃんがお出迎え
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ずうっと苦しかった
勇さんが落ち着くことが出来ず、小学校も行かないことになってから、ある時期までずうっと苦しかったと真春さんは語ります。
「学校でも家の生活の中でも、この子は一生懸命なのにうまくいかない。一生懸命になればなるほど、友達とも先生とも他の人たちとも交流ができにくい。でも、いつか直る、直してみせる、という気持ちで、病院を回ったり、教育関係や福祉関係の人たちを頼り、指示を仰ぎ、頑張って頑張っていました。頑張りの全ては、いつかは必ず直って、息子が人間関係を楽に築いて、楽しさを感じてくれるようになる、という願いに繋がっていました。」
真春さんがこの時期苦しかったのは、自分が大変ということではなく、息子が、人の言葉に躓き、傷つき、人を求めているのに、うまく交流ができなくて、尚苦しむ・・・このことが可哀想で辛くてならなかったと言います。

自らが癌になる
その出口のないように見えた息子を思う重さから抜け出のは、真春さんが、癌になった時だということです。
本来なら、自分の生命が危ういかも知れないという状況を迎えれば、苦しみは極限に達すると思いますが、この時にやっと、息子を心配して身体も心もがんじがらめになっていた感じが消えたと言うのです。
「息子には息子の運命がある。その運命はいかな親でも変えようがない。癌になった今、自分の人生も考えよう・・・と思ったんですね。そう思ってから、肩が軽くなってきたんですよ。それは、勇の特性を本当に受け入れた、ということでもあったんですね。癌になって、かえって全部を受け入れることが出来たのです。」
真春さんはそれから歌を歌ったり、好きな裁縫をやる意欲も出てきたというのです。
そして、真春さんをより救ったのが、何をやっても長続きができなかった勇さんが、粘土をこね、炊飯器で焼いて作る陶芸を覚え、これだけは、何があっても投げることがなかったことだそうです。

出口が開き、世界が見えた
「勇は、言葉では言いませんが、動物園の動物にも、家の猫にも、そこに生命を感じていた気がします。
はじめて、人に教えてもらって、炊飯器で作った動物、猫だったんですけど、この猫ができた時の、勇の歓喜に満ちた表情は、それは素晴らしかったです。

「動物を陶芸で作ることがあれば、勇は生きられる! 生き物の生命を感じる魂が、勇を生かしてくれる!」
真春さんは、このことを実感した時、自由になられたに違いありません。
まさに、出口が開いて、ひとつの世界が開けたといえるでしょう。
それは勇さんの世界であるとともに、真春さんの新たな世界でもあるのでしょう。

数年前から、勇さんは、一年に一回は個展を開き、数々の賞も受けられています。真春さんも勇さんも、自らをそのように特には言われませんが、堂々たる陶芸作家なのです。
真春さんは言います。
「勇は私の誇りです。あの子の作品もあの子自身の魂も・・・。」


リポーターのつたない腕で撮った”中村勇の世界”
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リポーターの独言
真春さんは、パソコンや写真を撮ることを趣味とされていますが、それらは全部、勇さんの陶芸を生かすためのものだということです。
つまり、パソコンの中で、自分の撮った風景に、勇さんの動物を合成し、童話をつけ、絵本にするなどをしていらっしゃるのです。
この絵本は、別の記事としてご紹介したいと思います。
では最後に、作品に打ち込む勇さんをご紹介します。この写真は真春さんからお借りしました。
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(佐々木 和恵)

この記事のURLコメント(6)

Posted by 佐々木和恵 at 2006-10-18 20:52:11

ideさん、コメントありがとうございます。
お母様のお話は、構成云々と手を加えた記事にすることはできませんでした。今でも思い出すと涙が滲んできます。

>有る意味、心の整理が出来たと思います。

このように書いていただいて本当に感謝します。

>兄くらいの障害でも現在の社会状況なら施設に預けなくても通学、作業所などへ行けたかもしれません。それでも、このままで良いのだろうか?と、きっと悩み、迷ったはずです。

私には言葉もありませんが、ただ、社会が本当の意味で進化していき、誰もが、自分の持ってるものをもって幸せに生きられるようになることを祈ってやみません。

Posted by ide at 2006-10-18 13:56:15

こんにちわ。母は息子(私の兄)、一門の事、なかなか上手く話せなかったですが、佐々木さんに取材して頂いて、有る意味、心の整理が出来たと思います。兄くらいの障害でも現在の社会状況なら施設に預けなくても通学、作業所などへ行けたかもしれません。それでも、このままで良いのだろうか?と、きっと悩み、迷ったはずです。
真春さんが勇さんの生きる道を探して、作品を愛していることは本当に心打たれます。多くの方を励ます力が有ると思います。

Posted by 佐々木和恵 at 2006-10-02 12:12:23

しーママさん、おはようございます。(あ、もうこんにちは、の時刻ですね。笑)
お心のこもったコメントをいただきまして、本当にありがとうございます。私の方こそ感謝です。
真春さんからお聴きした勇さんのこと、ご自身のことを、私がこのように表すのを心苦しいと思っていました。何もわからないものが、わかったように受け止めることは、その当事者となる方には苦痛以外の何ものでもなく、こうして聞き出され、書かれた苦痛にも耐えなければならないのですからね。

《我々親は、子どもがうまく生きられないことがかわいそうでならないものなんですが、そう思っているうちは子どもの特性を、子ども自身の人生を受け入れることができないんですよね。子どもには子どもの運命があり、特性があり、それは何をもってしても変えられない。いや、変えてはならないんだ。なぜならそれは、彼らの誇りであり、尊い使命なのだから。

それを悟ったとき、私も我が使命を自覚しました。自らの気持ちを表現することが苦手な彼らに代わって、私が少しでも情報発信をし、彼らへの理解や協力や支援を社会に求めていこうと。それは社会にとっても大事で、とても有益なことなのだと確信し。。。》

しーママさんが、このようにコメントして下さったことは、非力な私への励ましとも感じ、何ともいえない感銘を受けました。勇気のようなものも。
私もここでひとつ言えると感じていますことは、例えば、勇さんの将来を思うことは、親だけのことではないということです。
大人が一人、一人、子供(私は子供と書きますがゴメンナサイね。この漢字表記のことはいつかお会いした時に語り合いましょう。笑)の誰もが自分で歩
けるような道にしていく意識を持たねば、と思うのです。
そういう思いの上で、お互いが自分のできることで、力になりあえたらどんなにいいだろうかと思っています。
どうか今後ともよろしくお願いします。いろいろお話しあいたいです。

Posted by しーママ at 2006-10-02 11:44:46

佐々木さん、はじめまして。
真春さんの友人、しーママと申します。
私の娘(高校2年生)も勇さんと全く同じですので、真春さんは私の大先輩でもあり、いつもいろいろな意味で勉強させていただいております。
今回、真春さんからご紹介いただきましてブログを拝見しましたが、真春さんや勇さんのすばらしい人生に心から感動するとともに、真春さんを見つめる佐々木さんの温かいまなざしにも、私は大きく心を打たれました。

真春さんの言われようとすること、私にはよくわかります。我々親は、子どもがうまく生きられないことがかわいそうでならないものなんですが、そう思っているうちは子どもの特性を、子ども自身の人生を受け入れることができないんですよね。子どもには子どもの運命があり、特性があり、それは何をもってしても変えられない。いや、変えてはならないんだ。なぜならそれは、彼らの誇りであり、尊い使命なのだから。

それを悟ったとき、私も我が使命を自覚しました。自らの気持ちを表現することが苦手な彼らに代わって、私が少しでも情報発信をし、彼らへの理解や協力や支援を社会に求めていこうと。それは社会にとっても大事で、とても有益なことなのだと確信し。。。

勇さんは陶芸との出会いで、ご自分の生きる道を見つけられたと思います。我が娘の生きる道がどこにあるのかはわかりませんが、私も希望を持ち続け、娘を誇りとし、堂々と人生を歩んでまいりたいと思います。
佐々木さん、真春さん、本当にありがとうございました。

Posted by 佐々木和恵 at 2006-10-01 19:14:45

真春さん、コメントをありがとうございます。
昨日は、お話を伺い本当にたくさんのことを学ばせていただきました。
私が感じた感動や、社会への不条理感などの全部を伝える記事に出来る力がないことが残念です。
でも、この後、真春さんと勇さんの合作の絵本や、N氏の木工作品の記事も書かせていただきたいと思っています。よろしく!
助け合っていきましょう! 道はもう拓かれていますもの。何も怖れることはありません、よね♪

Posted by 真春 at 2006-10-01 18:44:04

ありがとうございます。なんだか胸が一杯で
コメントできません、何度も読ませて頂いてもう一度考えてみます。
ありがとう1Isamuも喜びます

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