私の知人が疥癬症に罹った。
疥癬症とわかるまでに、病院で、アセモだ、アレルギーだと診断され、そのたびにそれの治療薬を貰い塗りたくった。とにかく尋常でない痒さで、その苦痛たるや死んでしまいたいと思うほどであったという。
病院を回りに回って、やっと、『疥癬症』とわかり、それに合った治療をして徐々におさまったという。でも間違った治療が悪化させていたから、おさまった後も苦痛感と不安が残ってるという。
そこでこの知人は、『疥癬症とはなんぞや?』と医師に問い、書物で調べた。
リポーターの私など、(名前からすると、家を不潔にしてカビやダニが原因でおこるものかしらん?・・・我が家もヤバイぞ!)など思ったのだが、そういうことではないらしい。第一、知人は清潔好きでいつも家の内外綺麗にされている。
余談はともかく、調べた結果、『疥癬症』は、『疥癬菌』を保持している人から、『肌と肌を密着してうつる』ものだとわかったそうだ。
この知人の場合は、専門医の調査で、知人の夫氏が勤めている介護施設から感染したのだとわかったというのだ。
知人の夫氏は、介護施設で働いておられる。
彼はサラリーマンを定年退職して後、介護の勉強をし、資格を得て高齢者や認知症の人が通所する施設で働いているのだ。
知人の話によると、彼はとにかく親切なよく気のつく方で、必要とあらば、通所者の誰をも抱きかかえ、本当に骨身惜しまず働く方という。私もこの夫氏を存じ上げているので、さもありなんと思う。
こうした結果、通所者の方が持っていた菌に感染したのに違いない、と医師は感じられたようだ。
そこで思うのだが、疥癬に限らず、身体を抱きかかえるなどする場では病気の感染はおこりやすい。その防止は、施設による定期検査と、家族の意識によるだろう。
知人夫妻が言われるには、その家族の意識にいまひとつ不安を感じる、というのだ。
つまり、具合が悪いとわかっていても、高齢者や認知症の人を、施設に出してしまう家族がいるというのだ。また施設の側も、それらを承知で拒まないところがある、というのである。
「う〜む・・・。」と考え込んでいるリポーターであります。
この知人の例で言えば、知人の苦痛を考えると、まず知人が気の毒だ!疥癬を持っている人を施設に出したその家族と、よく気をつけず受け入れた施設はけしからん!と言いたいところだが、やっぱり一番気の毒に思えてならないのは、病気を持っていても、家族にその苦痛を知らせることもできず、気がついてもらえず、あるいはわかっていても知らない振りをされる、さりとて自分では病院にも行けない高齢者、認知症の方である。
介護の現場のこうした『穴』を埋めるのは、施設、家族の『心』である。
『心したい』と、やはり介護者であるリポーターは我が身を振り返ってしみじみと思うのであります。なにしろ、ノーテンキでオオザッパな介護者でありますからして・・・のみならず、時々、認知症の夫を蹴っ飛ばしてやりたくなるレイコクな介護者でありますからして・・・。
(佐々木和恵)