憲法第26条に、全ての国民は「教育を受ける権利」があること、「保護する子女に普通教育を受けさせる義務」を負うことが規定されています。
これは、こどもはみんな「普通教育を受けられる」ということなのです。でも、何らかの障がいがある場合、誰もが公平にもっているはずの「教育を受ける権利」に、大きな壁が立ちはだかることがあるのです。
2006年12月9日、水戸市福祉ボランティア会館に於いて開催された、「NPO法人 水戸共に育つ会」主催のフォーラム、「第1回みとともフォーラム 障がいのある子の学校選択」にお邪魔して、パネラーの方の報告を聞いてきました。
人と違ってもいい。
みんなと同じでなくてもいい。
みんな認め合って
支え合って
助け合って
一緒に生きていける社会が
いちばんだと思うのです。
水戸共に育つ会は、障がいがあるなしでわけられることなく、
子ども達がみな同じ教室で学んだり、
一緒に活動するための支援事業をしています。
障がいがある子のみが支援をうけるというのではない。
その子から学んでいることが、
生涯を通じて、とても大切なことであると考えています。
そして、知らず知らずのうちに、私たちも育っていると感じているのです。
共に育ってみませんか?
<「水戸共に育つ会」パンフレットより>
写真中央は、「水戸共に育つ会」の現在の代表、大内千裕さん。
「水戸共に育つ会」は、2002年に、前代表である谷中愛子さんがボランティアサークルとして設立され、2004年にNPO法人化して後、大内さんが代表となられました。
この日の参加者は50人前後。皆さん、熱心に、代表の話やパネラーの報告に聴き入っていました。
パネラーの報告
Fさんの報告:長男(知的障害)の学習権を得るまで
<2004>
・9月
某小学校の校長から長男を「受け入れてもいい」ととれることを言われ、その学区への引越しを決める。同時期、総研で親の承諾なしに長男の知能テストをされ、養護適と判断される。
・12月
某小学校の校長と面談した際、「学校のレベルが下がる、○○養護があいてるよ」と言われる。人権を全く無視した校長の発言を、市会議員に訴え、議員が校長に確認すると「言ってない」を繰り返すばかり。こちらから、ボイスレコーダーを公表すると言うと一転認めるが、その後他の保護者数名に、「Fさんは議員を使って学校にはいろうとしている」と就学相談の内容を漏らす始末。
<2005>
・1月
長男の就学先をF小学校に変え引っ越しを決める。学校教育課にF小学校に入学希望と伝えると「引越しなんか認めない」「学校を決めるのは学校教育課だ」と怒鳴り付けられる。
・3月23日
F小学校の校長が教育長に「M君を受け入れます」と言って下さったおかげで長男の入学が決まる。
・4月
母親とNPO法人「水戸共に育つ会」から派遣されたボランティア、学校側のスクールボランティアとでローテーションを組み、長男の学校生活をサポート。
<2006>
・4月
長男、2年生に進級。障害のある1年生が4人入学してきたためボランティアが大幅に足りなくなる。ボランティア募集のビラ5.000枚を地域に配り、30人のボランティアを確保したが、全員、1年生に付くことになる。
・9月
埼玉の「障害者の教育権を実現する会」に相談し、登校から下校まで補助員の配置を求めて要望書を教育長に提出。
・10月
行政交渉2回目で、この11月から長男に週29時間の補助員配置が決まる。
Sさんの報告:就学相談の状況
<本人6歳の現在>
痰の吸引、栄養剤の注入など、医療行為が必要なため、現在母親が付き添って幼稚園へ通っている。
<経緯>
就学への行動は、2005年11月、養護学校の見学から始まる。
2006年5月、学区の小学校へ、入学を希望しているので、本人に会ってほしいと電話。本人の姉が在学中なので、フリー参観時に特別支援学級の様子を前から見学していた。
6月に、特別支援学級の担任と面接。
7月、学校教育課に電話、面接、教育委員会から子どもの様子を見に、幼稚園に来園と続く。
8月、就学相談。
9月、養護学校体験入学。
10月、学校教育課より電話があり、就学時の健康診断の前に、学区の小学校の先生との面会を提案される。
小学校を訪問し面会。教頭先生と面接。学校教育課係長も同席。
中旬には、養護学校授業見学。
同じ時期に就学時の検診。
10月末、現況確認のため学校教育課に電話。31日には2回目の養護学校体験入学。
11月になって、バリアフリーの学校開放見学。学校教育課より経過報告電話。
11月20日には、養護学校開放見学。自立訓練見学である。
幼稚園に通い始めた娘の様子を見ていると、それまで何でも恐がってやらなかった娘が、友達がやることを自分もやってみたり、気管切開をして声が出ないのに大きな口を開けてみんなと一緒に歌を歌うなど、「この子にこんな力があったんだ!」と知らされた。
適切な訓練も受けたいが、学校でも友達の刺激をいっぱい受けたいとの気持ちで来年4月の就学に向け活動中である。
<最後に>
沢山の人の理解、協力を得てここまで来た。誰からも強制されること無く、純粋に本人のためにどの選択が一番いいのかを考えて過ごしている。
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立って発言されている男性と、その向こう側の男性は、「
障害者の教育権を実現する会」の方。「学校を選ぶ権利があるのは、子どもそのもの。教育委員会や他の立場のものが主導して決定するのはおかしいこと。」と穏やかに、だがきっぱりと、会場全体を励まされていました。
DATA
<事務局>
代表 大内千裕(ちひろ)
住所 〒310-0044 水戸市西原2-10-58-202
電話/FAX 029-251-4487
E-mail kirari@npo-mitotomo.or.jp
携帯電話 090-9317-5979
URL
http://www.npo-mitotomo.or.jp
<概要>
2002年6月、障がいのある子に付き添って学校生活を支援するボランティアサークル「水戸共に育つ会」が誕生。
2004年2月、「NPO法人 水戸共に育つ会」設立。
<活動>
+学校生活サポート(障がいのある子が安全で楽しく学校生活を)
+講演会・勉強会(「共に育つこと」をテーマに)
+なかよし広場(手作りおもちゃで遊ぼう・ほっとコンサートなど)
+おしゃべり広場・第2木曜日(子どものことについて語り合う)
+その他(会報きらりの発行・地域のまつりや催しへの参加)
<募集>
+保育ボランティア」
+イベントボランティア
+学習指導ボランティア
+学校付き添いボランティア
詳細や入会の問い合わせは事務局に
今後の予定
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おしゃべり広場
1/11(木)、2/8(木)、3/8(木)の10時から12時。
申込みなくてよく、出入り自由で、就学に関して、子育てに関して、さまざまな情報交換をする、「話す−聴く」場づくりを行っています。水戸市福祉ボランティア会館(ミオス2F)にて。
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なかよし広場「カルタ大会」
1/13(土)10時から12時。
障がいのある子もない子も一緒に遊ぼう。いろんなカルタをしてカルタキングやカルタクィーンを決めます。
水戸市福祉ボランティア会館にて。
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共に育つ学校☆きらり学級
2/10(土)10時から13時。
障がいのある子もない子も一緒に学ぼう。模擬教室を設定して、サポーターが付き、一緒に勉強します。配膳もみんなでやり、給食も食べます。参加してくれる子どもたち、お手伝いのサポーター・ボランティアを募集。
水戸市福祉ボランティア会館にて。
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なかよし広場「マジックショー」
3/10(土)10時から12時。
障がいのある子もない子も一緒にマジックを見よう。
水戸市福祉ボランティア会館にて。
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リポーターの独言
フォーラムに参加して、ともすると私たちは、何の問題においても、自分や自分のこどもや家族の利益と保身のために動き、問題を抱えて苦しんでいる当事者の壁になってしまっていることがあるのを痛感しました。
障がいのあるこどもの進学問題に対しても、「養護学校に行けばいい」と簡単に決め付けていなかったでしょうか。・・・こんな決め付けが、「壁」そのもので、当事者の方を苦しめていたのですね。
「壁にならない」ためにどうしたらいいか? 一度じっくりと考えてみたいと思いました。
大内代表の、「障がいのある子を世話するのではなく、自分こそ学ばされている。」という言葉が印象に残りましたが、ここにその鍵があるように感じました。
(佐々木和恵)