「NPO法人龍ケ崎市回想法センター」を主宰されている心療回想士の赤嶺愛子さんを、回想法の一端である伝承遊びの講座と、産業能率大学講師で行動科学博士の小林幹児さんの回想法講演を開催された日にお訪ねしました。

<参加者の方が、竹で昔ながらの方法で、花活けを作っていらっしゃるところ>

<手作りの竹製作品 懐かしい匂いがします>

中央の女性が赤嶺さん 向かって左隣りの方がお母様のふくさん 右が小林幹児さん 他の方は参加された皆様>

<機織機の前で、係りの方から説明を聴く>

<お母様のふくさんと参加者の方と話をする赤嶺さん ふくさんは、認知症要介護4から1に回復された>
私は、この時まで、「回想法」ということを全く知りませんでした。取材をするために資料を読みましたが、「お年寄りや認知症の人から昔話を聞いたり、お話ししあったりすることだろうか」という漠然とした理解でした。
そうした頼りない意識で、赤嶺さんと小林さんのお話を伺ったのですが、昔話を聞いたり、話し合うというところに生じる情緒で終わるものではない、例えば、病気などで通常でなくなった人間の脳を、記憶や感情がもつれた糸玉のようになっているとすると、それをするするとほどいていく手助けをするといえるような、高度で奥の深い学問であることを感じました。
また、脳血管性の障害とそうでないものの症状は別のもので、効果も違うなど、学術的な細分化の上の実績も積まれているようです。
それで、浅学な自分がこの説明をどのように書けばいいかと思案していましたところ、赤嶺さんが、ホームページに掲載されている、ご自分の体験を交えた回想法の説明文を寄せて下さいました。その玉稿を原文のまま公開させていただきます。
回想法との出会いからNPO設立・活動への思い
NPO法人龍ケ崎市回想法センター
代表 赤嶺 愛子
実の父が亡くなり、80歳になる母が残され、そこで何かのときに役に立てばとヘルパーの資格を取りにいったことが、私が、介護に関心を持つきっかけとなりました。介護ヘルパー2級を取得、登録ヘルパーとして訪問ヘルパー、老人福祉住宅の訪問協力員、特別養護老人ホーム、グループホームの仕事をしてきました。仕事を通して学んだことは、高齢者も、家族も、出来ることなら自宅で家族と最後まで暮らしたいと思っているのですが、家庭の事情などで、在宅介護を断念するケースが多く、自宅で介護したいという悩みを抱えている方が多いいということです。どんなにいい施設でも、自宅に勝るものはありません。どんなにいい介護を受けても、家族に勝るものがないという家族の悩みの深さを知らされました。そうした家族の方々とどのように接するのがよいのか、考えさせられる毎日でした。
私に転機を与えたくれたのが、主人の病気です。老後をのんびりと暮らしたいと、龍ヶ崎に自宅を購入し、念願の家庭菜園と陶芸と、大好きな土と戯れる生活を手にしたとたん、主人が頭の動脈瘤の手術をし、右半身麻痺と言葉が出なくなる失語症・高次機能障害の後遺症が残り、長期の療養生活になってしまいました。そこで考えされられました。障害の残る主人と自宅で暮らしていくにはどうしたらよいのかと。そこで、思いついたのが、自宅を地域で使ってもらおう。そして、私たちも一緒に老後を暮らすことはできないだろうかと。早々、私の思いをご近所の方に話したところ、親の介護、自分の老後の不安など同じ悩みを抱えていたことがわかりました。悩める同士で知恵を出し合い、どうしたら最後まで自宅で過ごせるのか、話し合いをしながら仲間つくりを始めたのが、地域のもうひとつの家NPO法人『あっとホーム』を立ち上げるきっかけになりました。
回想法を用いたデイサーを始めましたが、龍ヶ崎市には、歴史民俗資料館という立派な建物があります。歴史民俗資料館には、昭和初期の生活用具や、農機具などが多く展示されています。そこで、行政と話し合いをし、それらの展示物を回想法に活用させていただけることになりました。高齢者が展示物を見ながら思い出ばなし(自分の回想)をすることは、認知症の予防にもなり、地域文化の伝承にもなります。使った人にしかわからない呼び方や、使い方などを記録に残し、地域の素晴らし文化を次の世代に伝えながら、元気な高齢者を増やすことが、NPO設立の趣旨でもある「在宅介護家族の精神的介護負担の軽減」につながり、地域の活性化が望める、そんな活動をめざし、行政と民間との架け橋になれる活動ができるよう、「NPO法人あっとホーム」を『NPO法人龍ケ崎市回想法センター』と名称を改め、龍ケ崎市歴史民俗資料館と協力して、生涯学習として『文化伝承』の回想法と、福祉部門と協力しながら『認知症予防』としての回想法とコラボレーションしながら、地域のみなさんと力を合わせて活動しています。
誰でもなる認知症の治療方法はありません。でも、
予防はできます。
そこで、回想会話を身に着けていただくことで、地域の高齢者の認知症予防ができると同時に、自分の認知症予防ができる、『認知症予防のための回想ガイド育成講座』を受講していただきたいと思います。
国も予防介護に軸足を置いた方針を打ち出してきました。が、行われている予防介護は、体の機能を維持する技術的な予防ばかりです。頭の健康維持・予防のような精神的な予防介護は置き去りにされてきており、高齢者の閉じこもり、高齢者うつなど社会問題の引き金になっているように思われます。体も頭も元気でこそ、初めて豊かな老後を送れるのではないでしょうか。
*予防=継続=楽しい*
予防は、継続しなければ効果がありません。楽しくなければ継続できません。楽しいおしゃべり・昔話(自分の回想法)・は、脳を元気にさせ、気持ちが若返ります。
「認知症予防のための回想ガイド育成講座」は、参加者10名以上で開講いたします。
下記まで、ご相談ください。
NPO法人龍ケ崎市回想法センター
電話・FAX.: 0297−65−4443
メール pia−kaiso@etude.ocn.ne.jp
URL
http://www16.ocn.ne.jp/~piakaiso/
尚、『あっとホーム』は引き続き、NPO法人龍ケ崎市龍ケ崎市回想法センターが、地域のもうひとつの家として運営をしています。
リポーターの独言
赤嶺さんの活動は、「のんびる」4月号に掲載の予定です。ぜひご覧下さい。また、2月18日にこのブログで、小林幹児さんの回想法に関するお話を詳しくご紹介します。
(佐々木和恵)