ある雑誌に、「みんなにこれはいい介護の本だから参考にして、と薦められ、その本の通りにしているんだけどうまくいかない」という悩みの投書があったのを読んで、「うん、うん、そうだよね!」と思わず声に出してしまいました。
こういうことって、子育て中にもよくありますよね。
”夜泣きをする”、”すぐ癇癪をおこす”などなどに悩んでどうしたらいいかと子育ての本を読み、それに書いてある通りにしてみようと試みる。・・・でもその通りにはならなくて、かえって自分が悪いという気持ばっかりが膨らんでなお苦しんでしまう。
私は夫の介護をするようになって、一時期、おむつの取り替え方やベッドのシーツを病人が寝ていてもきれいに敷き替える方法などを学ぶ講習会によく出ました。おかげさまでラクラクとそれらが出来るようになりました。
また書物などを読んで、認知症の薬嫌いの夫に薬を飲ませるには、ゼリーにくるむと抵抗なく飲んでくれることや、入浴の際湯船から出る時に浮力を使って立つようにすることや、音楽はかってクラシックが好きだった場合でも、むしろ童謡のように歌えるものを選んで流すといいなどを覚えました。
本当に情報さまさまです。
でも、介護される側、する側の精神に関わることは、情報に振り回されるとかえって当事者を苦しめる結果になりますね。
心というのは、千人いれば千違う。当事者の千人の周りには千以上の違う人の心がついてくる。当然、バイブルのように言われる本でさえも、全員にあてはまるわけではありません。
一人の介護される人、一人の介護する私・・・を一番救うのは、知識やいいとされる万人の言葉にとらわれない、”普段の惰性でやっていること”、”いいかげんにやってきたこと”かもしれませんよ。
外から見て、”だらしなく見えたり”、”あんな介護をして”などの視線を感じても、自分流にやっていくのが介護される人にも幸せな場合もあるかも。少なくとも誰にもいいと言われる情報の通りにやろうとして、出来なくてイライラするよりはね。
でも、このことは前にも書いたことがありますが、本やテレビ番組を観たり講習を受けたり、人からの情報を受け入れて、いろいろな方法や事例を知っておくことはいいですね。
それらに振り回されるのではなく、頼りにするということです。
咄嗟の時に、”知っている量が多い”と、無意識にそれを引き出せますからね。
我が家の場合は、夫は最近、足がより弱くなってきましたから、常に怪我の危険性と隣り合わせ、という状態になってきています。それで私は、さまざまな事例を読んだり観たりして頭に叩き込んでいます。
知っておくと、目の前の事態を見て先を読み予防をすることが出来ますし、また事が起こった時も慌てず対処ができます。
それでも、認知症という症状は危険がいっぱいですね。
この前、スーパーのエレベーターを待っていて、人が多かったので次を待ちましょうと言ったのに、夫は閉まりかけた扉に頭をつっこんでしまったのです。私は勿論、中のお客さんもびっくりして悲鳴をあげた人がいたほどでした。扉は夫の首にさわると開いたのでどうということはなかったんですけど、こんな事例は私の情報リストになかったのでほんとびっくりしました。(笑)
(佐々木和恵)