三月のある日、茨城県稲敷郡阿見町の陸上競技場に、「のんびる」の取材のため、阿見町で活動する「NPO法人 阿見アスリートクラブ」をお訪ねしました。
この日は朝からかなりの雨だったこともあり、参加者は普段より大分少ないとのことでしたが、大人、こども合わせて50人ぐらいの会員が、雨のグランドでそれぞれの練習に打ち込んでいました。会員の活動の記事は「のんびる 6月号」で書いていますので、このブログでは理事長の楠康夫さんと、副理事長の楠朱実さんのお話をまとめてみました。
理事長 楠康夫さんのお話し
身近にスポーツができる環境を
「目指しているのは、『すべての人に対して、陸上競技をはじめとしたスポーツ全般の普及・発展を図り、スポーツ間の交流を行い、豊かなスポーツ文化の醸成に寄与するとともに、生涯にわたってスポーツを楽しめる環境を整え、活気ある町づくりを目指し、子どもの健全な育成を図る』ということですね。やさしい言葉にかえて言えば、『その人、その人がやりたいスポーツをやりたい時に出来るスポーツ環境を作りたい』です。
小さなこどもからおとなまでが、一堂に会して同じ場所でトレーニングできる環境。365日いつ来ても、コーチ・指導者がいて、健康のためにスポーツを楽しむ人も、トップアスリート目指して練習する人も、気軽に、でも本気でからだを動かすことができる、教えてもらえる。・・・そんなクラブを地域に根ざしたいのですよ。
ぼくは、駒大の陸上部、ヤクルトの事業団のランナーとして、箱根駅伝大会に四回出場、東京国際マラソン、防府マラソンなどに出場、入賞してきた、いわばランナー一筋の道をきたので、周りから世界一の選手を作ることだけを目標に組織を作っているのではないかと思われているところがあるし、実際夢はオリンピックランナーを出したい、であるのですが、でもそれだけではないんです。クラブの存在自体が地域に根付き、人々に愛され、地域の子ども達の居場所となり、高齢者・大人の健康なスポーツライフの拠点となる、そんなクラブ、ヨーロッパ的なクラブを作りたいんです。自分のスポーツ人生を、社会や地域に役立てたいのです。」
上の言葉から、楠理事長はいかにも厳しい表情をした堅いお人柄で、またエリートにありがちな完全主義の気難しい方かと思いますが、実際にお会いすると、真っ直ぐで筋の通った方で、才能ある人特有の完全さを持たれた方であることは間違いないのですが、それらで人を圧したり押し付けたりしない、心の柔らかな人間の幅の広い実に笑顔の素敵な方です。
そして、何より大事にされているモットーは、『楽しくなくては意味がない!』なのです。
そう、普段は勿論、練習中においても楽しい方なのです。そして永遠の青年、と称したい爽やかさを感じる方です。
「実際の練習の中で、楽しくしよう!を心がけてやっていると、小学生、中学生、高校生の生徒たちはダラダラしてしまうことがあるんですよ。甘く見る、というやつですね。だから、たまに、実力のあるスゴイところも見せるんですよ。すると、彼ら、『お、すげぇー!』としゃんとしてくれます」といたっずらっこのような表情をされました。
楠理事長の合言葉は、『楽しく! ぴりっと辛く!』なんですね。
副理事長 楠朱実さんのお話
夢は実現させてこそ、夢
「今、『阿見アスリートクラブ〜ドリム』の『ランニング&ウォーキング』『市民ランナー教室』『バウンドテニス』各会員を募集しています。市民ランナー教室は五月から月に一度やっていきたいと考えています。本格的にマラソンを走り抜けられるようにサポートしたいんです。実際、現在の『ラン&ウォーク』の会員は、メジャーなマラソン大会に出場している人や、霞ヶ浦マラソンやつくばマラソンを完走した人もいるんですよ。頼もしいです。これからもみんなで頑張りますよ。
(ドリム会員の皆さん。まだはじめて一ヶ月の方も、何十年も本格的にマラソンや陸上競技をやってきた人もいます。それぞれの経験や体力に合った指導がされますので、皆さん伸び伸びとされています)
ドリムは、ドリームをもとにした私の造語で“夢”ですが、この夢は実現させる夢。私とっては、夢は実現させてこそ、夢なんです。
クラブの中から、みんなに愛されるおらが町のチャンピオンが出れば、という夫とともに私もそう願って、その指導に全力をかけています。
私たちの生涯をかけ、現在は、このような組織を作り、行い、そして、次の世代へ引き継ぐこと、これがが私たちの理想です」
楠朱美さんは、東京女子体育大学を卒業後、公立の小・中学校の教師をされてきた、やはり陸上選手として輝かしい経歴を持つ方です。夫の夢をともに叶えようと、三年前に教師を退職、現在は、このクラブに心血を注いでいらっしゃいます。
インタビューの間も、常に練習をしているこどもたちに視線が注がれていて、時々、そちらに向かって声をかけられます。
「どうしたの?」「大丈夫か?」「そんなことしてちゃだめだよ」
いかにもスポーツ人らしいキビキビと張りのある口調です。でもこどもたちへの愛情を感じる温かい眼差し、声です。
そして楠朱実さんの顔は終始生き生きとしてチャーミング。叶える夢を持って、それに全力をかける、というのは幸せなことなのだと、楠朱実さんが証明しているという気がしました。
NPO法人 阿見アスリートクラブ
所在地:〒300-0331 茨城県稲敷郡阿見町阿見2083−23
TEL:029−887−1185
FAX:029-887-0911
E-mail:ami_athlete2004@yahoo.co.jp
HP:
http://www.geocities.jp/ami_athleteclub/
活動場所:阿見町総合運動公園陸上競技場
募集内容
阿見アスリートクラブ〜ドリム〜会員
*ランニング&ウォーキング部(大人の健康志向会員)(体験教室あり)
*市民ランナー教室(楽しむランナー、本格的なランナー育成も)
*バウンドテニス部(楽しく健康を)(体験教室あり)
2007年度のコース
基本コース:5歳〜6年生対象 遊び感覚のかけっこ教室
Sコース:小5・6年生対象 走るための基本の動きの指導 陸上競技のあらゆる種目と関わる
中学生コース
高校生コース
アスリートクラス:大学生・大人対象 競技的なレベルアップを目指す
ドリムコース:大人対象 豊なスポーツライフのための楽しい運動
トップチーム:全国・世界大会レベルの大会での活躍が見込まれる選手が所属
設立
2004年 7月1日 NPO法人に登記(茨城県)
2000年 1月 アスレッコクラブ誕生(クラブ母体〜会員11名)
2000年 4月 スポーツ少年団登録
イベント 協賛団体 10団体
手作り駅伝大会 (2006年2月 小学生58チーム 266名参加)
ミニサッカー大会 (2005年10月・2006年6月・10月 計3回実施)
トライアルデー (年5回実施)
定期講演会
スポーツデー
登山デー
奉仕活動
会員数
正会員:20名
クラブ会員:230名
賛助会員:団体13 個人14名
会の歴史
2000年 1月 アスレッコクラブ小学生の部誕生
4月 スポーツ少年団アスレッコクラブとして登録スタート
2002年 4月 中学生の部スタート
2003年 3月 全国小学生クロスカントリーリレー研修大会初出場
4月 大人の部(ドリム)、5・6歳児の部(キッズ)スタート
8月 全国小学生陸上競技大会初出場(5位入賞)
2004年 4月 高校生の部スタート
7月 NPO法人阿見アスリートクラブとして登録しスタート
8月 関東中学陸上競技大会初出場(4名)
10月 NHKテレビ「夢をかなえるために」に監督出演
11月 大人の部(ドリム)
2005年 4月 クラブマネージャー採用
大人の部(アスリート)スタート
6月 日本選手権初出場
10月 第1回ミニサッカー大会開催
11月 ジュニアオリンピック初出場
2006年 2月 第1回手作り駅伝大会開催
4月 雇用選手初採用
7月 日本選手権初入賞(女子200m5位)
アルル・エクス展(ベストショット展覧会)共同開催
8月 中学生の部初全国中学出場
10月 ジュニアオリンピック初入賞(100mH 2位)
いばらきインターネット放送局にてクラブ紹介動画放映
リポーターの独言
お二人のスポーツの普及にかける熱意に、本当に心打たれました。
単なる根性選手を育成するのではなく、生活に根ざしたスポーツのとらえ方は、スポーツが文化として人の中に浸透していくのだと感じ、そのことに共感しました。またこどもの教育、ひいては福祉の分野にもよい影響を与えるのではないかとも思います。
お二人の目指しておられることが実現することを心から祈りたいです。
クラブに入会したい方、見学をしたい方は、クラブに電話をかけてみて下さい。029−887−1185 です。気軽にかけて大丈夫です。親切に応対して下さいますよ。
コーチの皆さんも経験豊富な人たちがそろっており、充実した楽しい練習ができるに違いありません。
(佐々木和恵)