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介護の現場から<八千代町保健師の飯島絹枝さんがいく!>

2007-05-30 00:23:23

茨城県結城郡八千代町の社会福祉課の保健師、飯島絹枝さんは、毎日、介護保険を受けていらっしゃる高齢者、認知症の方々とそのご家族に会って、それぞれの健康状態や症状を聞いたり、状態を見たり、相談を受けたりされています。その飯島さんに、介護に関する役に立つお話を伺ってきました。

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飯島さんはこの写真の通り、笑顔の素敵な若々しい方ですが、保健師として23年のキャリアを誇る頼れるベテランです。
実際、向かい合ってお話していると、何ともいえない安心感を覚えます。優しい眼差しとてきぱきとした口調に、的確な洞察性、深い包容力が滲んでいるからでしょう。(写真をクリックして下さい。画像が大きくなります)
leaf2gif.gif介護について、今一番考えていること
「以前は保健センターで、赤ちゃんの検診に来る若いお母さんに、赤ちゃんの健康や子育てのアドバイスなどをやっていたんです。その時は、赤ちゃんは未来があるわけですから、何を話しても聞いても将来への方向に繋がっていて活気がある。二年前から役場の福祉課に移り、介護の保健師としての仕事をはじめたのですが、認知症への理解がまだまだ浅く、認知症の家族を家から出さない、人に見られないようにする、というところがあるんです。
認知症になった家族を、「何でこんなになってしまった・・・」という感じなんですね。また回りの人も、認知症の人に冷ややかな視線で見たり、偏見があったりする。
そうした中で、高齢の奥さんが高齢のご主人を介護する、老々介護と言われる状況になると、これはもう介護される人もする人も苦しいですよね。
そこで、私は、社会の無理解を打破して、高齢者や認知症の人への偏見をなくし、大らかに施設やヘルパーさんを利用しながら介護をし、奥さんやお嫁さん一人が負担を負うことのないようにしていきたいのです。」

leaf2gif.gif具体的にこんな活動をやります
「今年から「元気アップ塾」をスタートさせ、月に一回開いています。
これは、介護されている人だけではなく、元気な高齢者の方を応援し、介護される側にならないための健康づくりや、健康面での生活のしかた、考え方などをより改善して、いつまでも溌剌と元気でいましょう、ということを学んでもらう教室です。皆さん、楽しみにして参加して下さっています。

他にも実現させたいことがいろいろあります。
将来的には介護をしている人の会を、月に一度くらい開いて介護者の声や情報の交換などをやっていきたいのですが、これは今のところは年に一回です。
こうした会や、いろいろな講座などを通して、まず介護する人が、高齢になった家族や認知症になった家族を、外に出していく、ディサービスやショートスティを受ける。一人で介護ができなくなったら施設への入所を考えてもいい。その方が認知症の人自身にもいい介護ができる場合もある。・・・こういう風に意識が変わっていったらいいなと思っているのです。介護される人も介護する人も、外に向かうことで、まだまだ人生があるのだと、その人生はいい人生にできるのだと思うようになって欲しいのです。
身体の健康面、精神的に満ち足りて生きられることなどを得るには、考え方や意識をかえていくことも大事ですからね。広い視野をもった活動を考えやっていきたいです。

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この「元気アップ塾」は、5月18日で締め切っているのですが、どうしてもという方は、電話で問い合わせてみて下さい。」

leaf2gif.gif日々の健康のための心配り
「今、高齢者や認知症の人が、低栄養の状態になっていることが多いんですよ。
昼食などはご飯と漬物だけで済ませるなどしていると、必要な栄養が摂れない。特にたんぱく質が不足します。そうすると当然体力、筋力が低下します。低下している中、散歩などの運動をするとかえって健康によくない、ということになります。疲労は回復しないし、骨折はしやすくなるし危険です。
一食の中に、たんぱく質を入れるよう心がけて下さい。卵、大豆、豆腐、牛乳、納豆、豆乳など少しづつでもいいから必ず摂って欲しいです。
メモでいいから食べた物を書きとめておくといいですね。

筋力が低下すると、ころびやすくなり、また服の脱ぎ着が自分でできないなどにもなります。そうしたことや入浴が自分で出来るようにしておくためにも、栄養はきちんと摂りましょう。」

leaf2gif.gif肺炎にならないために
「肺炎は風邪からおこる、と考えていませんか? 高齢者の肺炎の原因のトップは、口の中のばい菌なんですよ。口中を清潔にしていないと、ばい菌が肺に入り、肺炎をおこすのです。
それで家庭でできることを心がけていただきたいんです。
★歯磨きが出来る方は歯磨きをする。歯磨きが難しい方はうがいをする。この場合、水、紅茶、日本茶なんでもいいですよ。紅茶や日本茶はばい菌を消す作用があるからいいと思います。
★入れ歯は口から出して裏側もきちんと洗う。ここが肝心です。夜ははずして水か、入れ歯専用洗浄液につけておきましょう。
★またまめに水分をとるのも必要ですね。高齢になると口の中がねばねばしていることが多くなりますから、それを防ぐ意味でも水やお茶を飲むといいのです。」

leaf2gif.gif仕事の中の喜びと悲しみ
「高齢者の方、認知症の人たちに毎日のように会って、嬉しいと感じたことは、こんなことがありました。
仕事である認知症の人とゆっくり向かい合って話をした後、その人が、『いろいろ話をしたり、聴いてくれて、すっきりした』と言われたんです。はっとしました。認知症になってまともにその人に話しかける人がいなかったんですね。特に気持を聞いてあげることを誰もしなかったんじゃないでしょうか。

認知症だからわからない、と決め付けるのは大間違いです。みんな自分をしっかり見て、話して欲しいんです。聴いて欲しいんです。
またこういうこともありました。私がお会いした認知症の人に、『話をしてもらってありがとうございました』とお礼を言ったら、その人が、『ありがとうと言ってくれてありがとう』と言われたんですね。胸がいっぱいになりましたよ。
その人は、自分が人格を認められた、と感じて下さったのではないでしょうかね。
このように、事務的な付き合いではなく、感情のやりとりができた時、とても喜びを感じます。

悲しいと感じるのは、介護する人が、認知症になった人を介護するのをいやだ、と思っている、と感じた時。たまにあるのですよ、こういうことが。本人を前にして、いやでしょうがない、という様子を見せる。こんな悲しいことはありません。」

leaf2gif.gif最後に
「福祉課に移動になって、高齢者の方、認知症の方のお宅に回ることになった時、正直に言うと、自分のエネルギーがなくなっていくんじゃないか、と思ったんですよ。
はじめたら、とんでもない! 私の方が高齢者、認知症の方からエネルギーをもらっているだとわかりました。
きちんと向き合ってお話をし合うと、年をとって今はあまり動けなくなっている、認知症になって物忘れがひどくなっていたり、言葉が通じないことがあるようになっているからと言って、そこだけを見て判断してはいけない、この方たちは、一生懸命働き、社会や人に貢献してこられて、周りの人から認められ尊敬を受けてきた人たちなのだと、そのことがひしひしわかるんですよ。今も一生懸命生きていらっしゃることも。
それがわかると、本当に敬意を持つとともに、こちらの方こそ、力づけられエネルギーをもらんです。
皆さんにそのことをわかって欲しいですね。」

リポーターの独言
日々違う人と会っていらっしゃる飯島さんの言葉は、本当に説得力があり、しかも聴いている者を元気にする優しさがこもっているのですね。
私も元気を貰い、「頑張るぞ!」と呟きながら役場をあとにしました。
今日も飯島さんは、溌剌と明るく優しい笑顔で、高齢者や認知症の人たちと語り合っていらっしゃるでしょう。

介護は、制度の上で考えていかなくてはならないことがさまざまあるように思いますが、実際に、介護される人、介護する人に接している方々は、こんなに真摯な熱意と愛情をもってあたっていらっしゃるのですね。
介護をする当事者の私は感謝でいっぱいでした。
飯島さん、お仕事中貴重なお話をたくさんしていただきまして本当にありがとうございました!

(佐々木和恵)

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