pagetop

リポーターブログトップ > 記事詳細

紙芝居の革命児、遠山昭雄さん監修の本<はじめよう老人ケアに紙芝居>

2007-07-05 16:00:43

突然ですが、私は三好春樹さんを「介護の風雲児」と思っております。
そして、その風雲児が主宰・編集をされている雑誌、「月刊ブリコラージュ」の中で紙芝居人として登場し、社会に紙芝居の面白さと介護の世界に紙芝居が輝きを放つことを知らしめ、2006年5月にはブリコラージュの編集部からの依頼で、「はじめよう老人ケアに紙芝居」という本を、著者・監修を受け持って作った遠山昭雄さんを、「紙芝居の革命児」と言っております。
なぜそう思うかというところから、本の紹介を致しましょう。

yume_tooyamahon.jpgクリックすると画像が大きくなります。
それは、まず第一には、「はじめよう老人ケアに紙芝居」で見る遠山さんは、紙芝居を美化していないのです。
対象がこどもや高齢者という、存在としては勿論弱者などではないが、立場として力がない弱者の側にいるものに対する活動は、えてして美言で説明されるものですが、遠山さんはそのような気配がないのです。
例えば、こんな文があります。
『(略)純粋に「紙芝居」文化に魅せられ、研究や上演活動、手づくり創作活動を展開するグループやサークル、あるいは個人の「紙芝居人」がいたのです。IT時代の反逆者のように、ローテクの懐古趣味的な(叱られそう!)妙に静かな冷たい熱気(?)を帯びた同志的結合でつながる紙芝居人たちです。』
私はこれを読んだ時、思わずニヤリとしてしまいました。
なんだか、私がこども時代に私たちのヒーローだった「黄金バット」が、闇の中からマントを翻して現れ、「よっ!」と声をかけてくれたような、そんなインパクト、自由さを感じたのです。 

別のページには、こんな風に書いておられます。
『(略)「ケア」を軸にして、ケア現場にとって距離のあった「紙芝居」が、また子どもの存在を前提にして発想され続けてきた紙芝居(文化)の前に、「老い」が置かれたと考えられます。』
「紙芝居人」にとって、自分たちが愛する紙芝居が、ケアに役立ち受け入れられる、ということは、そのまま、「紙芝居はこんなに素晴らしいんだよ。」と言ってよさそうですのに、何と冷静で、ある面、ニヒカル(シニカルとニヒリズムをかけた造語。感じとしてこれがピッタリ)
にすら感じます。かと言って決して暗くはない。
ここです。どこか皮相で虚無を持ち、ぐいっと人の胸倉を掴んでくるような鋭気があるのに暗くもうっとうしくもない。明るいのです。既成を突き抜けた紙芝居人の活きのよさ。これはもお、「遠山昭雄は、『紙芝居の革命児』と言うしかないではありませんか。

この本の執筆陣は、遠山さんが「ぜひこの方に」と依頼された紙芝居人の方々だそうですが、抜きん出た個性と面白さ、豊かさにやはり圧倒されます。皆さん、ケアの現場で紙芝居を演じている、つくり手の方々です。
本書の「はじめに」に遠山さんが紹介されている順にご紹介しましょう。

■堀田穣さん:「歴史」の視点から執筆され、「老人のための紙芝居には“未来”がある」

■鈴木富夫さん:関西系の演じ方、そのルーツを書く。

■右手和子さん:伝統的な演じ方の基本型の記述。著に「紙芝居のはじまりはじまり」。

■やべみつのりさん:作家・脚本家。老人領域での活動や実践に取り組まれている。

■ときわひろみさん:やべさんと同じく、作家・脚本家としての立場から執筆。

■田部井康夫さん:民間ディサービス事業の先駆者。作品に「18坪のパラダイス」など。

■三木章代さん:ケアの現場にいる人。手づくり紙芝居の名手。

■瀬川達実さん:純粋な介護職でケアワーカー。音楽(歌)と紙芝居の融合を追及。

■石井良信さん:身体障害者の療護施設からケアの仕事に。紙芝居に独自の想いあり。

■奥田真美さん:西伊豆町でNPO法人の宅老所を開設・運営。紙芝居とケアの実践。

遠山昭雄さんのプロフィール
1950年埼玉県生まれ。重度身障者療護施設でケアの仕事に就き、その後、精神科の仕事を経て、老人ケアにたどりつく。現在は介護老人保健施設「練馬ゆめの木」のケアワーカー。
そのかたわらで木工職人として「休日木工房」を主宰し、紙芝居の舞台をつくっている。定年後は町に紙芝居おじさんとして登場するのが夢である。そのための準備を始めている。

「練馬ゆめの木」のホームページ↓
http://www.ichiyoukai.or.jp/kanren/yumenoki.html

リポーターの独言
この「はじめよう老人ケアに紙芝居」は、紙芝居・介護という枠に入れられない大きさがあって本当に面白いです。それぞれの執筆者の方々の絵、写真、文章は独立して魅力的でスゴイ本だなぁと思いました。紙芝居や介護に関わる方以外の読者をも虜にすること間違いありません。

紹介して下さったのは、雑誌、ブログともに登場していただいた井出裕子さんです。
井出さん、いつもありがとうございます。

次回は、6月30日に「練馬ゆめの木」をお訪ねした時に開かれていた手品の記事、その次は『紙芝居ボランティア「あじさいの会」』の方による紙芝居、最後に遠山昭雄さんのインタビュー記事と全部で四回続けてご紹介します。お楽しみに!

(佐々木和恵)

この記事のURLコメント(2)

Posted by 佐々木和恵 at 2007-07-07 14:06:55

ideさん、こんにちは。
遠山さんとこのような経緯があったんですか。そうなると尚のこと遠山さんの紙芝居の実演を拝見したいですね。
横浜の青い芝の会(脳性麻痺者の熱い戦い)をぜひお訪ねしたいですね。またご尽力のほど、よろしくよろしくお願いしますぅm(_ _)m

Posted by ide at 2007-07-07 07:12:02

こんにちわ。6年前、「老人向けの紙芝居が作れないだろうか?」と問いかけてきた、遠山さん。「そうね、うーん」とつれない私。それ以来、ご自分でこの部門を確立しにかかったのです。やはり、仕事としてやってる人は違う。
遠山さんの中に、横浜の青い芝の会(脳性麻痺者の熱い戦い)が有ります。これは障害者の問題を語るときには省くことが出来ません。
「お年寄りが大好き」なんていう仲間達とは違う、人間の尊厳を語れる方です。

名前
メール
URL
コメント

▲このページの上へ戻る