前回の記事で取り上げていますが、2006年4月からスタートした『地域包括支援センター』の活動は、多くの人はまだ、それがどのような役割をもって何をしているのか、具体的にはご存じないのではないでしょうか。
厚生労働省のホームページを見ますと、『趣旨』と『業務の内容』にはこのように書いてあります。
★趣旨
地域包括支援センターは、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的として、包括的支援事業等を地域において一体的に実施する役割を担う中核的機関として設置。市町村は責任主体。
★業務の内容
○包括的支援事業
介護予防ケアマネジメント
総合相談・支援
権利擁護
包括的・継続的ケアマネジメント支援
○介護予防支援業務
指定介護予防支援事業所として、要支援者のケアマネジメントを実施
地域包括支援センターの手引き(目次)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/03/tp0313-1.html
地域包括支援センターについて(概要)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/03/dl/tp0313-1a-01.pdf
わかりましたか? この説明ではちょっとわかりにくいですね。
そこで、茨城県八千代町で、『地域包括支援センター』の活動を実際に担っていらっしゃる相馬順子さんにお話しを伺ってみました。
リポーター:『地域包括支援センター』というのは、各市町村に責任主体があり、それぞれの方針に基づいて活動がなされるわけですから、地域地域によって内容が違うようですが、。相馬順子さんの場合は、どのような活動をされているのでしょうか?
相馬:私は、『シルバーリハビリ体操指導士』として、高齢者の方々に体操を指導させていただいているんですよ。
リポーター:『シルバーリハビリ体操指導士』というのは、どのような活動でしょう?
相馬:「今元気な方は、そのままいつまでも自分で何でもできるように」、「寝たきりになっている人は、起きられるように」、「転ばない機敏性をもっていられるように」などの願いを持って、高齢者の方のそれぞれの状態に応じた体操を指導するのです。
筋肉は使わないと衰えますでしょ。その筋肉を、ほどよく使うことで、機能回復ができたり、現在の健康な状態を維持していくことができるのです。
でも、無理に筋肉を使うと、逆に身体を痛めたりしますね。それで、その人、その人の状態を見ながら、無理のないように体操をする。その手助けですね。
八千代町では、シルバーリハビリ体操指導士が7人いまして、各地区の公民館で、月に一度、リハビリ教室を開いています。皆さんボランティアです。まだはじまって間がないのですが、「来月が楽しみだ」と言って下さる方がたくさんいらっしゃるんですよ。
リポーター:相馬さんは、どのようにして『シルバーリハビリ体操指導士』になられたのですか?
相馬:新聞の記事に、県が、医療大学名誉教授の太田仁史先生の指導で『シルバーリハビリ体操指導士』育成講座を開く、ということが載っていまして、それを読んで応募したのです。
リポーター:その記事に心を動かされ、応募して『シルバーリハビリ体操指導士』になろうと思われたのには何か理由があったのでしょうか?
相馬:高齢の母の介護をしておりまして、寝たきりになった人が少しでも起きられるようになるように、お元気な人はその元気がいつまでも続くようにしていくことの大切さを感じておりました。介護する側にもそうですが、何より、高齢者の方自身がいつまでも自分らしく生きられたら幸せではないか、と。そのお手伝いをしたい、と思ったのです。
また太田先生は、団塊の世代の方の第二の人生の生き甲斐として、自らいつまでも自分らしくあるように、『シルバーリハビリ体操指導士』を、とおっしゃっていまして、そのことに感銘を受けました。
リポーター:『シルバーリハビリ体操指導士』育成講座を受講したら誰でも『シルバーリハビリ体操指導士』になれるのですか?
相馬:茨城県では、3級資格、2級資格、1級資格取得の講習がそれぞれ開かれますが、3級資格の受講をし認定されれば、ボランティアで指導ができます。私は3級資格をいただいた後、2級の資格も受けて認定されました。1級を受講して認定されると、指導士になりたい方の指導ができるんですよ。
リポーター:受講の時間はどのくらいかかるのでしょうか。
相馬:3級は、50時間(一日5時間づつ、10日間受講)、実技と講義を受けます。2級は実技が中心になり、6日間で30時間受けました。
会場は水戸でしたから、うちからは遠かったのですが頑張りました。(にっこり)
リポーター:高齢者の方に、体操を指導されていらっしゃる時の心意気と言いますか、熱意、情熱を、一言で言い表すとしたら、どんな言葉になりますか?
相馬:『攻めるも守るもこの一線』に尽きます。この言葉には、「寝たきりになっている人が、身体を起こして家族の様子や、まわりの景色が見られるようになって、家族や知人と話ができるようになって欲しい」「健康なものは転んだりしない筋肉をつけて、今のまま自立して生きられるように」という心からの願いがこもっているのです。
リポーターの独言
相馬さんのお話を伺っていると、いつの間にか私の胸にも力が漲ってきました。それは相馬さんの表情の美しさと、本当に優しい眼差しをされていることに安らぎを感じ、そこから、自分も頑張ろうという気持が満ちてくるのです。
八千代町の『シルバーリハビリ体操教室』のお問い合わせは、町役場介護課が受け付けています。0296−48−1111(代表)
(佐々木和恵)