当ブログで二度ご登場いただきました(2007/2/19回想法は楽しい学問・2007/7/2本の紹介:おしゃべり心療回想法)、心療回想法の小林幹児先生の、「インタビュー形式」でうつ病を克服する方法が書かれた新刊が出ました。
「インタビュー形式」ということは、「インタビューする人」と「インタビューされる人」がいるということ、つまり、この本は、「うつに苦しむ人」ではなく、「うつ病になった人をサポートをする」人のために書かれた本であり、「心療回想法(子供の頃の楽しかったり、安心感のあった頃の記憶を場面ごと引き出す)に基づいたインタビューで、うつの人を苦しみから救う」方法が書いてあるのです。
だからと言って、家族や友達など身近な人がうつ病のようだからと、この本のインタビューを試みれば全部のうつ病が治る、ということではありません。
専門医の診断と治療はまず尊重しなくてはいけません。
著者の小林幹児氏は、本書の冒頭に、このように書いておられます。
『うつ病は、軽症から重症まで幅広い病気です。本書は、うつ病になりかかっている人などの初期の軽いうつ病への対策として書いています。重症になってしまった場合は、専門家などの治療を受けて、軽症になってきたところでこの「心療回想法」をはじめてください。』
またこの本を推薦されている、財団法人 大原総合病院 副院長で医学博士の森谷浩史氏は、『複雑化する現代社会・・・。ますます孤立化する人間関係・・・。うつは決して特別な病気ではありません。しかし、その処方箋はあなた自身の記憶の中にあります。記憶の中の楽しい思い出があなた自身をうつから守ってくれるのです。
小林博士が以前から提唱している心療回想法は、どこでも、だれでもスタートできる心のストレッチ体操です。
本書は博士が一般読者向けに平易に書き下ろした入門書です。』と書いておられます。
以上のことをきちんと認識して、この本を必要に思う方は、ぜひ読んでみてください。
うつに苦しんでいる人、心を閉ざしている人に接するのは、特別なことのように思いがちですが、この「うつ病脱出 インタビュー法 〜心療回想法のすすめ〜」を読むと、誰に対しても自分らしく自然に接することができるような落ち着いた気持になります。
それは、本書が、うつの症状やうつの人へのアドバイス等、全てが分り易く具体的に書かれていて、特にうつの人に接した時の問いかけ(インタビュー)の内容が、日常的で、自然で、簡潔で、清潔なのです。そして、インタビューの項目が100まで書かれてあり、これだけはやってはいけない注意事項もきちんと明記されています。
これらは、問いかけ(インタビュー)をする人にも、受ける人にも、心の負担を感じさせない、と感じました。
きっと、うつに苦しむ人、その人をサポートしたいご家族や友人、どちらをもの力になってくれるでしょう。
うつ病脱出 インタビュー法 −心療回想法のすすめー
著者:小林幹児
発行者:石川 嘉一
発行所:株式会社メタモル出版
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2−32
TEL:03-3234-5743
FAX:03-4234-5742
URL:
http://www.metamor.co.jp
小林幹児(こばやし かんじ)博士(行動科学)のプロフィール
1953年東京生まれ。日本大学大学院で心理学を修了し渡米。行動科学博士号取得後、文部認可財団法人にて発達と加齢研究を行う。退職後北海道の中核病院にて、地域医療介護担当者として臨床経験を重ね、その後病院や老人施設の管理者を行いながらカウンセリング実績を深めた。
現在は、心療回想法によるうつ病治療や予防、認知症の予防にも活躍している。剛柔流空手道三段。主な著書に「おしゃべり心療回想法」(論創社)がある。
内閣総理大臣認証法人 日本回想療養法学会長
社会福祉法人 日本家庭福祉会理事長
産業能率大学 講師
内閣総理大臣認証法人 日本回想療法学会のホームページ(心療回想法の詳細は、このホームページに)
http://www.fureai.or.jp/~psytex/
リポーターの独言
私は一度、小林先生の講座に参加させていただいたことがあるのですが、一番印象に残っているのは、先生の明るさ、屈託のなさでした。そうした大らかさな人間性の土台があるからこそ、誰もが安心して自分の記憶を思い起こし、それが心療回想法に繋がっていくのだろうか、と思いました。
また機会がありましたら、講演などでお話を伺いたいものです。
(佐々木和恵)