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介護☆同行二人<幻視・・・母>

2007-10-30 14:52:06

■幻視・・・母■
夫が夜間に眠らなかった頃、いわゆる『幻視』という症状もよくあらわれました。幻視というのは読んで字の如し、「いないものが見える」症状です。認知症にはつきものの症状だといわれています。

私のある知人から聞いた話ですが、知人のお母様は知人の隣りに視線を向けて、「今日はおさむうございますね」「おつかれになったでしょう」など言われたことがあったそうです。知人が、「誰に言ってるの?」と訊くと、「あなた失礼ね、○○さんがいらしてるのに」と激怒されということです。○○さんという方は、知人には覚えのない方だそうで、「おそらく、母が若い頃の知り合いでしょう」と、苦笑していました。

夫の場合ですが、夫が決まって言うのは、食事の支度ができて、これらか食べようという時でした。
「とんとつんを呼んでやらなくていいの?」と言うのです。とんとつんと言うのは、我が家の息子の愛称です。息子たちは高校生の頃から愛称で呼ばれるのを嫌がるので、使わなくなって大分経っていたのですが、夫は脳出血の後、愛称で呼ぶようになっていました。
「二人とも家にいないでしょ。だから二階にはいないのよ」
「いるよ。さっき、二階にあがって行ったよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
このような会話が頻繁にありました。夫には息子が学校から帰って二階に上がって行くのが実際に見えていたのでしょう。

自分の母を幻視することは日常的にありました。やはり食事になると、「二階におっかさんがいるから呼んでこよう」と言うのです。『おっかさん』というのは、夫の口癖の呼び方でした。
夫の母親はとっくに亡くなっていましたが、こういう時、私は二階にあがって、降りてくると、「お母様は今はおなかが空いてないから、二人でいっぱい食べなさいって」と言うようにしていました。夫は安心したような雰囲気を見せて、食が進みました。

幻視ではなく、母に似ている人を母と思い込むこともよくありました。
ある時、ホームセンターに二人で買い物に行った時のことです。
外のベンチで待っているはずの夫がいません。店内をくまなく探しましたがいません。駐車場の全体を走り回って探しましたがいません。
私は不安でいっぱいになりました。店の前の通りは車の多い国道です。その道をふらふらしていたら危険です。大急ぎで国道の方に向かいました。
すると、二人の高齢の女性に付き添われるようにした夫の姿が見えました。駆け寄ると、夫は鷹揚に笑って、「おっかさんと歩いていたんだ」と言いました。
おっかさんと言われた人が、困惑を滲ませた笑顔で、「最初は帰る道が同じ方向なんだと思って気にしなかったんですが、どうも・・・・・・」と言いながら、もう一人の人と顔を見合わせました。

事情を聞くと、夫はホームセンターからお二人の後ろについてきたのだそうです。そしてまるで知り合いのようにお二人の話に何かと合いの手を入れるのだそうです。最初は家の近所の人かと思ったものの、どうも話がおかしいし、また「おっかさん」「おっかさん」と言うので、これはホームセンターに送って行った方がいいということになり戻りかけた、ということでした。

夫に「おっかさん」と呼ばれた方は、髪がシルバー色に輝いている方でした。夫の母は、美しい白髪でした。夫は白髪の人を自分の母だと思っていたのです。【つづく】


(佐々木和恵)

この記事のURLコメント(4)

Posted by 佐々木和恵 at 2007-11-06 00:09:32

ばるちゃん様、はじめまして。コメントをありがとうございます。

そういえば幻視は夕方以降、夜間が多いように感じます。ご助言大変参考になりました。
幻視はあまり頻繁ですと本人に悪く影響しますでしょうか。ご助言を参考に気をつけていたいと思います。ありがとうございました。

Posted by ぱるちゃん at 2007-11-05 16:58:07

同行二人(四国のお遍路さんみたいですね!)のタイトルに惹かれてお邪魔しました^^

幻視はご家族にとって、とても大変な症状かと思います。
いない人(もしくは物)が見える時には、『指差し』が良いそうです。
幻視が見えているときに、「どこにあるの?指差して教えて」と声をかけてみてください。指差しをしようとして集中力が高まればと、一時的に幻視症状が消失すると思います。他にも、部屋を明るくするのも良いですよ。

また、意識レベルの低くなる夜間には症状が出やすくなるかもしれません。もし症状が強くあらわれるようでしたら症状を軽減させるお薬もあるそうです。その時は『物忘れ外来』のある病院でご相談してみてください。

Posted by 佐々木和恵 at 2007-11-04 18:52:33

miyataさま、コメントありがとうございます!
お久しぶりです。と言っても私はmiyataさんのブログはよく拝見しています。いつも自分の深いところに受け止めるので、書き込みをしないまま失礼していますが・・・。
奥様の幻視は幸せな中にいらっしゃる感じですね。我が家は最近、玄関を向いて陰気な表情で「誰か来た」と言うことが多いです。何かを警戒しているように、顔を半分引き戸で隠して険しい目つきをします。それで私は、玄関に行き、「折角おいでいただきましたが、今主人は手がはなせませんのでお話ができないんですよ。すみませんがお引取り下さい」など言って見えない人物を送り出します。夫はそれで安堵するようです。

>あ、そうそう。マオさん、判定勝利でしたね(^^)v

ハハハ、ありがとうございます! 非力でノックアウトはできませんでしたが、反則はしないで頑張りました。(笑)(@_@)

Posted by miyata at 2007-11-04 02:26:07

お久しぶりです。大変ご無沙汰しておりました。この書かれている「幻視」というのでしょうか。なんだかとても不思議ですね。我が家ももうこれは四六時中で、幼い時分の子供や母親、父親、叔母、死んだ愛犬、甥、姪、はては、みるちゃん、ぺきちゃん(想像上の名前だと思われます)・・etc
その都度話を合わせていてもこちらがこんがらがってきます。見えないこちらが悪いのかと思ったり(笑)。それではまたおじゃまします。あ、そうそう。マオさん、判定勝利でしたね(^^)v

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