本の紹介です。
食文化研究家
魚柄仁之助著の
「うおつか流 大人の食育」(合同出版)
「冷蔵庫で食品を腐らす日本人」(朝日選書)の2冊。
軽妙な語り口でユーモラスに、鋭く、現代日本の食を斬り、まっとうな食生活を提案しています。
「うおつか流 大人の食育」ではBSE騒動からアメリカの食糧戦略、食のグローバリズムの恐ろしさを語ります。日本の歪んだ食の情景を嘆き、「つくり、食べさせ、共に食べる」ことが食の原点という著者に深い共感を覚えます。
「冷蔵庫で食品を腐らす日本人」には私にとって耳の痛い話がどっさり。冷蔵庫の巨大化で食文化は崩れたのではという指摘、今ほとんど聞かれなくなった「しまつ」という言葉、一手間かけて食材を保存することー魚の味噌漬けや粕漬け、野菜の即席漬け、乾物作りなど先人の知恵と生活のリストラ技術も紹介されています。
生活をスケールダウンして、本当の食を取り戻すヒント、そして食育は実践されなくては親や教師の自己満足という指摘にも納得させられます。
九州弁でユーモラスに語られる文章を笑いながら読んでいるうちに、すとんと胸に落ちる、そんな2冊です。
番外編は
島田雅彦著の「食いものの恨み」〈講談社)
小説の島田ワールドとは一味違った軽妙でマトモな食のエッセイです。
(浅越 美枝)