我が家を立て替えた時、いろいろなお宝(ガラクタ)が出てきました。それらの一つに私の祖母(1886年生まれ)が書いた料理ノートがありました。

B5版のノートにぎっしりと書き連ねてあるのはおそらく当時の雑誌やラジオ、後にはTVの料理番組を聞き取ってかかれたものだと思います。昭和33年の秋から始まって8冊分。
この記録から覗ける当時の食生活は?
まず驚いたのが「マツタケ」の多さです。それも、「土瓶蒸し」はもちろん、はんぺんと澄まし汁とか、鮭缶と包み焼、ほうれん草とお浸し、ソーセージとのカボブ(ケバブのことでしょう)などなど、、、今読むと、もったいない!といいたくなります。
もう一つが「味の素」をやたらに使っていること。
さて春の料理として、特に変わったものは見当たりませんが、「春の盛り合わせ」として5種ほど記されています。
「豚肉の宇治揚げ」「魚のうに焼」「ウドの芥子漬け」「デキシーポークチャプスイ」「バナナパンケーキ」・・・おそらくお客様料理でしょうね。
「豚肉の宇治揚げ」は下味をつけた一口大の豚肉をさっと蒸し、小麦粉、卵黄をつける。卵白をあわ立てて片栗粉と抹茶を入れたものを最後につけて弱火で揚げる。
「魚のうに焼」は現代と同じ。
「ウドの芥子漬け」はさっと湯がいたウドに砂糖と醤油、水で溶いた芥子(昔はチューブ入りなどありませんでしたね)に漬け込む。
「デキシーポークチャプスイ」これは初耳の料理!
ソテー用の豚肉の切り身をフライパンにマーガリンを溶かし、焼き目をつける。肉を取り出して小麦粉をいれ、湯、酢、レーズンを入れてソースを作る。
焼皿に肉、りんごの薄切りをのせ、花見糖をふりかけ、ソースをたっぷりかけてオーブンで焼く。
うーん、果たしておいしいのか?私には我が家の食卓にのぼった記憶が無いので、得意料理にはならなかったようです。でも斬新です。
さて祖母の料理の思い出といえば、初夏の頃、よく豆腐の木の芽田楽を作っていたこと。それ専用の祖父制作の竹串がありましたっけ。それと父が好物でしたので、大きな鰹を捌いて刺身や血合いの佃煮にしてくれていました。そんなときには、母は祖母にお任せと言う風に気を使っていたようです。祖母の料理は大胆で、そして面倒がらずにいろいろ作っていたので、それを見ていると、料理って面白いなあと思ったのをかすかに覚えています。
まだまだ、8冊分、ノートはあります。読んで面白そうなものは作ってみようかなあと思っています。
でも、書道を教えていたという祖母の走り書きの字は、達筆すぎて!変体仮名まであって読むのに時間がかかります。

祖母たちと暮らした子どもの頃を思い出しながら、のんびりと続けましょう。
(浅越 美枝)