バイオエタノール燃料の問題
地球温暖化対策として脚光を浴びた感のあるバイオエタノール。マスコミでも最初はイイコトヅクメのような記事が多かったように思う。でも食料を燃料として利用することに抵抗があったひとも少なくないのでは?
中国には「王以民天為 民以食天為」という言葉がある。意味は「王にとって民が最も大切で、民にとっては食が最も大切。だから王は民の食糧をゆるがせにしてはならない」。つまり飢えないことは何より優先されるということなのだ。これは今も代わらぬ真実だと思う。途上国の飢饉を対岸の火事と見てきた我々に突きつけられた問題でもあるのだ。
アメリカにおいてブッシュ政権がバイオエタノールの主原料と位置づけたトウモロコシ。作付面積も戦後最大となり、価格も急上昇した。これはトウモロコシの輸入の94%をアメリカに頼っている日本人にとっても大問題になりつつある。
いや、当然のことではあるが日本人だけの問題ではない。アメリカはトウモロコシの生産量が世界の4割、輸出量の7.5割がアメリカ産なのだ。「食べる」ためのトウモロコシが「車を走らせる」ための物に変わってしまったら・・・。
価格の高騰ばかりではない。大豆と交互に栽培してきたトウモロコシを毎年植えつけると・・大豆の品薄、価格の高騰のほかにも連作障害→病気や殺虫剤に強いといわれる遺伝子組み換えトウモロコシが栽培される→NON GMO(非遺伝子組み換え作物)の入手は困難になるという結果が考えられる。
しかも一説によるとバイオエタノールの精製に要するエネルギーはバイオエタノールが供給するエネルギーより大きい。またバイオエタノールの原料のさとうきび、セルロース、トウモロコシの三種類の中で、トウモロコシが一番効率が悪い!という。廃材や古紙などから出来るセルロースを使って精製する研究が行われているが、コストや技術面での問題も多いらしい。しかしぜひ人から食糧を奪うことの無い方策を考えてほしいと思う。
〈以上週刊ダイヤモンド7/21号・nikkei BP net ECOマネジメントを参考にしました)
有史以来人は「食べること」を優先させて生き延びてきたのだから。
(浅越 美枝)