■良い、悪い?
子どもの頃「漫画ばっかり読んでないで××しなさい」と親から小言を言われた経験はありませんか。今の時代だったらさしずめ「ゲームばっかりしていないで・・・」という感覚でしょうか。少女クラブ、少女ブック、週刊マーガレット、少女フレンド、リボン、なかよし等々。皆さんはどんな作品が印象に残っていますか。
私はわが子に「ゲームばっかりしていないで・・・」と何度口にしたでしょう。その子もすっかり‘ゲームボーイ’を卒業、たまに「ガンダム」と遊ぶていどに成長(?)しました。
私たち大人はどこかに「たかが漫画」という思いがありますが、そこから学ぶことも多いのではないでしょうか。かつて一世風靡した「ベルサイユの薔薇」は、フランス・ブルボン朝後期、ルイ15世末期からフランス革命でのアントワネット処刑までを史実と絡めながら描かれていて、世界史の勉強になりました。
漫画はその描かれる背景によってはとても良い教材になります。
■マンガ大賞

朝日新聞社主催第12回「手塚治虫文化賞」マンガ大賞に石川雅之氏の「もやしもん」が選ばれました。
初回タイトルは「農大物語」、2回目は農大物語「もやしもん」、3回目にしてようやく「もやしもん」となった変り種タイトルです。初回タイトルにあるように農大生の学生生活を描いています。
主人公は幼い頃から、菌と話せる特殊能力を持っていた沢木惣右衛門直保。
種麹(たねこうじ)を扱う通称「もやし屋」の老舗の息子というところからタイトルが「もやしもん」となったのでしょう。
ユニークなのがもう一方の主人公とも言うべき「菌」です。直保の肩には実家からついてきた、麹をつくる黄麹菌「A・オリゼー」が何故かくっついています。子どもたちは生活の中であまり接点は無いでしょうが、私たち主婦はいつも多くの「××菌」と交わっていますよね。なので「菌」についての薀蓄は結構おもしろいですよ。
食でよく利用するのが「発酵」という状態ですが、最初に出てくるのはアザラシの死体を利用したカナディアン・イヌイットの「キビヤック」という発酵食品です。アザラシの死体の腹の中に海鳥を70〜80羽詰め、2,3年掛け発酵させたもの。イヌイットが生活する北方では2,3年かかる発酵が、日本で短期間での発酵が可能か、という実験の様子を描いています。北の大地では野菜が育たないのでビタミンの補給のために発酵食品を利用していた、とのことです。「キビヤック」で検索すると関連サイトで実際の画像も見られます。興味のある方はどうぞ。
たかが漫画、ではありますが結構「菌」についての知識を得ることができました。次々に出てくる「菌」たちの口癖は“かもす(醸す)ぞ〜”。ちなみにわが子はしっかりとこの単行本を揃えていましたね。