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なぜ今海外協力?

2008-01-04 19:57:00

前回はボランティアを始めるに当たってのポイントをシャプラニール=市民による海外協力の会事務局長坂口さんに窺いましたが、では「なぜ今海外協力でのボランティアなのか?」についても窺いました。

「情報のグローバル化」「経済のグローバル化」・・・よく耳にする言葉ですが、海外協力活動に関しては、これまで「遠いところで起きていること」といったハードルのような壁がありましたが、それが近年あっさり崩れ、途上国との距離感はグンと縮まりました。情報のグローバル化による携帯電話の普及です。

例えばバングラデシュの農村を例にとると、ほんの数年前までは、農村と都会、都会と日本という情報経路で、農村との直接情報の入手は困難でした。しかし近年農村地帯は有線電話の時代を経ることなく、いきなり携帯電話の時代に入ったわけです。有線電話から携帯電話へのシフトに苦心することもなく、初めての電話が携帯電話なのです。

時差を除けば国内で話をするのと変わらない感覚で、日本と途上国の農村が直接個人同士でリアルタイムに連絡を取り合うことができるようになり、ユヌス氏のグラミン銀行からの融資で農村でも携帯電話を使った起業が始まっています。

経済のグローバル化は、途上国との関係に限らず、特定の国が風邪をひくと、他の国々が広く感染することは、実際近年のアメリカの低所得者向け住宅ローンの問題が、日本の株式にも影響を及ぼすなど世界的に波及していることからもわかります。

このように狭くなった地球の中で、これまで見えていなかった問題が見えてくるようにもなりました。例えばバングラデシュも日本の同じ社会問題を抱えていることが見えてきます。バングラデシュの農村の主は町に出て働くようになり、農村には子どもと母親だけが残り、コミュニティ崩壊の危機となっています。日本でもコミュニティが果たしてきた役割が崩壊し、地域での人間関係が薄っぺらになっていることが、子どもの成長過程に影響を与えているなど様々な問題に波及しています。現在両国ともコミュニティの再構築が課題となっています。

また共通点だけではなく、これまでの「援助のあり方」がズレていたことも分かってきます。マスコミで報道される途上国といえば、悲惨な状況ばかりがクローズアップされがちで、「可愛そう」と思って募金をした方が大勢いらっしゃると思います。途上国=貧しく気の毒な国という見方ができ上がっていました。しかし、実際の交流が増えてくるにつれ、そうではない、日本では失われた「モノに頼らない豊かさ」が途上国には有り、そこからこちらが学ぶべきことが多くあることも分かってきました。

また、金持ちに見られる外国人が途上国の現地に入ることで、現地で受け継がれてきた権力構造が崩れてしまったり、相手国のニーズの調査をすることなしに「不要なモノを施した」など様々な失敗の積み重ねから学んだことから、海外協力のあり方もこれまでの、「援助側」が「施す」といった上下関係の姿勢から「相手国と同じ目線で、共に学び合う」というように変化してきています。援助国が主役になるのではなく、援助国は「黒衣」に徹し、相手国を尊重し、同じ目線で付き合うことが国際協力の成功に結びつくというように変わってきています。これは日本国内での援助の仕方にも通じるところです。

一昔前までは情報不足でちょっと敷居が高かった海外協力活動もその気になればいくらでも情報を入手できる時代になり、どこかの団体に参加することも、自分で何か始めることも可能な時代になっています。
一応豊かな日本国内では接することの難しい「貧しいけれど、少しも惨めではない、生きる力のある子ども達」にも出会え、私たちは自分たちの暮らしを見つめ直したり、生き方を軌道修正したり、学びを得ることで「自分が変わることができます」。

それは国内での経験よりインパクトが強い分、気づきが大きく、「互いに学び合い」、「支え合う」、「与え合う」、「生かし合う」ということが実体験として得られる。それが国際協力活動に参加することの素晴らしいところです。
以上、シャプラニール=市民による海外協力の会事務局長坂口さんに窺いました。
                         (鈴木 由利子)

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