前回からの続きです。
この山岳民族の村のメートー校が舞台となった
映画「ディク子ども達は海を見る」が12月22日から渋谷の映画館「
Q-AXシネマ」で上映されます。すでに昨年から全国各地での自主上映が始まっており、素晴らしい反響が寄せられています。
予告編は
こちらから見られます。

この映画のアリヤー・チュムサイ監督は、30代前半の、生まれも育ちも米国の女性。女優であり、ジャーナリスト、コラムニスト、大学の講師を務めるかたわら、ベストセラーを含む4冊の本を執筆し、社会貢献と指導力を評価され、タイ人女性として初めて「トウキョウ・クリエーション・アワード」を受賞している方でもあります。その上、美人コンテストでも優勝したという、いくつもの天分に恵まれた才色兼備の方。タイでは美人女優としても大変有名な方だそうです。その監督が映画封切りの22日と23日に舞台挨拶に来られるとのことです。
2000年、2月のある日、アリヤーさんが女優として海でロケをしていたときの事、彼女は、撮影現場のそばで、服を着たまま海の中に飛び込み、我を忘れて飛び回って喜んでいる子ども達の集団に出会いました。子ども達の驚きと感動に満ちたその喜びようは、一種異様でもあり、彼女はその光景に唖然とし,それは、そのまま彼女の喜びとなりました。「これが本当の人生の姿なのではないか・・・」と、彼女はその光景に満ち足りた幸せを感じました。

彼女は、彼らが誰であるかを尋ね、それが山岳民族の子ども達で、中学の卒業記念に20時間もバスにゆられて初めて海を見に来た子ども達であることを知り、近くのレストランで子ども達にシーフードチャーハンをごちそうしました。できればそのチャーハンを親にもって帰ってあげたい、といった様子で丁寧に礼儀がよく食べる子ども達の様子にアリヤーさんは更に心を動かされ、「この子ども達のかけがえのない、この輝きの一瞬を映画にしたい!」と強く感じました。そして山岳民族のことを深く知るようになると、貧困、麻薬、エイズ、学校に行けないといった、タイ社会の抱える問題が、山岳民族の抱える問題に凝縮していると分かり、この子たちの学校を映画にすると決め、ニューヨークに渡り、学校で映画シナリオを学びました。
NYからタイに帰国後、一緒に山に入る女性のカメラマンを探していたところ、広告代理店で仕事をしていたけれど、その仕事に嫌気がさしていたニサ・コンスリを紹介されました。しかしニサは、「女優のお遊びなんかに興味はない」と大女優の申し出をあっさり蹴ったのです。ところが、アリヤーはニサのそんなところが気に入り、「あなたのような方と是非組みたい」と食い下がり、二人の完全ボランティアの映画作りが始まりました。今では二人は大の親友とのこと。二人は2004年からメートー校に入り、一年間をかけて撮影しました。
その間
TPAKの近田さんも何回かメートー校に行っていました。近田さんも映画の中で映っています。近田さんが、「彼女達は何をしているの?」と先生に聞くと、「物好きな方が撮影しているんだよ」といった具合で、何回かアリヤーに会っているけれど、近田さんはどのような映画になるかは知らなかったとのこと。映画は三人の生徒に焦点をあてながら、一人一人の夢と希望を描き、一年間のメートー校での生徒達の生活を追ったドキュメンタリーです。