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フェアトレードとファッション

2008-05-22 15:38:37

「日本の消費者は世界の中でも最も社会性のない消費者です」 

これは、「フェアトレードデー2008年」のイベントの中で開かれたセミナー「日本のフェアトレード新時代」に参加した時、拓殖大学教授の長坂先生のおっしゃった言葉です。

確かに・・・国内の農産物に対する消費者の要求をみても分かります。形の悪い農産物は売れないから捨てられる、農薬がたくさん使われていても形や色がキレイな方を好むというのは、「日本人は世界の中でも社会性のない消費者だ」とレッテルが貼られてもしょうがない・・・フェアトレード商品が普及しない理由の一つにその意識の低さがあるようです。

国民一人当たりの年間フェアトレード商品の購入額はスイスが3367円、それに較べて日本は約8円。それでも年々確実に伸びてはいるそうです。企業が生き残りをかけてフェアトレードに注目してきたのもその伸びに貢献しているとのこと。企業にとっても質の良いものを提供でき、食に関しては安全であり、トレーサビリティが確立している、企業イメージ向上にも繋がる、そういった利点からフェアトレードを取り入れる企業も増えてきているようです。

ピープルツリーは、フェアトレードを広めるためにファッションに力を入れています。今回のイベントの中のファッションショーはちょっと驚きでした。これまでのタウン着やレジャー着の他に、あらっ?フェアトレードの服ですよね?と思うほど、これまでのフェアトレードの服に対して持っていた印象とは異なる服が登場していたからです。もっともプロのモデルさんが着て歩くと、どんな服でも異なって見えるというのもあるでしょうけど・・・サクーン、リチ ャード・ニコル、ボラ・アクスなど(といってもブランドに疎い私には分かりませんが・・・)の海外若手デザイナーとのコラボレーションのコレクションがいくつかあったそうです。

2007年6月のファッション雑誌「ヴォーグ」誌の中でフェアトレードの特集が組まれ、今回のファッションショーで紹介されたバングラデシュの職人が作ったデザイナーブランドの服がページを飾ったとのことです。この特集はとても反響が大きかったそうですが、ここに至るまでの苦労は大変なものがあったとピープルツリーのディレクターの方がセミナーの中で話されました。

デザイナーブランドの服の縫製には高度な技術を要するので、製作過程では失敗の連続。農村で作るにはハードルが高すぎるのではないか・・・とあきらめの声も上がったとのことですが、根気よく教える努力を重ね、完成した時は、生産者にとっても、ピープルツリーにとっても大きな自信に繋がったとのことです。日本の消費者の要求が高いというのは、フェアトレード商品に限らず、よく聞かれることですが、一方では生産者の技術向上にも繋がり、競争力のある製品をつくることに誇りがもてるようになるまで技術を磨くことにもなるようです。

フェアトレードの服のデザインに西洋的文化を持ち込むことに対する疑問の声も上がっていますが、持続可能なトレードを考える場合、より多くの消費者の関心をひき、買ってもらう手段として、特に日本においてはファッションを考えることがポイントになるようです。ファッションは消費するもので、おき物と違って買い換えます。若い人たちの消費行動を変えることにもなります。

フェアトレードの服を作ることは、原料のオーガニック コットンから、紡ぐ人、織る人、染める人、縫製する人を必要とし、コーヒーや紅茶に較べ産業の裾野が広がっています。手作業によるフェアトレードによる仕事は多くの人に収入の道を作ります。またフェアトレードではない、機械で服を作る工場現場では、労働者は劣悪な環境での長時間労働を強いられているところが多く、児童労働なども含め、様々な労働問題が起きています。フェアトレードはそこから労働者を救うことにも繋がります。

フェアトレード商品はフェアトレードに関する情報とともに販売されるべきものです。フェアトレードを理解してもらって、買っていただきたいので、本当は小さなお店で店の人と話ながら買われるのがよいのですが、デザイナーブランドの服を売るとなると、これまでの販路に新しいお店が加わり、原宿のユナイテッドアローズ、新宿高島屋(期間限定)でも扱われるようになったとのこと。これはピープルツリーの新たな挑戦だそうです。

デザイナーブランドでなくても、フェアトレードの商品は生産者の地域や作るまでの過程がわかる上に、さらにその人たちの健康を守り、生計の手段にもなる、そしてなにより、着ていて気持ちがいい、という何重もの良いことがあります。フェアトレード商品を選択肢の一つとして考えるのが当たり前になれば、不名誉なレッテルのついた消費者の名誉挽回になりますね〜  (鈴木由利子)

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オーガニックコットンがもたらすもの

2008-05-19 00:53:45

先週 グローバルビレッジ・ピープルツリー の主催するフェアトレードデーのイベントに参加しました。

ピープルツリーは、フェアトレード専門ブランドで、アジア・アフリカ・南米の約20か国、60団体の生産者パートナーを支援し、日本とヨーロッパでフェアトレード商品を販売しています。

フェアトレードデーの今年のテーマは「フェアトレード+エコロジー」。ピープルツリーが支援しているインドのオーガニック・コットンの生産者支援組織「アグロセル」とフィリピンのNGO「サフィー・ハンディクラフト」の代表から、活動内容や、エコロジーへの取り組みが紹介されました。

インドでは1993年〜2003年の間に10万人以上の農民が自殺に追い込まれたそうです。自殺の原因は、弱い立場の農民が一方的に農薬を買うように勧められ、そのために高金利で借金して買ったものの、収穫は低価格でしか売れないため、借金を返すことができなかったことが大きな原因とのことです。

インドのオーガニック・コットンの生産者支援組織「アグロセル」は、農民をこの罠から救う手段としてオーガニックコットン栽培を指導しています。この組織のもとで働く農民はフェアトレード認証を受け、収穫物は国際市場価格が上下しても一定基準で安定した公正な価格で買い取られます。オーガニックの生産品に対しては割り増し金が8%あり、そのお金はコミュニティの共同設備導入、女性向けの職業訓練、井戸、飲料水の設備、学校の制服支給、灌漑用の小さなダム(これによって1回の収穫が2回になり、収入が2倍になった)に使われるそうです。 

個々の農家にとってアグロセルのもとで働くことは、高品質の種、肥料などが適正価格で手に入れられ、低金利の融資、技術指導、生産物市場販売支援などが得られます。オーガニックコットンの生産に参加するようになって確実に生活が安定し、子供達も学校に通えるようになったとのこと。そして何より農薬を使わない農法により、農民の健康も改善されとのことです。

エコロジーの観点からも、有機農業による環境保護、動植物の多様性の保護にもなります。オーガニックコットンは石油から作られる農薬や肥料を使わないので、従来の農業と較べると、CO2が48―66%削減されると試算されているそうです。(FAO 国連食料農業機関 2002年の報告)また、生産過程でも手仕事で織るため、電力を使いません。これも機械で生産することに較べるとCO2の削減に貢献しています。
 次回につづきます。            (鈴木由利子)

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休むことなく抱擁を与え続けることで世界の苦悩と闘っている−アンマ

2008-05-08 09:59:25

初めて会う人からハグ(抱擁)してもらったり、自らハグした経験がありますか?日本人にはハグの習慣がないので、「ハグする」というとちょっと気恥ずかしい感じがするのですが、最近は「ハグします」と書いたボードをもって公園や街角に立っている若者がいるそうですね。テレビで取り上げているのを見ていますと、素通りの人が多いのですが、中には気軽にハグしてもらう人、ちょっと勇気をもってハグしてもらう人たちがいます。ハグしてもらった感想は、皆「よかった〜!」「もやもやしていたのがふっきれた!」などなど一様に好感をもった様子です。

さて「ハグ」といえば世界中をハグしてまわって下さっているインドの女性がいます。その方は本国インドはもとより、アジア、ヨーロッパ、北米、南米各国に招かれ、時には24時間以上かけて4万人以上の人々を、その間ずっと食事も取らず、休みなく、立ち上がることもなくハグし続けておられます。過去37年間で2800万人以上の人々を抱きしめて下さっているとのことです。ハグの様子はこちらから

アンマ(お母さん)と呼んで親しまれているこの女性は、「愛はありふれてなどいません。愛は生命を支えるものです。そして、私たちが何をしようとも、ただ愛を得ることがその目的なのです。世界には2種類の貧困があります。ひとつは経済的な貧困で、もう一つはは愛の欠乏という貧困です。この二つめの貧困を考えることがより重要です。もし、私たちが人を思いやる気持ちを持っていたなら、助けようとする気持ちは自然に起こるからです」と言っています。(パンフレットから転載)

そのアンマが例年のように今年も日本に来てくださいます。5月24日25日が神戸(ホームズスタジアム)、27日28日が東京(調布 味の素スタジアム内ミズノフットサルプラザ)です。スケジュール等、詳しくはNPO法人国際チャリティ協会アムリタハートのサイトをご覧下さい。

いい香りのするアンマのふわふわの腕に包まれ、耳もとで言葉を囁いてもらうのは格別な抱擁です。
インドの音楽(アンマの修行僧による演奏が聴けます)、インドのフェアトレード商品や宝石など(これらの売り上げは全て慈善事業にまわされます)にも触れられる楽しいイベントです。国籍も身分も宗教も関係なく、赤ちゃんからお年寄り、健康な人、病んでいる人、あらゆる人があらゆる場所からアンマの抱擁を受けにやって来ます。全てボランティアで運営され、もちろん入場料やハグは無料です。

アンマは、修行者にとっても一般の私たちにとっても偉大な師でもあります。「本当の愛とは何か」、「本当の慈善活動とは何か」を彼女が実際に行っている膨大な活動を通し、彼女が直接私たちに示して下さっています。アンマの様々な分野での膨大な慈善活動については、現在日本語のサイトが工事中なので、インド本部のサイトからご覧下さい。

彼女に対し、世界中から多くの称賛の声が上がっています。以下にそのいくつかをイベントのチラシから転載します。

アンマの一番大好きなところは、真の愛を実行していることです。
アンマは自分が社会で見たいと願っている理想を、そのまま実践しているのです。_______故ヨランダ・キング氏(キング牧師の娘で 米国マーチン・ルーサーキング Jr.センター前理事)

アンマはのびのびと直感的に行動します。これがスピードと弾みをもたらし、役所的な手続きを省き、人々を刺激し、動かすので、必要とする人に時を得た質の高い支援をすることが可能になります。
国際的NGO や国連諸機関はアンマの仕事や実績から学ぶものがあると思います。______オララ・A・オトゥンヌ前国連事務次長―前こどもと武力紛争に関する国連事務総長代理

アンマは、人々の生活の根本的な部分である平和と愛を表現しており、そのメッセージとキャラクターで、世界中の多くの人々をひきつけています。彼女は、ユネスコと世界宗教会議が目指す未来社会の基盤である愛と平和を表しているのです。彼女は偉大なリーダーであり、私たちは彼女がこの世界宗教会議の閉会式で演説することを光栄に思います。
_______フェリックス・マーティン国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長 2004年世界宗教会議(バルセロナ)において

分け隔てなくすべての人に開かれた教育や医療、地域福祉などの、アンマの行う慈善活動に、私はいつも勇気づけられます。私の10ヶ月分の給与を、MAミッションの慈善活動に捧げたいと思います。
_______アブドゥール・カラム博士(前インド大統領、大統領就任中にアンマにあてた手紙より)

アンマのシンプルなメッセージは愛と人に奉仕することである。そして、彼女は今もそのほとんどの時間を求める人々を抱擁することに費やしている。
_______米ABCニュース

平和について語るにふさわしい人はアンマをおいて他にありません。自分自身が平和のうちに生きているだけでなく、人々をもその平和に目覚めさせているのです。_______アンマを撮影したドキュメンタリー映画「ダルシャン」のプロデユーサー、マニュエル・デ・ラッシュ氏(この映画は2005年カンヌ映画祭に正式招待された作品で2007年シネマ・ヴェリテ賞を受賞)
    
「IN GOD’S NAME」(2007年米CBSテレビ製作)
という番組で、世界でもっとも影響のある12人の精神的リーダーの一人としてローマ法王、ダライ・ラマと共に紹介されたそうです。
                        (鈴木由利子)

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世界エイズ孤児デー 写真展

2008-05-07 15:22:29

今日、5月7日は世界エイズ孤児デーです。2002年5月7日、ニューヨークで開催された 「国連子ども特別総会」 にてエイズ孤児の支援を訴える請願書と200万人の署名がアナン国連事務総長へ提出され、これを受け手世界エイズ孤児デーが国際的に制定されたとのことです。この日に合わせて世界各国でエイズ孤児の支援を求める活動が展開されています。

日本ではエイズ孤児支援NGO・PLAS が主導となって世界エイズ孤児デーキャンペーン「Pieces for Peace2008 あなたにもできることが、ここにある」を展開しています。キャンペーンの一環として開かれている写真展「アフリカのエイズ孤児」を広尾にある JICA地球ひろばで見てきました。

写真家の相川美穂さんが2006年にエイズ孤児支援NGO・PLASの支援先、ウガンダのスラムにあるBlessed Nursery and Primary School とその地域を撮影した写真展です。

エイズというと私たちは大人のイメージしてしまうのですが、エイズで苦しむのは大人だけではなく、親をエイズで亡くしたエイズ孤児達も大きな問題となっています。エイズ孤児は全世界で1500万人いると言われ、内1230万人はサハラ以南のアフリカです。14秒に一人の割で子どもがエイズによって親を亡くしています。2010年には2000万人から2500万人にふくれ上がると予想されています。

ウガンダ共和国は、エイズ対策に成功した国とされています。確かに妊婦のHIV感染率は1992年に30%だったのが、2002年には8.3%までになっているそうです。しかし2010年には人口が増加するにもかかわらず平均寿命は54歳から45歳になると言われています。

親をエイズで亡くした子ども達は、祖父母・親戚・地域住民に預けられるか(労働力と見なされ学校に行かせてもらえない。医療、衣食住すべての点で家庭の中でさえ差別や、偏見を受けます)、ストリートチルドレンになる子、子供だけで生活するエイズ孤児の家で暮らす子もいます。また、騙されて人身売買の被害にあう子、誘拐されて少年兵や児童労働、売春を課せられる子もいます。教育が受けられませんから、エイズの知識もなく、自分もエイズに感染する。差別されて仕事にも就けない、麻薬、アルコール依存症になる。そしてこれが更なるエイズ孤児を生むことになるという悪循環となってます。

しかしそのような過酷な状況を経験してきた子どもたちの中にも学校に行けるようになった子どもたちがいます。相川さんの作品にはその子どもたちの輝く笑顔があふれています。子どもたちは教育を受けることで誇りを取り戻したようで、「何より学ぶことが楽しい」と言っています。

会場では相川さんの作品やエイズ孤児についての映像、パネル展示が行われています。

写真の展示は5月11日(日)まで
<会場> JICA地球ひろば 1階 企画展示スペース
<対象>興味・関心をお持ちの方ならどなたでも
<入場料>無料
会場アクセスはこちら

世界エイズ孤児デーキャンペーン世界をうごかす7つのストーリーはこちらから

キャンペーンムービーはこちらから

ご寄付はこちらから
                    (鈴木由利子)

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