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森造りと土造りは貧困の解消の切り札

2006-10-12 23:41:52

グローバルフェスタ 報告 3

西アフリカの人たちを支援する会 SUPAによるワークショップに参加しました。
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NGO「サパ=西アフリカの人達を支援する会」SUPAの事務局長野澤さんは、企業退職後、職業経験を生かしNGO活動でアフリカの緑化に関わるようになり、1998年からギニアでの活動を開始された。

住民たちは生えてきた木を燃料用にドンドン伐採し、植林の重要性なぞ全く考えていなかったため、第二次大戦前には緑豊かだった土地は、干ばつも加わり、ブッシュだけの荒れ地になってしまった。農業の収穫は減り、人口を支えられなくなった住民の貧困は深刻さを増した。

このアフリカの不毛の土地を緑に変えるプロジェクトは、かつて江戸から流れて来た人たちの生活を築くために、不毛の土地を6〜10年で緑土に変えた川越藩主柳沢吉保による三富新田プロジェクトをモデルとし、まずは森作りから始まった。
森造り
三富新田は、1農家当たりの敷地は、5haの短冊型で、不毛に近い。この土地の北側1/3に広葉樹を植える事から始まり、風通しのための選伐でエネルギー源の薪や炭が入手できると共に、木の実やキノコが食料になった。森の南は畑、南端には屋敷、家畜小屋、それに井戸や肥料小屋が占めた。畑の肥料は、森から出た広葉樹の落ち葉と牛糞を混ぜて発酵させた堆肥で農作物の生長を支えた。この壮大なプロジェクトにより6〜10年で農家は自立した。厳しい冬を越えて成功した三富新田の手法は、現在の発展途上国でも成功するはずと、野澤さんには確信があった。

住民の意識を改革するのはどこでも難しい。そのため、まずは不足している食料を支給し住民に説明会に参加してもらう事から始め、段階的に三富新田の史実の説明を行った。しかし、その中味の理解を得ることは出来なかった。

苗木の植栽では、住民の食糧不足のため、補完できる生長の早い3種の樹種が選ばれたが、問題があった。「森造り」の意識が欠落しているため、当初は日当を支給しなければ植栽作業に従事しなかった。植栽、除草、防火帯の設置等の必要作業すべてに賃金が支払われた。
他方、植栽樹の生育は予想以上に旺盛で早く、東京ドームの60倍ほどの広さに当たる230ヘクタールが6〜7年で稚樹林に変わった。選伐などの手入れは高度な技術を要するため、顧問に日本から博士を迎え、同じく専門家の野澤さんと共に保育指導に当った。

森ができたことで、雨期の降雨が地下にしみ込み、地下水脈となり、枯れてしまっていたかつての泉から水が湧出し、水田が50年ぶりに復活した。2003年、住民の案内でここを訪れた時のこと、「畑の脇の小さな崖から水が僅かながら湧き出していた。この水を見た時は感動しました。今でもその時のことをよく覚えています」と野澤さん。

水が湧き出ると最初に鳥が来て、次に小動物も見られるようになる。昔から住民達はこれらをタンパク源として採取しており、やっと森の恩恵を理解し始めた。今では自分達の財産である森の保育を無報酬で進んで世話をするようになった。

土作り
住民達の肥料と言えば化学肥料を指すが、農民層の70〜80%を占める貧しい農民はこれらの化学肥料は経済的に買うことができない。1998年に野澤さんが最初にギニアの農村を訪れた時のこと、農家の裏にうず高く積まれた茶色の物体に注目した。ギニアの農民の貴重なカロリー源であるアブラ椰子の実の搾油滓であった。未だアブラが滓に残っているのを見て野澤さんは、「ボカシ肥の原料になる」と閃いた。その場で直ぐ農家の納屋を借り、絞り滓に米糠を混入し散水、農民に一日一回の切り替えしを頼み5日後再訪すると見事な「ボカシ肥」が完成していた。持参した温度計は摂氏52度を指していた。アフリカで最初の「ボカシ肥」の誕生であった。
アブラヤシはどこの農家でも植えている木で、ご飯の上に煮た野菜をのせ、アブラヤシの油ソースをかけるのが常食なのだそうだ。

アブラヤシから油をとったカスはそれまでは捨てられていたのだが、米ぬかとアブラヤシの滓と食べた動物の粉砕骨を混ぜたものを発酵させた「ボカシ肥」を使うと、それまでの土がとても疲弊していたためか、穀類の収穫が2〜3倍に増えた。さらに家畜の糞を主体に落ち葉、枯れ草を加え発酵させた堆肥も混ぜると収穫は4倍となった。

発酵という現象を知らない人々は、野澤さんをマジシャンだと信じたとか。日本政府が派遣する農業の専門家には、有機農業の技術指導ができる人は極めて少なく、未だに化学肥料と農薬を駆使した近代農業が幅を利かしている。化学肥料と農薬が買えないアフリカの農民相手では、これら日本の派遣専門家は役に立たないことになる。有機農法で成功したキューバに学ぶ必要がある。

資金作り
SUPAのアフリカでの緑化活動には、年間で約2500万円ほどかかるが、政府によるNGOの補助金は申請していない。援助をもらうと政府のアフリカ政策を批判できなくなるからとのこと。
SUPAの活動資金はカレンダーの売り上げが大きな資金源。アフリカの人々を生き生きとらえているこのカレンダーは毎年人気が高い。2007年版のカレンダーももうすぐできるとのこと。また、カレンダ−で使われた写真を10年分まとめた豪華写真集も出版された。
私たちが買ったカレンダーの売り上げで、アフリカのどこかに森ができる! これはすごく嬉しいこと!

    (鈴木由利子)

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