先日
社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)の事務所を訪ね、国内事業課の関さんにお話を伺いました。
シャンティ国際ボランティア会SVAの前身は、曹洞宗東南アジア難民救済会議。その活動は1980年、タイのカンボジア難民キャンプで始まり、心に深い傷を負った子供達に絵本の読み聞かせをするなどの図書館事業からスタートしました。翌年1981年には曹洞宗ボランティア会に引き継がれ、以後カンボジア、タイ、ラオスと活動範囲を広げ、フェアトレード活動も85年に始まり事業も拡大。1999年には社団法人となり、ミャンマー、アフガニスタンでの活動も加わりました。他にも地震などによる海外災害緊急支援、国内災害支援にも活動を広げ、現在は曹洞宗とはあまり関係がなく、様々な方々がスタッフ、ボランティアとして参加されているとのこと。
カンボジアでは、1975年から4年間続いたポルポトによる恐怖政治により、教師を含む多くの知識人が虐殺されたり、強制労働で命を落としました。学校も壊され、本も焼かれ、全ての教育システムが消滅した荒廃の中、日本がすべきことは何か?と模索していく内に「教育」と「伝統文化の復興」を支援の柱に立てました。まずカンボジア語で書かれた書籍をかき集めて印刷することから始まり、その内自分たちのエッセイや新聞の発行することになり、それらがいつでも読めるようにと図書館の建設へと発展しました。
はじめは遠巻きに見ているだけだった住民も図書館ができ、子どもたちが読み聞かせに来るようになると、母親たちが図書館に出向くようになり、図書館が集いの場として機能し始めました。そうなると、そこは、さまざまな意見やアイデアの交換の場となり、やがて陶器などの伝統文化の復興に住民の老人達が積極的に力を貸すようになり、次第にコミュニティの復興へと繋がっていきました。
しかしその後も1991年まで内戦が続いたため、現在でも学校、教師、教科書、教材の不足は依然と深刻な問題となっています。そこでSVAは昨年25周年を迎え、1999年からスタートした『絵本を届ける運動※1』に加え、『チャイルド・ブック・サポーター(CBS)制度』を2005年7月から開始しました。月々2,000円、年間24,000円の支援でカンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー(ビルマ難民キャンプ、アフガニスタンの厳しい環境に生きる子どもたちに絵本を通して夢と希望を届けることができる運動です。
絵本を通じた教育活動が現地の人々の手によってしっかりと広まっていくためには、絵本を日本から贈り届けるだけでなく、?常設図書館の設置(拠点施設開設)、?移動図書館活動の運営(僻地へのアクセス)、?図書館員・教員研修の実施(人材育成)、?民話絵本の出版(現地の人々によるオリジナル絵本の出版)、といった4つの活動がバランス良く定着していくことが重要といいます。サポーターになって下さった方には、現地の子ども・現地スタッフからからお礼のメッセージや年に一回の活動報告書、出版されたオリジナル民話絵本などが届きます。今年、そして来年にかけて、SVAでは現地からスタッフを招聘し、サポーターへの参加を呼びかける『チャイルド・ブック・サポーター・キャンペーン』を全国各地で開催している。チャイルド・ブック・サポーターとキャンペンに関する詳細は
http://www.jca.apc.org/sva/cbs/index.html
※1 『絵本を届ける運動』:日本語の絵本に訳文を貼り付けて、カンボジア、ラオスの子どもたちのもとへ贈る活動。2000円の参加費で絵本と訳文セット(一口2000円)が手元に届けられ、それを指示通りに日本語の上に貼り付けていきます。そうしてSVAに送り返すと、SVAのボランティアが点検し、毎月2月に船便で現地へと送られていきます。到着した絵本は、どの絵本も多くの子どもたちにボロボロになるまで繰り返し読まれるそうです。
絵本を届ける運動の詳細
http://www.jca.apc.org/sva/ehon/index.html