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イラク 産科・小児科医のお話から〜

2006-12-20 02:36:15

相模原市 杜のホールはしもとで行われた「第22回平和と音楽のつどい」に参加して

主催:「平和と音楽のつどい」実行委員会
相模原市が1984年12月3日に核兵器廃絶平和都市を宣言したことから、あらためて平和を考えようという企画

イラク南部の都市・バスラにある産科・小児科病院の医師(現在広島大学病院で研修医として学んでいる)ハナ・アルサドゥーンさんの話から〜

 イラク戦争では米英軍により劣化ウラン弾が使われたことから、特にイラク南部では、子どもたちにがんや白血病・新生児の奇形などが多発。医師たちは攻撃を受けながらも混乱が続く中で、医薬品の不足・医療設備の老朽化に苦しみながらも治療にあたっているそうです。

 今回の戦争では、湾岸戦争の時にクウェートとバスラで使われた劣化ウラン弾の3〜5倍の量が使用され、放射能の高さは空中の普通の濃度の7倍、土の中では10〜500倍にも及ぶと言われています。しかも10年経っていてもその濃度の高さは変わらないとのこと。

ハナさんの病院では、月に1,500 人の妊婦さんを診察するそうですが、50%が流産か、先天性の障害児を産むおそれがあるとのこと。妊婦さんの最初の質問は、「わたしの赤ちゃんは正常ですか?」ということだそうですが、日本でもこの質問は最初に出ると思われますが、同じ質問でもイラクの妊婦さんにとってはその深刻度と不安さは、わたしたちでは想像することができないものがあるのだと思います。それは、ハナさんがスライドで示して下さった新生児の異常が、私たちが知らない、想像できない異常だからです。(脳がない、骨が足りない、内臓が外に出ているなど・・・)
1990年の湾岸戦争勃発の年以降に生まれた異常のある新生児の割合は、1990年をもとにすると、98年で3倍、2001年でほぼ10倍、そして今も増え続けているとのこと。次々映し出される新生児の映像には言葉を失いました。かつてベトナム戦争の時の枯れ葉剤で生まれた子供達のことは随分報道されもしましたが、今回のイラクで起きている子供達のことはベトナムの時ほど報道されていません。ベトナムの時より悲惨と言われていますが、実際何が起きているのかはあまり知られていません。

ハナさんのスライドにはハナさんが勤務する病院が紹介されていましたが、設備などは大都市にある病院とは思われない古そうな機器が映っていました。実際、イラクは経済封鎖をされているため、薬や医療機器が不足し、日本ならば治る病気も治すことができないそうです。他のイラク支援団体の報告によると、帝王切開をしようにも手術用の糸がないとのこと。

また、2003年〜2006年4月までに学者・医師が数多く攻撃を受け、専門分野では、科学・医学に次いで、人文者・社会学者の数値が高いようでした。大学別ではバクダット大学で62人、ついでバスラ大学で37人、モスール大学で22人他と続き、殺害された学者達の数の多さに驚きました。他にもパイロット、弁護士、教師、技術や等が攻撃されているそうです。これら知識階級の人たちの多くが国外に脱出しましたが、殺害されて路上に放り出されるのが相次いで起きているそうです。年代、場所等から調べた攻撃の具体的な数字も発表されていました。こういったことは実際イラクに行って調べた日本人の方々の報告と(細かい数値は分かりませんが)一致しています。

ハナさんの願いは健康で良い赤ちゃんが生まれることだとおっしゃいました。想像を絶する状況の中での切なる願いに対し、私たちにできることは、
まずは知ることではないでしょか・・・

参考:イラク日記(7)劣化ウラン弾の町
http://tanakanews.com/d0204iraq.htm
JIM-NET日本イラク医療支援ネットワーク
http://www.jim-net.net/                 
                     (鈴木由利子)

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