「のんびる」の取材で、
JFSA 日本ファイバーリサイクリング連帯協議会の理事長田邉さんにお話を伺いました。
回収された古着はどこへ?
私たちはリサイクルで古着を出していますが、そのゆくえについてはあまり知られていません。一般的には、出口が三つ。海外向け、ウエス(工場で使われる雑巾として)、反毛(繊維に戻され、建築用資材、車の断熱材などとして)になります。これまではウエスの需要が一番多かったのですが、現在はウエスが2割と減ってきています。それは、工場が海外に移り、国内での需要が減っていること、またリサイクルが法的に整ってきて、工場からの廃棄に規制がかかり、皮肉なことにウエスはレンタルになったり(汚れたウエスを洗うのに強力な工業用洗剤が使われる)、素材が変わったりしているからです。逆に第三世界での古着輸入が大きなビジネスになってきているのを受け、海外向けが5割となり、残りは反毛が1割(新素材が増えてきているため、リサイクルしにくくなって減少)、2割は新素材のためリサイクルできない、利益を生まない等の理由で廃棄だそうです。
JFSAに寄せられた古着はパキスタンのスラムの学校のビジネス部門に行きます。
http://www.f3.dion.ne.jp/~jfsa/huruginoyukue.html
JFSAで集められた古着は、JFSAのスタッフにより仕分けされ、年に3回20トンずつ計60トンがコンテナでパキスタンに送られます。到着した古着はスラムの学校(
アルカイールアカデミー)の中のビジネス部門に渡され、そのスタッフがマーケットで販売したり、パキスタン国内の業者に販売したりして、その売り上げは学校の運営に当てられています。
スラムに暮らす人々は幼い時から働くことを余儀なくされ、学ぶ機会もなく、その結果大人になっても搾取されつづけ、貧困の悪循環から抜け出せないのが実情でした。しかし、パキスタンのムザヒル氏が始めたこのスラムの学校で子供が学べる機会ができたことから、少しずつ親達にも教育の必要性が理解されてきたとのこと。この学校で学んだ少女が現在学校の先生になっているとのこと。
双方が支え合う支援のしかた
この学校の運営には地元の方々の寄付によるところも大きいそうですが、JFSAの支援も大きな支えとなっています。JFSAの関わり方は、古着でビジネスをする方法です。継続的に支援するために、すでに確立している古着ビジネスを手段として使い、双方に働くチャンスを作というものです。現地に働くチャンスを作り、その収益で現地の学校や施設を作るという取り組みは、多くのNGOに共通する取り組みではありますが、日本と現地のスタッフがお互いが同じ目線で繋がっているところはそう多くはありません。
JFSAに送られてくる古着の一時保管の倉庫は高い天井まで古着が山積みになっています。これらがスタッフによって開かれて一点一点仕分けられます。気の遠くなるような膨大な作業。パキスタンに渡った古着もまた、アカデミーのスタッフによって仕分けられ、販売されます。同じ目的で、同じ作業を日本と、パキスタンで行っています。
「スラム社会に暮らす人たちと一緒に歩むことで、格差社会の目に見えない壁に扉を開くことに繋がっていくと思います」と総会の資料に書かれた田邉さんの締めくくりの言葉が納得できます。
私たちにできること
古着をJFSAに送ること、
JFSAに集められた古着を買うこと、フリーマーケットで古着を買うこと
ボランティアとして手伝うこと、
会員になること。
家で眠っている古着、パキスタンのどこかの誰かに渡ってもう一度生きかえります。
着られなくなった子供の服、亡くなった方が残したたくさんの服、着物、太っちゃって、痩せちゃって着られなくなった服・・・きっとどこの家庭にもたくさん眠っていますよね。
折角送ってもらってもパキスタンでは着られないなどの服があります。送って下さる前にJFSAに必ず連絡くださいとのこと。送って下さった方には、輸出完了の報告と、学校の様子などが送られます。
http://www.f3.dion.ne.jp/~jfsa/iruiinfo.html
また、国内では輸出に回されなかった古着がフリーマーケットや、倉庫に併設されている常設のショップで売られています。ヨーロッパなどからパキスタンに輸出される古着もあります。
http://www.f3.dion.ne.jp/~jfsa/shop.html
http://www.f3.dion.ne.jp/~jfsa/freemarket.html
その他、詳しくはHPで、
http://www.f3.dion.ne.jp/~jfsa/
写真:JFSA海外衣料支援センターショップの前で、理事長、スタッフの方々
(鈴木由利子)