〜最近見た映画から〜
アメリカの元副大統領アル・ゴア氏の
「不都合な真実」が昨日第79回アカデミー賞「最優秀長編ドキュメンタリー賞」「最優秀歌曲賞」の2部門を受賞しましたね。
ご覧になった方も多いのではと思いますが、豊富なデータと、実際の映像を使い、アル・ゴア氏によって、とてもわかりやすく地球環境の危機が説かれています。
「昔も日照りはあったし、飢饉もあった。洪水もあったし、竜巻もあった。そんなに騒ぎ立てることもないよ」とおっしゃる人もいますが、この映画を見ると、昔の自然災害と最近の災害では、その大きさがケタはずれに違うことが、示されるデータから理解できます。そしてなぜ、ケタ違いにその威力が最近大きくなってきているのか、小学校理科のレベルでわかりやすく説明されています。
熱いお湯に入れられたカエルはすぐ飛びだすけれど、水から入っていて徐々に暖められるとカエルはなかなか危険を感じず、そこを出ない。しかし、徐々に暖められ、ついに・・・・というアニメが挿入されています。
ところが、現在の環境の悪化は、徐々にという段階は過ぎ、もうほんの数十年でカエルが死んでしまうところに現在急速に向かっているということをこの映画は伝えています。氷を求めて100キロも泳いで溺死したシロクマ、砂漠化により、ほとんどなくなった湖、世界の最高峰の山々の変化、そのうち雪景色の富士山を見ることもなくなるのだろうか・・・
いい湯加減だ〜とのんびりお湯につかっているカエルをしている場合じゃない!とこの映画は教えてくれています。そして他の国と戦争している場合じゃないと言っているように感じました。
「ダーウィンの悪夢」
映画を見る前からそのインパクトのあるタイトルと、ポスターに引きつけられていました。やはりショッキングなドキュメンタリーでした。
この映画は、タンザニア、ヴィクトリア湖に生息する、ナイルバーチという巨大なブラックバスのような魚をめぐる、ヨーロッパの企業、加工工場で働く人々、魚を運ぶ飛行機のパイロット、その相手をする売春婦たち、エイズで親を亡くし道ばた、空き地にたむろするストリートチルドレンなどの姿をなまなましく伝えています。
加工場で処理された魚の骨や頭は捨てられるのではありません。魚の肉の部分は現地の貧しい人達の口には入りませんから、現地の人には、この捨てられる部分であるアラを油で揚げたものが売られています。このもう一つの加工場は、ヨーロッパ・日本向けの近代的な衛生管理の行き届いた加工工場とは違い、トラックで運びこまれたアラは、屋根のない地面に剥き出しにドサット山積みされています。そこから手作業で運び出されるアラ(と言っても巨大な魚ですから、骨と頭でも大きいのです)は、干してから油で揚げられます。稲穂を干すようにアラが竿に延々とぶら下がっています。映像から強烈な悪臭いが襲ってくるようでした。
アラは頭に載せて運ばれるため、雑菌で目がつぶれている女性がいました。少ない食料を奪い合って殴りあいをする子供たちがいました。魚の梱包材(プラスティック)を燃やし、そのガスを吸って、目覚めることもないかもしれない危険を知りつつ眠る子供たちがいました。映画の始めのところで登場していた売春婦は収録が終わるまでに殺されていました。同じ地球上に、同じ時代、こんなに悲惨な日々を送っている人たちがいます!
魚をヨーロッパに運ぶ飛行機はカラでくるわけではありません。武器が積まれています。武器はそこを経由して近隣の内戦や紛争を起こしている国々に輸出されています。そのことをインタビューの中で引き出すのはとても大変なことだったことがわかります。知らないはずのない真実を、誰もが決まったように「カラでくる」と言います。インタビューで何回も同じ質問が繰り返され、最後に「武器を運んでくる」とひとりのパイロットが苦しそうに明らかにしました。一人、一人をとればどの人も「悪い人」ではありません。そこが悲しいとろ・・・
ひとつの重い真実を知らせてくれる映画でした。
グローバリゼーションと大企業に関する映画は、昨年見た、「
ザ・コーポレーション」、「
食の未来」、「
ナイロビの蜂」がわかりやすかったですが、2点は一般にはレンタルされていません。 「ザ・コーポレーション」は映画チャンネルで見るか、DVDを購入することができます。「食の未来」は自主上映されているところに行くか、DVDを購入することができます。「ナイロビの蜂」は、一般にレンタルされています。
現在上映中 の見たい映画:
「
善き人のためのソナタ」 シネマライズにて
これから楽しみな映画: 現代のアフリカを描いた作品
「
約束の旅路」 3月10日公開予定