大石芳野さんの写真展:「眼差しの向こうにあるもの〜アジアの子どもたちと戦争・平和・未来」を見たあと、大石さんとエファ・ジャパン理事長イーデス・ハンソンさんとの対談を聞きました。
写真展から
ベトナム・ラオス・カンボジアなどのアジア地域を中心に、戦禍に生きる子どもたちを撮った写真展には、カンボジア ポルポト政権による大虐殺の爪痕、地中から出てくる頭蓋骨がずらりと並ぶすぐ後ろでしゃがみ、発掘の様子を見ている子どもたち。反ポルポト戦力として銃を持つ子どもたち、ベトナムの写真では、枯れ葉剤により重い病気を背負った子たち、近年になっても埋められていた爆発物で大けがをした子、深い闇からこちらを見据えている目、この子たちは今どうなっているのだろうか・・・と見進めていくと、そんな中でも上手に遊びを見つけている子たち、まっすぐな明るい笑顔がありました。
以下のサイトでは、大石さんの写真とともに、ドキュメンタリー写真を撮るようになったきっかけ、写真を撮るとはどういうことか、などなど興味深い文が添えられています。
http://www.fujifilm.co.jp/photographer/2001_05oishi/index.html
こちらのサイトでは今回の写真展にあった作品も多く紹介されています。
http://www.janjan.jp/photo-msg/oishi/kodomo_senyo/kodomo.php
対談から
イーデス・ハンソンさんは、女優さんとして知られていることが多く、最近ではNHKの朝の連ドラの「たこ芳」のおかみさん役がはまっておられますが、私の若いころは、人権活動家としての活躍もよく知られていました。「タコ芳」のおかみさんのような優しい語り口で、大石さんにいろいろなエピソードを聞いておられました。その中から「私たちができることは何か」という観点から、いくつかのキーワードで概要をまとめてみました。
〜想像力〜
大石さん:食べられる、安心して寝られる、洗濯がしてあるものを着られる、たまには新しいものが着られる」といった基本的な幸せ感は皆、どこの国の人でも同じであり、そこで差をつけてはいけない。
ハンソンさん:橋や、道路の建設も大切だけど、このような基本的なところでサポートすることが大切です。こういったところのサポートは国同士のメンツとは関係のない、非政府組織の分野ですね。
「貧困などはどこにでも、いつの時代にもあるわ」という人は想像力が欠如しています。自分に置き換えてみる想像力がない。ですから想像力を喚起する働きかけをしていくことが大切で、写真は大きな役割を果たしていると思います。
大石さん:現代は動画の時代ですが、考えながら、想像力を使って見るのは写真です。
〜子ども〜
ハンソンさん:戦争の犠牲者で、ひどい状況なのだけど、写真の中の子どもたちには耐える力、強い力が感じられますね
大石さん:子どもは、どんな状況にあっても前に向かう力強さがあります。あちこちの戦争・紛争の中で出会った子どもたちの中に体の芯にある灯火−可能性に出会いましたが、それは、大人にはかなわない、“子どもの特徴”です。
〜写真と向き合う〜
大石さん:うまく撮れているかどうかという評価ではなく、写っている子たちと対話してほしいのです。訴えを聞いてほしいのです。とにかくまずは見て欲しいです。
ハンソンさん:カンボジアなどを見るとシンドクないですか?
大石さん:撮影したあと、1週間眠れないことがありました。シンドイ時もあるけれど、途中で投げ出すのは無責任ですから
〜私たちにできること〜
大石さん・ハンソンさん:背筋を伸ばして少し遠くのことを時々でいいから思い出してほしい。「何かをしたい、でも何ができる?」と思ったら、まずは人と話してみる。同じように何かを探している人に出会い、何かが生まれ、そして行動にむすびつく。気負わなくてもいい。以前、使った鉛筆を送るという活動を始めた人がいましたが、そのように、できるところで始めればいいのです。
エファ・ジャパンの会員になる、フェアトレード商品を買ったり、ボランティア活動などをすることものきっかけになります。
エファグッズ フェアトレード商品は、こちらのサイトで
http://www.efa-japan.org/efagoodstop.html
もうひとつの写真展
パルシステム「のんびる」編集室の藤井将さんによる「ムスリムの子どもたち」写真展が茶房高円寺書林で開かれました。
中東、アジアのイスラム圏と聞くと、「紛争の時の写真?」と思ってしまいますが、藤井さんはそうではない、戦争のないところでの子ども達の日常を撮ってらっしゃいます。どこにでもいる子どもらしい笑顔にホッとしました。
(鈴木由利子)