「なないろばたけ」−虹を連想する可愛い名前−この名前は由来は、畑のそばを通りがかった老人が「あらま!ここはなないろばたけじゃないの!」と言ったことがそのまま名前になったとのこと。「なないろばたけ」とは、単作ではなくて、小規模でいろいろな種類の野菜が栽培されている畑のことを言うのだそうです。ここの農場は野菜の種類が多いだけではなく、農場経営の工夫も「なないろ」です。
地域通貨―面白さがポイント
なないろ畑農場で発行される地域通貨は何種類かありますが、まず会費を前納された方に配られる「フィーワット」−今年は半年分でMサイズ会員は36ワット。なないろ畑農場の指定する農産物やイベントの参加費で、一定の限度まで1ワット100円相当のクーポン券として利用できます。そのほか、農作業を手伝ってくださった方には「アグリワット」−これは、農場の経営状態により変動相場制、「フル−ツワット」−果樹園の果樹はオ−ナ−制になっているので、オーナーの方が対象。
そのほか、「とらたぬ畑システム」というのがあり、初期圃場整備が済んだ農地のうち、土地が痩せていてサツマイモや麦などしか栽培できない初期の数年を運営するためのシステムのこと。その農作業労働に対し発行される時間債券が「とらたぬ債」と呼ばれています。各作物の総収量から経費分に相当する収穫物を引いた残りを労働時間の総和で割り、各自の労働時間に対して相応の収穫物で清算する仕組みだそうです。
この「とらたぬシステム」、主宰者の片柳氏が、なないろ畑農場を始める前に農業仲間で取り組んだ仕組みだそうで、「非常にうまくいき、おもしろかった」とのことです。ほか何種類か用意されていますが、ユニークな遊び感覚が楽しいです。いただいたワット券は名刺サイズで紙質もしっかりして表デザインも裏面の情報も名刺のようでなかなか立派。ちょっと嬉しい地域通貨です。
先日、はたけの桜の木の下で行われたお花見会で桜餅を作って食べるコーナーが用意されましたが、一個1ワットで美味しい桜餅がたべられました。そのほか、この農場で作っている有機肥料をワットで買った方や、「古本いりませんか〜 ワットでOK」「会員の○○さんの美容院ではワットがつかえます」などMLで情報が流されます。
MLはブイヤベース
ここの会員用のMLは、片柳氏いわく「ブイヤベースのごった煮」とのこと。様々な情報が飛び交っています。その日その日、あるいは一週間の農作業の予定、収穫物の予定など実務的な情報が片柳氏から流される他、「パンを焼きました。畑に持って行きます」とか、酪農家の方からは「ヨーグルトと牛乳の注文受けます」など、会員同士の交流の場でもあり、農業一般に関する情報、環境問題など社会問題に関するイベント・自主上映会、講演会など、今の社会を映す情報が流されます。また意見交換の場でもあり、家に居ながらにしてここからたくさん学ぶことができます。また希望者には会員の方の発行している「有機農業ニュースクリップ」という国内外の農業関係の様々なニュースをダイジェストにしたものが送られ、海外ニュースに関してはおそらく日本語版にした最新のニュースが得られます。
写真は主宰者の片柳氏−農場内のハウスにて
なないろばたけ農場次回に続きます。
(鈴木由利子)