先の写真展では、写真や絵の他にを手縫いで作る体験キットが置かれていました。
裁縫が苦手な私は見るだけで肩がこりそうでした。5歳から11歳までサッカーボールを縫う仕事をしていたというパキスタンの女の子は、入院している母親に代わり、おじさんやおばさんと一緒に朝7時から夕5時半まで働き、一つのサッカーボールを5ルピー(約15円)で縫っていたそうです。彼女は、「学校に行きたかったけど、行きたいとは言えなかった」と言っています。
「スニーカーやサッカーボールを作っているのは子ども達だなんて・・・」という消費者の驚きの声がメーカーや企業を動かしました。サッカーボールに関しては、、98年のフランス大会から、ワールドカップで児童労働により作られたサッカーボールは使用しないことが決定されました。
大きなメーカーの加入する業界団体がそれに合意し、世界的な合意とつながりました。このあたりのことを特定非営利活動法人 ACE
http://acejapan.org/ 「エース」(Action against Child Exploitation の略−意味:子どもの搾取に反対する行動)の白木さんに伺ったところ、児童労働を止めなければビジネスにならないという危機感が企業を動かしたとのことです。ワールドカップでの合意は「企業がサッカーボールの製造工程に子どもを雇わないことなどを定めたルール(企業行動規範)や監視システムを導入したという意味で、大きな意味があった」とのことです。更にこのような合意をボールに限らず、スポーツ用品全般にも広げようと、NGOや労働組合などが取り組んでいるそうです。
パキスタンのサッカーボール製造の多いシアルコット地区では、大企業が加盟する業界団体と国際機関のILO(国際労働機関)やユニセフ(国連児童基金)と現地NGOの共同により、監視システムが導入され、7000人の子ども達が学校に通えるようになったそうです。ACEが支援している「子どもにやさしい村プロジェクト」でも、子ども達がサッカーボールなどのスポーツ用品を作る仕事を辞め、学習センターや地域の学校に通えるようになったとのことです。(ACEが実施したチャリティフットサルの収益がこのプロジェクトを支えました)
輸出用のサッカーボール産業では改善方向にありますが、スポーツ用品全般の製造現場では女性の労働が問題になっており、監視の目が行き届かないこともあり、改善には時間がかかるだろうとのこと。また、国際試合に出すレベルのボールに関しては、大企業が製造するため監視の目が届きますが、中小企業においては、個々のすべてに監視の目は向けられませんし、家内労働に至ってはなおさらです。そして国内消費用おもちゃのボールに関しては依然、子ども達が作っているところもあるようです。
世界的に見ると、児童労働はほとんどが、アジア・太平洋とアフリカで起きています。近年児童労働は全体としては減少してきていますが、アフリカでは逆に少し増えてきています。
私たちは、ものつくりの裏側に目を向け、誰がどんな労働条件、労働環境でそれを作っているのかを知ることが大切ではないでしょうか。
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http://acejapan.org/modules/bulletin2/
他にも、ACEのイベントやセミナーに参加して児童労働やACEの活動を知ることもできますし、
ACEを財政的に支えるのに募金・会員などで協力することもできます。HPから
http://acejapan.org/
そしてサッカーボールを買うなら「フェアトレードボール」を!
http://shop.acejapan.org/ このボールの現地生産工場では、ボールを作る職人に適正な給料と適切な労働環境を提供し、定期的にILO(国際労働機関)の調査を受け入れ、工場・裁縫所における児童労働をかたく禁止しています。
ボール一個につき、1ドル(約120円)がパキスタンで活動する国際NGO団体を通じて、現地の教育や震災復興のために使われるほか、売り上げの一部はACEの活動にも使われます。
(鈴木由利子)