pagetop

リポーターブログトップ > 記事詳細

「ユッカの会」ご近所での国際協力

2007-09-14 00:44:28

9月号「のんびる」で紹介されました「ユッカの会」http://www.max.hi-ho.ne.jp/miyairi/を取材したときのことをもう少し詳しく報告します。

国際協力というと、海外への支援と思いがちで、外国に目を向けますが、日本に滞在する外国人(一時滞在者、移住者、中国帰国者などを含む)の数がここ数年で急増していることから、国内における国際協力の必要性が行政でも検討されるようになってきました。
私が今年の2月に参加した神奈川県でのイベントの中で、(以下のページに報告しています)http://secondleague.net/user/005/005/428.html#more 05年の統計で186か国から200万人以上の方が日本に滞在されているとの報告がありました。現在はもっと増えているでしょう。

ユッカの会は、1988年に創立、中国帰国者家族への学習の手助けを中心としながら、中国人だけではなく、広く、日本に滞在する様々な国からの方々と「共に学び、楽しむ」という姿勢で交流を続けておられます。

「ユッカの会」の活動内容は、日本に滞在する、海外と繋がりのある子ども達への学校の授業のフォローをするボランティア活動と、同じく大人たちへの日本語習得をフォローをするボランティア活動の二つを大きな柱とし、職業訓練としてパソコン教室、趣味の会として手芸教室があります。そのほか、会員相互の交流の場として、様々なイベントが頻繁に行われています。

イベントは「ユッカの会」のHPにもたくさん報告されていますが、日本文化に関しては、浴衣を着る会、お花見、成人の日を祝う会、七・五・三など、海外文化に関しては、タイ料理、餃子を作る会、国際スピーチコンテスト、バス旅行、ハイキング、バーベキューなどが報告されています。会員の方々にはとても楽しみにされているとのことですが、HPの報告写真を見てもうなずけます。また日本人の若いボランティアの方は、着物の着方を年配のボランティアに習ったりと、ユッカの会は、「年配の、教養高く、筋金入りのボランティア精神あふれる日本人」に支えられています。

学習者にとって、ボランティアの先生は、お父さんや、お母さん、おばあちゃん、あるいは、お姉さん、お兄さん、または、友人のようであり、多くのボランティアも含め、「ユッカの会」は様々な世代、様々な国からの人が集まるひとつの大きなファミリーです。

子ども達に教科のフォローを行っておられるボランティアの男性にお話しを窺いました。「教科を教えるのに必要な基本的な日本語から教えなくてはならない時もあり、その説明に時間がとられ、なかなか教科に戻れないときがあります。 本人に分かる日本語で説明するのが難しい。準備にもかなり時間をさきますよ。でもそれは、こっちの勉強にもなりますよ。勉強させてもらってるんですよね〜。子どもはどの子も可愛い。子どもが一生懸命学ぶからこっちも熱がはいりますよ。

時には無断欠席する子もいます。そうすると、帰りの電車の中で、ドッと疲れ、むなしくなりますよ。まあそんな時もありますけど、やっていてエネルギーをもらっているんですよ。でも、こういう子にはキチンと指導し、子どもをキチンとした大人にさせるという教育もします」とおっしゃる。
もうひとり、ちょっと年配の女性のボランティアの方は、「子どもたちは、どの子も純粋でかわいい〜!受験の時なんて、我が子の時はそれほど心配しなかったのに、もうドキドキ。受かった時には本当にうれしい。『おばあちゃん』なんて呼ばれてびっくりしたこともあったけど、まあ気にしないわ・・・『先生』なんて呼ばれなくてもね〜」とおしゃいます。

また、「完全ボランティア活動なので、お金が行き来しません。そのことで、子どもの中に『誠意』が生まれ、『気持ちで気持ちを返す』という心が育つんです。『愛情』をもって教えられていることが子どもに伝わります。成績を上げることも大切だけれど、こういう『心』を伝えたいんです。異国人であればあるほどちゃんとさせた方が良いという気持ちで接しています」とおっしゃる。

「子どもたちは日本に来たくて来たのではなく、親の都合でついてきたんだけど、『生きて行くことは厳しい、努力は大切だ』ということを、メッセージとして与えています。将来人間としてちゃんと生きられるまで最低限の応援をしてあげたい。働けることが出来るようにみんなで育てていきたいと思っています」とのこと。

近頃の日本人の親達(私も含め)に欠けている子育てをきっぱり行っていらっしゃる。ここに来てこのようなボランティアの方に勉強を見てもらう子ども達は幸せですね。つい、「ウチの子も・・・」と言いたくなりました。(日本人だし、もう遅いけれど・・・)

日本人同士でもキチンと理解してもらう日本語を話すのは難しいと感じるときがありますから、そこの工夫と準備をボランティアで行うのは、よほど情熱がないとできないだろうな・・・と感じます。現在 小学生 17人、中高生 63人 年々増えているそうです。子どもとの信頼の絆を築き、学力を定着させるために、教えるボランティアの方と学習者は1対1、基本的には一人の生徒を一人のボランティアの方がずっと見るとのこと。組み合わせは、コーディネーターの方が考えたり、相談に乗ったりするそうです。

ここで日本語を学んでいる大人は、年代も習得度もまちまち、日本語を教えるボランティアの方は、決まったテキストを使うのではなく、学習者に合わせて工夫されるとのこと。

ここで日本語学んでいる中国人の30代の女性二人にお話しを窺いました。お二人ともとても熱心で、勉強を始めてまだ間もないのに、かなり流ちょうな日本語で話してくださいました。「ここにくると、日本語がたくさん話せるからうれしい!」という言葉は意外でした。「お店に行っても店の人と話すこともないし、日本人と友達になって話すこともないから、学んでも、どれだけ話すことが上達したか実際にわからないんです」とのこと。「ユッカの会」のイベントがとっても楽しみだとおっしゃっていました。

大人のための日本語ボランティアをなさっている女性に伺いました。「先生、生徒とかじゃないんですよ。近所の方が困っているから手を貸そうという感じですよ。年を取るにつれ、家に引きこもりがちになりますから、イベントなどでどんどん外に出てもらいたいです」。「ユッカの会」は、日本語が不自由な外国から来た人には、まさに拠り所となっているようです。

海外への支援も大切ですが、このように国内にいる外国人が困っていたら、無償で手を貸すことが、将来にわたって、活動に関わる人だけではなく、日本人全体にとっても、心豊かに、暮らしやすい社会になる、その土台作りになるのではないでしょうか。
                           (鈴木由利子)

この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

http://secondleague.net/user/005/005/cwtb.cgi/787

名前
メール
URL
コメント

▲このページの上へ戻る