フラメンコ、タンゴ、サルサ、パエリアと聞けば、だれでもラテン系の音楽や料理だとは知っているし、実際に聞いたこともあるし食べたこともありますよね。そしてペルー・ブラジルと聞くと、たくさん日本人が移住したこともよく知っています。しかし、21ヶ国もあるというラテンの国々の固有の文化について詳しく知る人はほとんどいないのではないでしょうか?ラテン文化を紹介する民間団体がこれまで東京になかったことはちょっと驚きです。
「21ヶ国のラテン文化を一括りにせず、それぞれの国の文化の良さを普及させたい、都心に住むラテン人が集える場所を作りたい、日本に暮らすハーフの子供達に日本文化とラテン文化の両方を知ってもらいたい」という願いから、「
ラテン文化センター インパクトラティーノ」が昨年の夏に設立されました。
普段の活動はラテン文化のカルチャーセンターとして、スペイン語、ポルトガル語を始めとして、英語、イタリア、フランス語などの言語の教室の他、フラメンコ、アルゼンチンタンゴ、サルサなどのダンス、フラメンコ ギター、ケーナなどのラテン音楽の楽器、お料理教室、そして子供達にはラテンサッカー教室があります。
「のんびる」の取材でラテン料理教室を覗いてきました。講師は二人、ホルへさん(男性)と通称ロリさん(女性)。お二人ともNHKテレビの「スペイン語講座」の中で料理を教えておられます。
ホルへさんはラテン料理レストランのシェフでもあり、ヴォーカリスト。スペイン料理のお店に行くと、ギターを抱えて歌うホルへさんに会えるそうです。実際生徒さんの中に、スペインレストランに行ったとき、ホルへさんに会い、この料理教室を知って来たという人がいました。
この日のメニューは、「スペインカタロニア地方のパスタパエリア」と「マッシュルームのセゴビア風」。
まず、お二人が材料の扱い方や調理のしかたを説明しながら手本を示し、生徒さん達の前で調理します。調理しながら食材のうんちくや、スペインの家庭についての話をしてくださいました。いかにちゃんと料理を作るか、いかに家族を思う気持ちが大切であるか・・・ラテン料理を通してそれを伝えたいという、ロリさんのお気持ちがよく伝わりました。
各家庭にはパエリア用のお鍋がサイズ別にいくつかあり、特別な日でなくとも、パエリアは通常、庭で薪を使って作るとのこと。奥さんは時間をかけて愛情こめて夕食を作るから、旦那さんが外で食べて飲んで酔っ払って帰宅するなどないとのこと。友達と食べたり飲んだりするのも家に呼んで家族と一緒にすることが多いとのこと。
ホルへさんは横でダジャレと冗談の連発。ちょっと漫才風な親子コンビといった感じでした。そうは言ってもホルヘ氏はシェフですから、さすが包丁さばきがとてもキレイ!そして前準備が大切なことを生徒さん達にしっかり伝えておられました。
生徒さんが作る段階になると、準備のしかたや包丁の扱いなど、お二人がやさしくおかしく教えて下さっていました。気さくなお兄さんとやさしいお母さんに習っているようです。
仕上がるとテーブルの用意。テーブルクロスを敷き、調理されたスペイン料理2種と、フランスパンとサラダ、それに生徒さんの差し入れのワインが彩りよく並べられ、ちょっとごちそう風です。
生徒さん達からは、「とにかく楽しい。スペイン語ができなくてもOK。厳密にグラムどおりにせず、味見しながら作るアバウトなところがいい。特別な材料ではないけれど本格的に学べる。先生達はやさしくて面白い。味付けはシンプルで意外と難しくない」といった言葉が聞かれました。
このスペイン料理教室は、全8回コースですが、以下のスケジュールでまだ参加できます。
第4回目 4月13日
第5回目 4月27日
第6回目 5月25日
第7回目 6月01日
第8回目 6月15日
場所:「大久保地域センター 3階:調理室」
住所:新宿区大久保2-12-7
新大久保駅(JR山手線)徒歩8分 新宿社会保険事務所併設(大久保通り)
問い合わせは:03(6303)3638へ
7月からは次の8回シリーズが始まり、ペルー料理が3回、そのあと、コロンビア、チリ、メキシコ、キューバ、ブラジル料理と続き、各々専門レストランのシェフが講師に入る予定だそうです。
ペルーと言えば、世界遺産の「マチュピチュ」、楽器の「ケーナ」、日本人の移民がたくさんおられることくらいは聞いたりテレビで見たりで知っているのですが、お芋が1000種類以上あるのは知りませんでした。そういえばジャガイモはペルーが原産地なのですよね。
インパクトラティーノの代表でペルー人のジョニーさんは、「ラテン人の特徴は子供へのしつけとコミュニケーションを大切にすることです。ラテン人にとって最優先は仕事ではなく、子供であり家族。家族の繋がりはとても強いです。ペルーでは、母親は朝6時に起きて朝食を丁寧に作ります。昼食時には、主人は仕事場から、子供は学校から家に戻って食べます。夕飯時には、主人は職場から真っ直ぐに家に帰り、夕食は家族で一緒に食べます。子供は恋人より母親を大切に思います。日曜日は母親はゆっくり起床し、主人が一日の食事を作ります。この日は夫婦で一週間分の食材の買い出しに出かけます。 友や家族との語らいを一番の楽しみとしています。
ファーストフードはリマの中心地に少しあるくらいで、それほどメジャーではありません。ペルー料理はとてもヘルシーな食事です。ペルーには日本の文化が浸透していますが、日本ではラテンといえば、スペインもベルーもアルゼンチンもブラジルもほとんど“情熱的”とだけの一括り。ラテンの国々のそれぞれ固有の文化のすばらしさを紹介したいです」と内に秘めた情熱をおだやかに語ってくださいました。
写真上、料理を教える ホルへさんとロリさん(通称)
写真中、調理したごちそうを囲んで
写真下、最後みんなで ホルへさん、ロリさん、ジョニーさんも
(鈴木由利子)