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地域で育ち合いを!in山梨

2008-06-03 09:38:30

以前このブログでも紹介したことのある山梨県北杜市で活動するグループ「共育ちの会あ・そ・ぼ」が5月30日総会を開催しました。
創立5周年にあたる今年の総会には、記念講演として「あ・そ・ぼ」とつながりの深い児童擁護施設「K学園」(仮名)の園長保坂三雄氏による「養護施設の子ども達ー心の叫びを受け止めてー」というお話がありました。

「地域で子どもも大人も共に育ち合おう」という理念の下活動をつづけている「あ・そ・ぼ」の発するメッセージとして、まことに相応しい講演内容でした。ここにご紹介します。

*児童養護施設とはーーー
乳児を除いて、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護 を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせてその自立を支援する ことを目的とする施設です。

今、全国に554の施設があり約3万人の子ども達が入所しています。ちなみに赤ちゃんは2歳まで乳児院で養護され、それ以降は児童養護施設に入所することになります。

保坂氏のお話・・・・・・・・・・・・・・・・
全国の保護者のない児童数は4万人以上で、児童養護施設の入所率は88.2%(平成17年3月末日現在・全国)です。あとは里親のもとに引き取られたりしています。
児童養護施設への新規入所児童のうち、虐待を受けたことのある児童の割合は62.1%(平成16年度)です。
関係者の間では「施設入所児童に、虐待を受けた事のある児童が60%を越えると、その施設は運営できなくなる」という常識があります。
が、受け入れ必要な児童は増えており、受け入れざるを得ない状況です。K学園も虐待経験のある児童の割合が去年70%を超えてしまいました。
そして、「施設崩壊」スレスレまで行った事件が起こりました。
○事件の経過
1、児童6人が施設の2階屋上で炎が燃え上がるほどの火遊びをし、職員の制止は聞かず、職員に燃えさしを投げつけ軽症の怪我を負わせました。火事の心配もあり、警察の出動を要請、パトカー2台が駆けつけ、警察官によりやっと制止した。
2、翌日に、このうちの一人でリーダー格の児童が、再び庭草に火をつけた。消そうとした職員に対して、児童は数回蹴りつける暴力を働き、職員に怪我を負わせた。
3、職員の指導は受け入れなくなり、職員の無力感は高まり、他の入所児童も落ち着きをなくし、不安定になった。地域住民にも万引きなどによる被害を及ぼすようになった。登校せず遊びまわる児童に対して、学校、地域などから、K学園へ非難の声が寄せられるようになった。

○施設崩壊スレスレからの立ち直り
園長以下職員全員がとことん話し合い、意思一致し、一枚岩となって児童の指導にあたった。そして施設は落ち着きを取り戻した。

○児童養護施設の現状と問題点
<職員が育たない>
志を持った新しい職員が毎年入ってくるが、燃え尽きて辞めていく。結果ベテラン職員の層が増えない。

<職員の数が少ない=職員の負担が大きすぎる>
通常6人の児童に一人の職員がつく体制。夜になると一人の職員が18人の児童を受け持たなくてはならない体制になってしまう。そうなると個別的なケアは不可能。

K学園のある山梨での児童虐待相談件数は293人(平成16年度)。そのうち2割が施設に入所し、あとは家に戻りました。受け皿としての施設が少ないからです(山梨県内には児童養護施設は5つあります)。
施設に入所してくる児童は、自殺未遂を起こしたり、強度の拒食症を起こしたりの、死直前までの経験をした、いわば重症のトラウマを抱えた子ども達が入所してきます。
そうした子ども達の受け皿となり、子ども達の心の叫びに応えられるには今の施設の体制ではとても無理な現状です。

○これから・・・希望
児童虐待も社会問題ならば、児童養護施設も社会問題です。地域の人々の理解あるまなざしと、広い支援の輪が必要です。
虐待をしてしまう親はその3割は子供の頃に虐待を受けてきた被害者でもあります。自分が親になると今度は被害者から加害者に転じてしまう悪循環。「世代間連鎖」と呼ばれます。
虐待を受けてきた児童は(自分の身を守るために)攻撃的になるのです。

「あ・そ・ぼ」の会員さんが定期的にボランティアで子ども達に学習サポートしたりガーデニング(庭作り)に来ていただき、大変うれしく思います。
来ていただいた方の目には一目でお分かりでしょうが、子ども達がやり場のない思いを爆発させた結果、施設は壁も穴が空き、ガラスもしょっちゅう割られて施設内はガタガタです。
そうした現状を見ても尚、子ども達に心無い言葉を投げつけられて挑発されても尚、辛抱強く訪問してくださる「あ・そ・ぼ」の皆さんのような人たちが地域で広がって支えてくださることが、希望です。

以上のような保坂園長のお話でした。

<私感>
児童虐待・・・私も新聞記事などで世間には赤ちゃん虐待のある現実を知ってはいたものの、3歳で児童養護施設に入る子どもがいるという事実に、胸が痛みました。
施設内では自分のベッド、机は与えられるものの、ほとんどプライベートな所有物、プライベート空間のない環境です。そこで3歳から18歳までの子ども達が暮らしている・・・辛い話です。
しかし、施設に入るということは、その児童が親の虐待から「守られる」ということも意味します。
被虐児童の受け皿が少ないという現状。やっと「守られた」子ども達がトラウマを克服して立ち直っていくために、もっと社会の目が注がれ、大人の支援の手が出されなくてはいけない!そう強く感じました。

本年も「あ・そ・ぼ」ではK学園の訪問交流会を数回企画しています。学習サポートは週1回のペースで持たれます。その他ガーデニングサポートなども。・・・いろいろな参加の形があると思います。もしボランティアでちょっと関わってもいいかな・・・と思う人は是非「あ・そ・ぼ」まで連絡してみてください。
連絡先:0551−32−6292今紀子さんまで。
                            (山本豊美)

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