10月14日、「第16回西原(さいはら)ふるさと祭り」で賑わっている上野原市西原(さいはら)に行って来ました。
ここに設けられた「体験広場」や「味の広場」「展示の広場」などでひときわ存在感を示している「森のココペリ」。帝京科学大学(上野原市)の学生さんたちを中心とした「森のココペリ」の活動を取材させていただくのが目的でした。「
森のココペリ」は現在設立3年目。30名程が在籍し環境教育や森作り活動をしています。

森のココペリの仲間が「おやき」を販売していました。元気な呼び込みの声もあって、好評。お昼12時頃には完売していました。

クラフト作りのテントも親子連れで賑わっていました。
西原の森で拾ったどんぐりなどの木の実を使って自由に工作が出来ます。森のココペリのお姉さんやお兄さんがアドバイザーになってくれてます。
「西原ふるさと祭り」は地域おこし(都市と農村の交流)の拠点「羽置の里びりゅう館」を中心に今年は10月13日、14日と行われました。
13日は「前夜祭」で14日が「本祭」。
西原地区の人々だけでなく上野原市内外から大勢詰め掛けるのはなんといっても美味しい「山の幸」を味わえるから。
私がお祭会場入りした11時半ごろには、「ふるさと味の広場」の目玉のひとつ「山菜めし(五目めし)」が早くも完売になっていて、これを目当てに来たらしい、私とほぼ同時に会場に入った女性2人連れが「ああ〜っ、売り切れだってさぁ〜」とがっかりした声をあげていました。
14日一日のお祭りで3000人ぐらいの人が西原に詰めかけ、そろそろ紅葉の始まった山あいの里は年に一度の賑わいを見せたのでした。
さて、私は「展示の広場」に行き、そこで「森のココペリ」の活動のひとつである「西原地区の川の水質検査」の展示や、「地域との交流」の様子などの紹介ビデオ上映コーナーに立って説明をしていた井上雅人君にお会いして、井上君の案内で森のココペリの畑や活動フィールドを見せていただくことになりました。

「ココペリ畑」西原(さいはら)地区の、原(はら)という部落に「森のココペリ」が借りている畑があります。
地元の農家から遊休農地を借りて、昔ながらの農法で農薬を使わずに野菜を育てています。西原(さいはら)地区一帯で昔から作られてきた雑穀を、地元農家に指導を受けながら作っています。

秋蕎麦の花が満開でした。他に小豆と枝豆も実っていました。
「雑穀栽培」といっても、ヒエやアワ・トウモロコシなどのいわゆる「五穀」だけでなく、私たちが普段親しんでいる野菜も栽培されていました。かぼちゃなども作り、収穫された野菜は西原の「野菜直売所」で売ったり、仲間で分け合ったりしているのだそうです。
井上君もたまに直売所の売り場で村の農家の人たちと一緒に立って売り子をしている、という話。学生さんたちがボランティアで耕している畑で「売れる野菜が出来ている」という事実に感動。遊び半分でなく本格的に取り組んでいるのですね。

豊かな実りに欠かせないのが堆肥。「ココペリ畑」の中には堆肥作りのコーナーもちゃんと作られていました。

堆肥コーナーの柔らかい土を踏む井上君。堆肥は落ち葉とか栽培した野菜クズを土と混ぜ合わせたもの。ここら辺の土は太古に山が崩れて出来た傾斜地ですから耕すと握りこぶし大の石がごろごろ出てくるそうです。
傾斜地の耕し方にもまずは下から耕すなどの作法があるとの話。傾斜地ですので雨や風で土はどんどん下に流れてしまうので、畝を作るときに下から上に向かって畝を作ると土が下へ行かなくなる。との事。
この畑の1キロ上方にイノシシ防御の柵が設けられていますが、あまり効果はないみたいです。ココペリ畑にもイノシシの足跡が畑に残され、掘り返された跡も・・・。村人と交流する中で、イノシシ対策も協議されますが今のところ「村の人たちは半分諦めていますね」ですと。そういう、村人と共通の痛みを分かち合うところも「森のココペリ」の活動が地についていることの現われでしょう。
「夏場、農作業の合間に畑脇の草地に寝転んで空を見上げていると山鳥の声や風の音など普段耳に入れない音が聞こえて心が澄んでいく感じがします」という井上君の言葉に、「ココペリ畑」に対する思い入れの深さを感じました。
畑から下って民家の並ぶ細道をたどりました。

方屋川の川べりにある水車小屋。村の人々はこの水車を使って雑穀を粉に加工します。ここで挽いたそば粉で蕎麦を打って提供するお店もあります。また方屋川は、森のココペリが毎月「水質検査」をしている川でもあります。

西原(さいはら)の方屋川沿い(原の部落)には現在稼動出来る水車が2つ。昔は5機ありましたが今は需要が減って2機になりました。昔は、集落単位で各戸の粉引きの順番を決めて使っていたそうです。
「自給自足で家族数も多かった昔のことですから、粉引きの時期には家族を養う分の粉を挽くには夜っぴて水車を回したらしいです」などというお話が次から次と、若い都会育ちの学生さんの口から出てくるのに驚きをもって聞き入りました。井上君はよほど、村の古老の話をじっくり聞く機会を持ったのでしょう。

「森のココペリ」代表の夏目暁子(あきこ)さん。帝京科学大学「アニマルサイエンス科」を去年卒業。故郷の埼玉に戻らず、ここ西原に住み着いてしまいました。北都留森林組合に職を得、自身の暮らしが「森をフィールドにした活動」そのまんまな人。
「ココペリ」とはインディアンの神話に出てくる精霊。“幸せを呼ぶ使者”。「私たちもみんなを笑顔にするような存在になりたい」から「森のココペリ」というネーミングにしたのだそうです。
「地域活性」「環境保全」「環境教育」を活動の3本柱に、「農山村と都市」「人と自然」をつなぐ架け橋となっていきたい「森のココペリ」。
夏目さんは、「来年は獣害について重点的に取り組もうと思います。他の活動も継続しながら・・・。」と豊富を語りました。「今、学生たちが主体的に活動を継続していく組織形体を模索中です」と、課題の多いところも率直に話してくださいました。
今回のふるさと祭リの準備・運営の一翼を担ったように、普段から村の活性化の大きな役割を担い、期待されている「
森のココペリ」。
どうぞこれから「ココペリ畑」の雑穀が豊かに実り、収入アップにつながり、この努力が結実しますことを。(山本豊美)