pagetop

リポーターブログトップ > 月別の記事一覧

日本の遺産。甲斐絹を追って。その二

2007-11-27 10:48:59

前回は「山梨県富士工業技術センター」の五十嵐哲也さんに甲斐絹の名品を見せていただきながらレクチャーを受けたことを報告いたしました。
今回は甲斐絹の真髄「ほぐし織り」の生産現場を見学させていただいた内容を報告します。
山梨県郡内(ぐんない)の甲斐絹産業は、甲斐絹の最盛期から現在に至るまでの歴史で、もともと都留が生産・流通の中心だったのが、しだいに富士吉田へと移っていったそうです。
五十嵐さんの案内で富士吉田市小明見にある「舟久保織物」さんの工場を見学しました。
舟久保勝さんはここの3代目のご主人。昔から織物工場は家族経営が主です。32年前からの機械も現役で活躍しています。

0711271.jpg
柄を染め上げた経糸(たていと)に緯糸(よこいと)を織り込んでいく。これは傘の生地を織る過程。

0711272.jpg
柔らかな柄の輪郭線は「ほぐし織り」ならではの特徴です。



0711274.jpg
舟久保さんの工場で織られた布が骨つけ専門の工場に送られ、出来上がった洋傘。

ここで作られるのは「ほぐし織り」の洋傘とネクタイ。ネクタイの図柄などはアイデアをパソコンのフロッピーに入れ込むと、30分で織りあがってしまうのだとか。


0711273.jpg
「ほぐし織り」は「まだまだ工夫の余地があり面白い世界です」と語る舟久保さん。


五十嵐さんらとアイデアを出し合い、世界に売れる日本の洋傘を作り出そうとしています。
世界に売れる傘とは、伝統の絵柄を取り入れることももちろんですが、富士山を斬新にデザインしたものを作ったりしています。私はここに「浮世絵」の「東海道五十三次」の富士山の画を連想してわくわくしました。
でも「浮世絵」の絵柄そのままの富士山ではなかったようでした。企業秘密もあることから、アイデアをここに紹介することは出来ませんが。

工場は、昔と違って今は、特に忙しい時期というものはないのだそうです。政府が音頭を取った「クールビズ」の普及でネクタイの需要が減ったことも関係あるそうです。

0711275.jpg
織り糸は傘に使われるポリエステルは国産。


0711276.jpg
生糸は中国産が使われています。

甲斐絹にルーツをもつ昔からの製法を受け継ぎ、そこにどんどん新しいアイデアや製法を加えて生産の現場を守る舟久保さん。仲間の郡内の織物生産者たち。

最近起こっている動きとして、日本製の生糸(それも甲斐の国の)を使用した甲斐絹の製品を作ろうという動きがあることを、五十嵐さんのレクチャーから伺っていました。
舟久保さんたちの頭の中にあるいろんなアイデアがヒット商品を生み出し、それによって、それに喚起されて、日本の生糸の生産が復興する日がいつか必ずやってくる気がしました。

世界中に日本の遺産「甲斐絹」の素晴らしさを広めたい!まずは私たちから甲斐絹にルーツをもつ甲斐の国の織物を暮らしに取り入れていく贅沢をちょっとやることでその後押しになると思います。
パルシステムでも時々取り扱かう「モンブランヤマグチ」さんの「ほぐし織り洋傘」。以前このブログでもお伝えしましたね。
9月21日付けのブログ
。あのときは「モンブランヤマグチ」さんのブログに載っている傘があまりにきれいだったので、「素敵なマイ傘欲しいな!」ってただ夢中でした。でも今回自分で生産現場を取材してみて、複雑で丁寧な幾つもの行程を経て作られている事に驚嘆し、さらには、日本の誇る「浮世絵」の美を受け継いだものであること、日本人の美意識に感じ入りました。
美しいもの手にし、美しい伝統を守る。そんな暮らし方、していきたいですね。(山本豊美)

この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

日本の遺産。甲斐絹を追って。その一 手織りの浮世絵?

2007-11-14 06:08:45

以前このブログでも話題にしました「甲斐絹」。時々思い出したように「甲斐絹」の周囲を彷徨する私。今回思い立って富士吉田市に出かけ、「絵甲斐絹」の実物など見てきました。
「富士工業技術センター」の職員五十嵐哲也さんにお会いしてお話を伺いました。五十嵐さんは「富士工業技術センター」のホームページ中の「甲斐絹ミュージアム」作りを担当されました。

0711136.jpg
資料室に保管されている甲斐絹を見せて説明してくださる五十嵐さん

五十嵐さんのお話から
「富士工業技術センター」の前身は「山梨県工業試験場」。明治38年に創設されました。現状、甲斐絹を約460点保存。古いものでは100年近く昔のものもあります。絹100パーセントの布ですから劣化を避けるため一般展示はしていません。ホームページで「甲斐絹ミュージアム」を作る以前はここに来て実物を見るしかありませんでした。

■「甲斐絹ミュージアム」を作った目的
甲斐絹のルーツを知って欲しい!
甲斐絹の産地で生まれ育った人でも、昔の甲斐絹の絵柄や風合いを知る人は少なくなりました。素晴らしい甲斐絹のルーツを忘れないで、多くの人に知ってもらいたい!そう思い「甲斐絹ミュージアム」を作りました。「古きを尋ねて新しきを知る」ことから、生産者も新しい技術・デザインを生み出して欲しいと思います。

この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

芸術の秋散歩

2007-11-05 05:55:01

先週のブログ記事、「都心近くで紅葉を楽しむ」の散策路を実踏と言いますか、実際に歩いて見るために、神奈川県相模原市藤野町に行ってきました。11月3日。好天に恵まれ、ウォーキングには格好の日より。

0711042.jpg
藤野駅からバスで5分。「坂沢橋」を渡って「芸術の家」バス停で下車します。そこから左折して徒歩2分で到着。

0711044.jpg
外見は西洋の修道院か何かを連想させる建物です。

この日の一番の目的は「藤野芸術の家」で午後4時から上映される映画「不都合な真実」(無料)を観賞すること。
午前中に「藤野芸術の家」を訪れ、カルチャー体験をし、その後、周辺を散策しながら4時まで過ごせたらいいなと思いました。

「藤野芸術の家」工房ではこの時期「秋のお楽しみコース」としていろんな体験教室を開催中。朝9時から夕方5時まで(入場は3時半まで)開いています。事前予約なしでもОK。
私は「石のはんこ作り教室」に参加しました。

0711038.jpg
「石のはんこ作り」のチラシ。
いわゆる「篆刻(てんこく)」ですね。参加費は材料費のみ500円。

0711032.jpg
初めての人に教える3分間のビデオ上映もあり、係りの人も丁寧に教えてくれます。

0711036.jpg
道具や字を選ぶのに参考になる本も豊富です。

0711031.jpg
高麗石を台座にセットして、彫刻刀で彫り始めました。が、なんだか見づらいです。

0711034.jpg
見づらい人にはルーペが用意されています。これで私も打ち込めました。

0711033.jpg
参加者は私のほかに数名。皆黙々と彫っています。
石を彫るのは力仕事かと思いましたが、高麗石は意外と簡単に彫ることが出来ました。早い人で30分で創り上げてしまうそうです。私はじっくり2時間ぐらいかけて・・・。

0711035.jpg
出来ました。「マイはんこ」
「マイはんこ」が出来て満悦な気分です。なんだか今年は手書きの年賀状を書いて「マイはんこ」を押して出そうというやる気が沸き起こりました。

0711037.jpg
「石のはんこ作り教室」の受講生の作品が押印されたギャラリー。見ているとさらに高度なはんこに挑戦したくなりました。
次回開催は2008年1月12日〜2月17日だそうです。時間を作って参加したいな。

昼食は「藤野芸術の家」併設のレストラン「BONO(ボノ)」で。
このレストランは素晴らしい空間を持っています。吹き抜けの高い天井。

0711039.jpg
天窓からの採光で店内は明るく、ガラス窓の外のテラスから続く庭の景色を楽しみながらゆっくり食事を楽しめます。

0711043.jpg
夏などこのテラスで食事を楽しみたいものです。

惜しむらくは、このレストランが「藤野芸術の家」併設なので、普通「藤野芸術の家」来訪者しか利用されないのではないかしら、ということ。「私がイタリアンのシェフだったら絶対こんなお店開きたいな・・・」と夢見ながら店の内外のロケーションを楽しみました。

食事の後は、「藤野芸術の家」の周辺を散策しました。

0711040.jpg
「藤野芸術の家」の壁一面にツタが這い、今は唐草模様のようになっています。西洋的で美しくて見とれてしまいました。

0711041.jpg
「藤野芸術の家」の庭にはいく種類もの樹木が植えられていてそれぞれの秋の装いをしていました。

15時半、「藤野芸術の家」クリエーションホールに入場。元アメリカ合衆国副大統領アル・ゴア氏出演の映画「不都合な真実」上映会が始まりました。この映画上映会の主催者は相模原市の「市民平和のつどい」実行委員会。協力は「ふじの里山くらぶ」や、会場提供者の藤野芸術の家など。

「不都合な真実」は期待通り、世界の環境問題の解説と、その問題について私たちが今から取り組める方法とをわかりやすく示してくれる映画でした。秋の一日を藤野で芸術体験し、自然に浸り、そして世界環境と平和に関する考察をめぐらす時間が過ごせました。すごく充実した「文化の日」でした。
藤野芸術の家」ではこれからも1月に「石のはんこ作り」が予定されています。その他の創作体験もクリスマスに向けての木工工作などが開催されます。

また11月18日(日曜日)には「ふじの里山まつり」も開催されますので。これから11月中の藤野町は楽しみがいっぱい。是非足を運んで見てください(山本豊美)

この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)


▲このページの上へ戻る