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2.内弟子時代そして「アトリエ風舎」の日々

2006-11-21 02:00:41

20代半ば、英国の伝統織物“ホームスパン”の修行を決め、二年先のその日が来るのを心待ちにしていました。思いがけず順番が早まり26歳の春に工房通いが始まったのです。無給の内弟子修行に際し、入門料、交通費、手弁当、そして独立後に仕事を始めるための織機、紡ぎ車、染織器材、羊毛や糸等の原材料購入にわずかな貯えをあてるとギリギリのスタートだなあ、と思いつめていた自分がいとおしくさえ思われます。

1年〜2年の修行の日々を共にした弟子仲間の前歴はカメラマン、新聞社勤務、横笛修行、新卒とさまざま。当時は月〜土勤務は当然の時代。同じ釜の飯仲間と学んだ「若き日の苦労(などと思った事はなかったけれど)」によって、あれから30年この仕事に活かされ、鍛えられ、そして癒されてきました。辞めたいと思ったことは一度たりとも無く、今も“この仕事が好き!”と思いながら仕事ができる私はきっとしあわせ者…。
私が独り立ちした頃ホームスパンに携わる人の数はほんの微々たるものでしたが、ホームスパン人口がどっと増え始めたのは今を遡ること16年ほど前のこと、岩手大学農学部でおこなわれた「羊をめぐる未来開拓者会議」からでしょう。全国の羊飼いとホームスパン作家、そして有機農業の三者によるシンポジウムが開催され、私も2歳の末娘を気にかけつつも三人の娘を夫に託して北に向かったのでした。

織物作家は国産羊毛は織物に向かないとの思い込みで英国、オーストラリア、ニュージーランド産の羊毛を使い続け、農大出身の羊飼い達は羊肉を出荷した後の羊毛は産業廃棄物として有料で処分していたという事実が明らかになりました。そして両者の共働により国産羊毛は見る間に良質の、それは美しいステイプルの原毛として織物や編物の手仕事を支え続けています。

英国を旅しても手紡ぎ手織のホームスパンには出逢わないと皆が言うのです。が、何故か地球の裏側のアジアのこの国で、手紡ぎ手織の毛織物=ホームスパン人口は静かに深く広がっています。

ホームスパン(という名の毛織り物)に興味のある方、
英国や諸外国でホームスパンと思しき織物に出逢った方、御一報ください。
(矢口 峰子)

*アトリエ風舎  email:y.atorie-fusya@mist.ocn.ne.jp
*ホームスパン情報誌SPINNUTS(スピナッツ編集、発行&原材料取り扱いスポット:
スピンハウスポンタ 〒603-8344 京都市北区等寺院南町46 TEL:075-462-5966
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