フリーガイドデイ
国土交通省は、平成14年、日本人の海外旅行者が約1,600万人であるのに対して、日本を訪れる外国人旅行者は、その3分の1以下の約500万人に過ぎないことから、その格差をできる限りはやく是正しようと決定しました。
そのため、「外国人旅行者訪日促進戦略」の一環としてビジット・ジャパン・キャンペーンの実施が決定されました。「2010年までに1,000万人の訪日外国人誘致」を実現するための活動が開始され、今年も1月20日から2月29日の期間、“YOKOSO! JAPAN WEEKS 2008”と銘打ってそのキャンペーンが行われています。現在日本にはそれぞれ異なった形態を持つ大手の通訳案内士の団体が三つあり、私はそのうちのひとつ、全日本通訳案内士連盟(
JFG=Japan Federation of Certified Guides
http://www.jfg.to/)に所属しています。この団体は通訳ガイド、通訳、翻訳など、9ヶ国語での外国語サービスを有償で提供している国家資格を持つプロ集団です。このキャンぺーに協力するべく、私たち通訳案内士(通称通訳ガイド)は日本の歴史・史跡・伝統・習慣などをよりよく理解してもらうために有名観光地に立って、ボランティアで一日フリーサービス(無料)のガイドをしました。
私の担当は浅草。浅草寺の宝蔵門のふもとに立って、英語のガイド以外に韓国語と中国語のガイドが加わり合計10名で午前10時から午後3時半まで、外国人に声をかけてキャンペーンを進めました。
YOKOSO! JAPANのロゴ入りのウィンドブレーカーを着て、浅草寺の腕章をしていても、客引きかといぶかしがって逃げようとする人も多かったのがなんとも悲しかったのですが、いったん怪しげな人たちではないとわかってくれると、ガイドブックを読んで自分たちだけで回るよりずっと多くのことを知ることができたと喜んでくれます。
ビジネスで日本に来たお客さんを受け入れ側の日本の会社の人が案内するケースも多いのですが、英語が堪能でも日本事象の説明には案外手を焼く人も多いようで、「いやあ、仏教と神道の違いをどうやって説明しようかと思ってたんですよ。」と変に感心されたりします。案外こんなことが日本を正しく知ってもらうのを妨げるバリアになっているのかもしれません。
大英博物館へ行ったとき、キューレーター(学芸員)のツアーに入って回ったら、とてもたくさんのことを学んだのを思い出します。山に登って植物を見たり、鳥を見たりするときも、専門家の説明を聞くと気づかなかったことも多く知ることが出来ます。
我田引水になりましたが、時に『民間外交官』とも呼ばれるこの仕事を誇りに思いながら、外国のお客様に、日本をよりよく知っていただくためにガイドは働いています。結局、今日は120名弱の方々をご案内しました。中国や韓国からの方々が非常に多かったのですが、集団で来ていてなかなかガイドを受け入れてくれないので、統計的には英語圏のお客様が多くなりました。お隣の国同士なのにここでも悲しいかな、バリアを感じました。もっと、お互いに心を開きたいですね。
(徳重 富士子)