〜京王プラザホテルの場合〜
前回、『もっと優しい旅への勉強会』のフォーラムをご紹介した時のパネリストのお一人、『飛行機の達人』と司会者に紹介された快活なお嬢さん重岡利栄子さんは、車椅子ではるばる福岡から駆けつけられました。重岡さんはこの会の運営委員もしていらっしゃるので、定例会にも頻繁に上京されます。従って東京にもよく宿泊なさいますので車椅子でも困らない常宿をお持ちです。「よかったら見に来ませんか?」と誘っていただいたので、喜んで見せていただきに伺いました。それが新宿の京王プラザホテルです。
京王プラザにはワンフロア全部がユニバーサルデザインとしている階があります。重岡さんのお部屋はツインルームで、ベッドのひとつは電動で上下するタイプです。トイレも、車椅子で入って回転できる広さがたっぷりあります。「これがとても楽なのよ。」と重岡さんのお気に入りのソファはスイッチを押すと座る部分が必要な高さに上下します。私はこんなソファをはじめて見ました。
バスルームも手すりは勿論、補助用の椅子も板もきちんと整っています。
案内してくれたボーイさんは「このフロアーは全室このように整って居ります。普通の客室として使用する時はベッドやソファの電動用スイッチは取り外します。」と説明してくれました。「そんな時、そのスイッチやバスルームの補助具はどこに仕舞うか知ってますか?」と重岡さんはお茶目な目をしてボーイさんに聞きます。「エーと・・・」と言葉に詰まるボーイさんに「教えてあげるわ。そこのクロークの隅の扉を開けてみて。」と重岡さん。なるほど、秘密の扉みたいなところを開けると収納庫がありました。ボーイさんは「よくご存知ですね。」とすっかり脱帽です。重岡さんは「いつぞや、飛行機に間に合わなくて急にここに泊まることになったとき、少々お待ちくださいといわれてコーヒーを飲んでいる間に準備してくれたのよ。」との経験を披露してくれました。
京王プラザホテルのバリアフリー推進は1988年に世界リハビリテーション会議の会場となったことがきっかけとなり、(http://
www.keioplaza.co.jp/csr/barrier/index.html)その後、25室までユニバーサルデザインルームを増設、ハード面だけでなく従業員教育でも「心のバリアフリー」に力を入れているそうです。実に熱心に研究し、都内でも最もユニバーサルデザイン化に熱心なホテルと聞きました。私は仕事でこのホテルにかなり頻繁に来ていますがこのことを全く知りませんでした。重岡さんは「お値段もそれなりですけど、快適さと女性の一人旅のセキュリティを考えますと、ここを選んでしまいます。」といっておられます。東京に限らず、どこでもこんなバリアフリー、ユニバーサルデザインの部屋が簡単に見つかると、障がいのある人、高齢者みんなが、旅をしやすくなるでしょうね。しかもお値段が手ごろなら尚更! (徳重 富士子)