〜NPO法人「エアロームかしわ」〜
『NPO法人エアロームかしわ』は男女共同参画社会を推進するために、インターネットを媒体に、男女共同参画に関する広報・啓蒙活動、ネットワークづくり及びインターネット端末装置技術の普及活動を行う団体です。代表の吉田孝子さんは「男女共同参画を推進しようと活動しているところは多いですが、インターネットを媒体にして活動している点でユニークな存在だと思います。」といわれます。
柏市は男女共同参画室を持っていましたが、施設がありませんでした。日ごろボランティア協力をしてきた市民にインターネットを活かして男女共同参画に関する情報を発信する拠点を作れないかとの呼びかけに応じて、吉田さんたちがインターネット上に『柏市インターネット男女共同参画推進センター』を立ち上げその拠点を作ったのが始まりです。以来、柏市からホームページ事業を受託、市民参画型ホームページを企画・制作・運営しています。「エアローム」とは、Action on Equal Right and Opportunity for Women and Men(男女の平等な権利と機会のためのアクション)の頭文字をとりAEROWMとしたものです。男女共同参画とパソコンが結びついた形では全国でも珍しいタイプのNPO法人として、2002年1月に設立されました。
『エアロームかしわ』は定例講演会エアロトークサロンまたはパソコン講座を毎月第1土曜日午後、定例会を、第3金曜日午後に開催しています。
今日は月一回の定例講演会の日です。テーマは『均等法で職場は変わったか』〜兼松裁判の意味するもの、問題点とこれから〜。
講師は高田昭治さんです。会員が毎回の講師役を買って出て最初にプリゼンテーションをし、後半はみなで自由に話し合う形式です。今日の出席者は7名。
高田さんは典型的なサラリーマン生活を送り、定年後、柏市の呼びかけに応じて吉田さんたちとこの会を立ち上げたメンバーの一人です。パソコンにビデオを取り込んで、自在に駆使しながら兼松裁判を例に今日のテーマ『均等法で職場は変わったか』の問題提起をしています。
総合商社兼松での男女の賃金格差が争点となった訴訟は11年かかって今年原告側の勝訴となりました。高田さんの見せてくれたビデオの中で、1960年代に採用された女性たちの賃金は30−40年経ったとき同年代の男性と比べて四分の一、五分の一と知った時は大きな驚きでした。勝訴とはいえ裁判所の支払い命令の額は30代の男性並みにというのはその根拠を疑います。
1972年に「勤労婦人福祉法」に始まり「男女雇用均等法」と名前が変わり内容も、女性に対する差別を禁止するものから性別による差別を禁止するものへと変遷し、1999年には大きく改正され現在に至っています。
講師の高田さんはこの裁判の経緯を見ながら、労働の現場で果たして男女雇用均等法が職場を変えたかという問題を提起しました。昔に比べると男女のあからさまな就業規則は一見改善されているように見えますが、非正規雇用の拡大という形を変えた差別が生まれてきているといいます。
後半のフリートークでは、みな活発に話し合っていました。正規雇用に比べて非正規雇用(パート)の人たちの労働条件の悪さがいわゆるワーキング・プアを生む、ニュースで取り上げられた名目だけの管理職という雇用側の都合のよさ、労働者を物品扱いにする二重派遣、労働組合のあり方、オランダなどに見られるワーク・シェアリングなど現在も山積する問題を話し合いました。賃金も問題ですが労働時間(働き方)も同じくらい大きな問題だという認識も出ました。どうしたら改善されるのかという点で、高田さんは「日本は歴史的に見て、いつも外圧によって流れの方向が決められてきた。均等法も国連の提唱があって取り入れなければというのが始まりだった。人々ひとりひとりの内側から出てくる声が大切ではないだろうか。自ら改善しようとしなければ力にならない。」といわれました。
非常に多岐にわたる問題なので、決して結論の出るものではないでしょうが、市民一人ひとりがこうして真剣に考え、話し合う場所があるというのはすばらしいと思いました。インターネットの上で情報を得て、一月に一度、テーマを決めて話し合うという市民活動は貴重です。
代表の吉田さんは、「是非多くの方々に参加していただいて、みんなで考えていきたいのです。」と言っていらっしゃいます。
(徳重 富士子)
■募集内容■ 男女共同参画をテーマにした意見交流の場に参加しませんか。テーマを出した会員が講師となり、じっくり話し合います。年齢・性別は問いません。会員でなくても参加OK。
■場所■ 柏市民活動センター(千葉県柏市柏5-10-1)
JR常磐線「柏」駅東口から徒歩4分
■日時■ 6月7日(土) 14:00〜17:00 (毎月第一土曜日開催)
■参加費■ 無料
■応募方法■予約不要。当日直接会場へお越しください。
■問い合わせ先■TEL:04-7167-0181