〜もっと優しい旅への勉強会(4月定例会)〜
「もっと優しい旅への勉強会」(
http://www.yasashiitabi.net/)の4月定例会に出席しました。今回のテーマは『これからのバリアフリー旅行を支えるトラベルサポーターの取り組み』です。大雨にもかかわらず、大勢の方々が参加されての熱気あふれる定例会でした。トラベルサポーターについては以前から非常に関心を持っておりましたので、おおいに期待しつつ参加いたしました。
まず、伴流高志さん(「もっと優しい旅への勉強会」副代表、旅行会社勤務)が『トラベルサポーター』の取り組みについての基調となる要旨を話されました。
伴流さんのトラベルサポーターとの関わりはおそどまさこさん(2006年7月のブログでアップ
http://secondleague.net/user/008/008/165.html#more)企画のモンゴルへの旅に参加したことから始まりました。クラブツーリズムで新しいトラベルサポーター制度を立ち上げ、改善に努め、その後、SPIやH.I.S.へ移られてからもトラベルサポーターの仕組みが如何にあるべきかと模索され、今も尚、さまざまな検討を重ねていらっしゃいます。
立ち上げから現在に至るまで、旅行費負担割合、需要と供給割合、会社の方針と介助者の個々の思いとのギャップ、それによる利用者側の不満、トラベルサポーターとしての基本的スキル不足(メンタル面のサポートが苦手の場合とボランティア感覚だけでヘルパーの経験がない場合),補償(保険)など、多くの解決しなければならない問題があります。
これらに対応するために、研修会や勉強会を開いてトラベルサポーターの育成に努め、介助者割引利用や航空会社とのタイアップ等の工夫によって費用の軽減を図り、キャンぺーンによって販促に努める等の努力を重ねていらっしゃいます。トラベルサポーターは旅行中、安全かつ快適な介助だけでなく、日常の生活に戻ってからもユーザーが今まで以上にいきいきと自信と勇気を持って生活できるようにサポートし、旅の価値や意義が理解され認められるようにして欲しいと締めくくられました。伴流さんは会社という組織の一員として、事業性を考えながらの取り組みをされてこられたのですが、その基盤はこの会を創設された草薙威一郎さん(2007年6月と7月のブログでアップ
http://secondleague.net/user/008/008/page6.html)が提唱された「すべての人に優しい旅を!(Tourism for all)」の信念に基づいています。この勉強会に入会した甲斐があったとつくづく思いました。
次に実際にトラベルサポーターとして長い経験を持つ佐野公美子さん、林博子さんのお話を伺いました。佐野さんは16年ものご経験をおもちで、きっかけは有料老人ホームで介護をしていらした時、お年よりは手厚い介護だけより、外に出るほうが元気になると知ったことからです。「よい施設は安心だけれど五感に訴えられるのは旅しかありません。身体全部を使って、自分の命に刻んでいくのですから。トラベルサポーターとして今まで得た経験はすべてよかったと思います。年齢制限はないので、体力と元気の続く限り続けたいです。」といわれました。林さんはお母さまの介護をなさって、この制度の大切さを知りました。「安全で快適な旅のお手伝いをするだけでなく、利用者の方のこれからの生活を意識して、より生き生きとした生き方をしていただけるようにといつも願っています。」といわれます。お二人のなんとすばらしい笑顔!この方たちと旅をしたら誰でも幸せになれるでしょう。
ユーザーとして多くの旅を経験していらっしゃる重岡利栄子さん(「もっと優しい旅への勉強会」運営委員)は、いつも楽しい旅をしたいとおっしゃいます。そしてトラベルサポーターには、必要最低限のスキルはもって欲しいと言われます。
サポートされる側として経験から学ばれたことをまとめられました。
1.事前にお互いのプロフィールを知る。
2.安全のためにも信頼関係を気づくためにも身体状況を明確に伝える。
3.無理をしないで頑張る。
4.サポーター同士の連携を大切に。
5.してもらったら『有難う』を言う。頼り切ってはいけない。
6.若い男性サポーターの数を増やすように、システムを整備して、サポーターの役割の魅力を伝えて欲しい。
7.旅行代金負担割合の明確化。
8.サポーターは旅の盛り上げ役。笑顔と笑いの絶えない旅は次につながる。
さすが旅の達人です。一つ一つがなるほどと思わせられます。特に8番目に言われたサポーターの役割は必要最低限のスキルを持つことと共にとても大切なことだと思いました。
その後、活発なQ&Aがあり、またたく間に2時間が過ぎました。バリアフリー旅行でのトラベルサポーターの役割の重要性を改めて噛み締めました。
日常の生活から、非日常の生活である旅に出ることによって、人はみな生き返ります。普段の生活では出合わないような伝統、文化、歴史、もの、景観、自然、そして人に触れて、自分を見つめなおします。そして新たに生きるエネルギーを充電して、また日常の生活に戻るのですが、そのとき前とは違う自分を見つけるのです。これが旅の醍醐味です。「これを共に味わいましょう!」と旅を一緒に楽しめる介護のスキルと心の伴うトラベルサポーターになりたいと思いました。会場を後にしてまだ降りしきる雨の中を歩きましたが、心には灯火がともってほわっと暖かくなっておりました。
(徳重 富士子)