NPO法人千葉県障害者就労事業振興センター
「この丁寧な仕上げを見てください。」と木製のおもちゃを手にする杉井健男(副センター長)さんの愛情あふれる目。「この絵も素敵でしょう?利用者が描いてくれました。」わあ、これはわたしのお気に入り。メルヘンチックなイラストと骨太の野菜のはがき絵!そしておいしそうなクッキー。どれもこれも欲しいものばかり。
千葉県障害者就労事業振興センターは、障害者が地域で働き、自立した生活を営める社会を実現するため、福祉作業所・授産施設の授産事業の活性化を進め、障害者福祉の向上を図ることを目的として、2005年9月に設立されたNPO法人です。千葉県から障害者の授産事業の活性化を受託されているのです。さまざまな取り組みを進めていますが、その活動の中のひとつ、ここは直営店『福祉ショップはーとふるメッセ美浜』です。
この福祉ショップは美浜区役所の隣、美浜保健福祉センターの二階にあり、県内約30の施設で作られた製品の販売を行っています。
無添加のジャム、味噌、菓子、クッキー、パン等素材の味を楽しめる食品、丁寧に作られた木工製品、さおり織りのバッグや帽子、エプロンやアームカバーなどの縫製品、はがきや一筆箋などの紙製品、
ビーズなどのアクセサリー、心が温かくなる夢のあふれたイラストのアートと、実に多岐にわたる品ぞろいです。
パートの女性5人と副センター長の杉井健男さんとコーディネーターの緒方ともみさんがシフトを組んで、このショップで働いていらっしゃいます。
サラリーマンだった杉井さんはこのNPOが設立された時、障害者が地域で働いて自立した生活を送れる社会の実現を目指すという趣旨に心動かされてこの振興センターに入られました。自立にはある程度の収入も必要なのに障害者の工賃はまだ非常に低く、この状況を何とか打破しようと日夜努力しておられます。
緒方さんは以前は作業所の職員でいらしたので、小規模の民間の施設の経営の難しさを知っています。今さまざまなコーディネーションをする立場にあってそれぞれの大変さを理解できる苦しさも味わっています。
お二人ともあらゆる機会を捉えて施設の収入増に寄与したいと考えておられます。「隣のおばあさんが、大きな梅の木を持っていて今年はとてもよく実がなったのに手がないから、そのままになっている、とってくれるならその実を上げるというので、今朝とってきたばかりです。
400kgにもなるので、自然塩を使って梅干を作って『千葉のおばあちゃんの梅干』として売り出すことにしました。ある施設が屋上にこれだけの梅を干せるスペースを貸してくれることになったので、これが可能になりました。」と杉井さんは南高梅にも負けず劣らずの見事な梅を見せてくださいました。その腕には梅の枝での無数の引っかき傷がついていますが、爽やかな笑顔です。
お二人のお話によると、福祉施設で働く障害を持つ方々の平均収入は月額12,000円、小規模なところではもっと少なくて、自立には程遠い額です。一般企業の協力を得て障害者の就労機会を少しでも多くと振興センターの皆さんはがんばっていらっしゃいますが、このお店に少しでもたくさんのお客様に来ていただいて売り上げを伸ばせば、工賃アップの一助になれるのです。
保健センターの中のホールで講演会やコンサート等のイベントがあるときにはお客様もたくさん来てくれますが、普段は保健センターでの、乳幼児健診などに来た人が立ち寄ってくれる程度で、後はセンターの職員がお客様の中心と少々心細いお話。こんなによい品揃えなのになんともったいないことと思いました。「一番のリピーターは緒方さんかな。」と杉井さん。「うちの子がここのイチゴジャムが大好きなので。」と緒方さんが優しいお母さんの顔になりました。最近HPを充実させてショップの商品の一部をインターネットショッピングできるような工夫もしています。一般市民にはまだまだ知られていないようです。こんなによい品々を扱っているお店なのだから、もっと周知させる方法はないものかと思いました。(徳重 富士子)
<福祉ショップ『はーとふるメッセ美浜』のご案内>
■場所■JR京葉線検見川浜南口から徒歩6分。千葉市美浜区役所すぐ隣りの美浜保健福祉センター2F。
■営業時間■月〜金 10:30-16:30 (土日はイベント開催に合わせて。)
■問い合わせ■
【TEL】043-202-5367/【FAX】043-202-5368
「特定非営利活動法人千葉県障害者就労事業振興センター」緒方ともみさん
■団体概要■特定非営利活動法人千葉県障害者就労事業振興センター、
障害者が地域で働き、自立した生活を営める社会を実現するため、授産事業の活性化を、千葉県から受託されている。
【HP】
http://www.jusan-kassei.or.jp/