旅行支援者養成講座のオプショナルツアーとして
到着後、早速、全員水着に着替えます。本来、温泉は水着なしで入るのは皆さま百もご承知でしょうが、入浴介助の訓練なので、これも旅館のご理解とご好意のおかげで大浴場での水着着用の実習が可能になったそうです。
広々とした大浴場で、全員が二人一組で練習をします。
一人が障害を持つ人という想定でまず滑らなそうなところを確認しながら水洗のそばの洗い場を確保して身体を洗い、ゆっくりと浴槽まで進みます。浴槽に入る練習がまず第一の関門です。利く方の手で手すりにつかまってもらって、介助者は片手は相手の胴体をしっかりと抱え、もう一方の手で手すりを持ち、麻痺のあるほうの足を介助者は自分の足で掬い上げて浴槽に滑り込ませます。
二人ともなれないのでお湯の熱さもあって汗だくだくです。汗が目の中に入っても手を離せませんから顔を拭くこともできません。お互い水着を着ているので身体はすべりにくいですが、実際に裸で入浴するとしたらどうなるのでしょうか。
「さあ、浴槽に入ったら、ゆらゆらと動かしてあげてください。」と佐野先生。お手本に動かしてもらっている人の気持ちよさげなこと!
いつになったらあんなに出来るかとただただ自信がありません。第二の関門は浴槽から出る時です。お湯の中の浮力がなくなるので急に重く感じられます。介助する側がすべってすとんと転びそう。益々自信がなくなりました。相棒と何度か交代しながら練習しているうちに入ってゆらゆらは少しできるかなという感じになりましたが、やはり出る時がなかなか難しいです。ふやけるほど出たり入ったりしてから、外へ出た時には、ほっとしました。まだまだ、実践には程遠いなあという状態です。
汗をぬぐいながら、おいしい和食のお昼を頂きました。おなかが空いていたので、すっかりぺろりと平らげました。
この研修に理解ある旅館に方々に感謝しつつ、バスに乗り込みました。帰途に、すぐ近くのぶどう園に立ち寄ってぶどう狩りというおまけがついていました。
ぶどう棚からたわわに実ったぶどうの房をとって、食べ放題。お昼を沢山頂いたので一房を食べるのが大変です。でも、久々に童心に返って楽しいひと時でした。
帰りのバスの中でも、佐野先生と坂田さんのお話や一人ひとりの参加者の感想発表などで、始めから終わりまで、物見遊山のバス旅行とは大違いの本当に有意義な研修旅行でした。
合間の佐野先生の乗り物の中でのADL体操もとても参考になりました。座りながらの手足の運動は飛行機の中でのエコノミー症候群防止にもきっと効果満点でしょう。
旅行支援者を志して、講座を受けましたが心だけではなかなかよいサポーターにはなれないと感じました。心を伴う技術(スキル)があってこそ、人の役に立つサポーターになれるのですね。遅ればせながらも、これからも訓練を重ねて、障害のある方やお年寄り方に、少しでも旅の楽しさを味わっていただけるようなお手伝いができるようになれますように。
(徳重 富士子)