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おそどまさこ著『無敵のバリアフリー旅行術』(2002年11月発行)

2006-07-20 02:58:45

“身体に障害を持つことは特別のことではなく、誰にでもありうることなのだ。いま、健常者と思われる人でも、高齢になったら身体にさまざまな障害を持つかもしれない。その認識を持てば、やさしい視線になれる。”と考えてトラベルデザイナーおそどまさこさんは、1995〜2002の間に32本のオリジナルツアーを企画し、身体の不自由な人々とともに地球のあちこちに旅立った。どんなふうにしてバリアフリーの旅行を可能にしたのか?

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家の中に引きこもりがちだった視覚障害の女性がヨーロッパ旅行をして、地中海の水やオリーブの木をさわり、搾りたてのバレンシアオレンジのジュースを飲み、触って感じる博物館にいったりと、日本では経験したことのない世界に触れ、視覚障害者ならではの感性で感動を五感に受け止めた。
くも膜下出血の手術の後、脳梗塞を起こし右半身麻痺になったが、懸命のリハビリで歩けるようになった男性。妻の介助でヨーロッパ旅行に参加。
脳梗塞後、癌の余命告知をうけた男性がイギリスや、その後国内旅行をつぎつぎとこなしている。
小児麻痺で膝下を切断して義足をつけている女性の北海道雪見ツアー、腎臓透析が必要な人のオーロラツアー、脊髄損傷の女性と進行性重度障害のある女性は二人とも全介助が必要であったがアラスカ旅行に参加。
万里の長城とモンゴルのゴビ砂漠への車椅子ツアー。視覚障害者と肢体不自由者のケニアへの動物サファリの旅。

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まだまだ沢山の例がある。普通考えると不可能と思われるような旅行を実現している。

おそどさんはどのようにして不可能を可能にしたのだろう?
まず、事前の綿密な調査と準備、これは目的地についてだけでなく参加者の身体はもちろんのこと、もっと重要なのは心のケアだ。参加する意欲を持つ人でも特に初めて旅に出る障害者は慣れない経験をすることに躊躇どころか恐怖感さえ持つ。
次に介助者。障害者と心をひとつにして旅を出来る介助者が重要である。それは夫婦であったり、親子であったり、兄弟姉妹であったり、ボランティアであったりする。特に車椅子で万里の長城・ゴビ砂漠・サハラ砂漠を歩くには、持ち上げたり・押したり・引っ張ったりする現地の人力(強力?)も必要だ。航空会社の車椅子・盲導犬等の受け入れ態勢、トイレ対策(時には簡易トイレも)、病院リスト、ありとあらゆる場合を想定して準備する。

おそどさんは2001年にジャパン・トラベルボランティア・ネットワーク(JTVN)(http://www.womanstravel.net)を立ち上げた。これは旅大好き健常者が旅大好き障害者の旅立ちをサポートする組織である。2004年6月にNPO法人となった。おそどさん自身はツアーを企画・同行した経験を地域行政で生かしたく、2005年4月から三年契約で、現在鳥取県観光連盟観光プロジューサーをしている。この著書に紹介された例以降も企画・同行したバリアフリーの旅はさらに増え、10年間で延べ900人、盲導犬延べ83頭にのぼる。

<fujiのつぶやき>
4年前、無償ボランティアとして視覚障害者の介助でドイツ・フランス旅行をした。その準備でこの本を読んだとき、ただひたすら感動したが、実際に一週間あまりの旅をして実践がいかに大切かを知った。私がアテンドした彼女は全盲に近かったが自立心旺盛な人だったので、初心者の私も何とか介助を務められたが、もっともっと事前に学ぶべきことはあったのだろうと思った。そしておそどさんには綿密な準備があるからこそ不可能を可能にしてきたのだということも学んだ。大変な努力ではあるがおそどさんにとってバリアは克服することの出来るものなのだ。私は個人的にこのJTVNに登録しバリアフリーの旅がどうあるべきかを学ぶつもりだ。

(徳重 富士子)

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