ドラえもんの「どこでもドアー」を思わせる名前のトイレ。
新宿のデパートが改築を機にこんな名前のトイレを作った。
入り込んで自分も使ってみたり、へんなおばさん!という周りの
視線もものともせず、写真をパチパチとってトイレ検証をした。
かなり長い期間をかけて、改修工事をしていたデパートのトイレが
出来上がった。まず名前が気が利いている。車椅子用とか障害者用と
いわずに「だれでもトイレ」といって、サインを示して、この方たちを
優先して、でもだれでもどうぞ、というのがいい。
一歩中に入ると照明が暖かなオレンジ系。そしてどの個室トイレも広々としていて車椅子はもちろん、折りたたみ式の簡易ベッドで赤ちゃんのおむつ交換も出来るし、ママが用足ししている間幼児を座らせておけるシートベルト式椅子もみんなひとつの個室の中に整っている。おまけに小さな男の子用の便器もあるし、個室の中にも外の手を洗うところにもたっぷり大きな荷物置き場がある。(デパートはお客がたくさん買い物をしてくれることを期待し予測している。)
一流ホテルなら、このスペースのトイレはあるが、ここまできめ細かくだれでも快適に使える器具は整っていない。しかも警報ランプが点灯したら最寄の売り場の店員まで通報をと、病院のトイレ並みの親切さ。
40年前、一才にならない長男を抱いて実家へ行くべく東京駅まで行った時、私自身がどうしてもトイレに行きたくなった。長男を抱いてオムツなどの荷物をもって、一人でどうやってトイレに入ろうかと必死だった。もう我慢できないと、そばにいたやさしげな中年の女性に恐縮しつつ、長男と荷物を預け、やっと用を足せた。
あとで、この話を聞いた母から「その方がよい方だったからよかったけど、誘拐でもされたら大変だったわ。」と叱られたが、あの時こんなトイレがあったら、人さまにも迷惑をかけないで済んだだろうし、安心していられただろうと、まざまざと思い出した。
このようなトイレはバリアフリーではなく、まさしくユニバーサルデザイントイレといってよいだろう。だれにでもやさしいデザイン、これからはトイレだけでなく色々な器具、道具、施設等にこれが求められ、実現する社会となるよう願っている。
(徳重 富士子)