先日、鹿児島へ行ったとき、たまたまぽかっと時間が空いたのでドルフィンポートをぶらぶらしてみました。ここドルフィンポートは埋立地を利用して作られた天文館に次ぐ鹿児島の人気スポットのひとつ。木造2階建の南国バンガロー風の建物の中に特産品の直売店や飲食店などが入っていたり、NHK大河ドラマの篤姫館もあって沢山の人が集まる行楽地です。離島航路や桜島フェリー乗場に近く、桜島を正面に臨みます。
桜島を近くに見たいと思い、埠頭まで行きました。そこで初老のご夫婦が幼稚園くらいのお孫さんを連れて魚釣りをしているところに出合いました。とてもよく釣れて、面白くてつい引き込まれてずーっと見てしまいました。
お若いおじいちゃまがお孫さんの坊やにつりざおにえさをつけて、持たせてます。オキアミとパン粉をまぶし、丸めて針につけます。
「埠頭には手すりがついているので、小さな子ども連れでも安心なのです。」とおばあちゃま。
目の前の海にぽんと釣り糸を投げ込んだ途端に、浮きがぐいと引かれました。リールを巻くと、10センチほどのきんめが三匹もついてきました。
「これは、すぐに放しちゃいます。」針からはずして海の中へ。なんとそれを目指して30センチ以上もある大きな魚が海面にジャンプして食べに来ます。ぼらだそうです。「今日は大きい魚釣り用のさおを持ってないから釣れないな。」と残念そうなおじいちゃま。次々とえさをつけては、糸を投げ込むと主に小さなきんめ、そして名人のおじいちゃまの糸には15センチほどのアジがついてきます。針についたきんめを食べたのか、大きなぼらも一匹連れました。すごい!
捕れた魚は発泡スチロールのケースに入れます。既に沢山のアジが入っていました。「すごい!こんなにとれてるのね。今夜はおいしいご馳走がたくさん食べられていいわね。」というと、坊やはニコニコ、ぴょんぴょん飛び回りながら、「うん」と嬉しそう。
ご夫妻のお話では、この坊やをつれてよく海釣りにくるとのこと、お船も持っているので沖に出ることもあるとか。なんと贅沢な楽しみと羨ましくなりました。その間にも、きんめとアジは次々とかかっています。おばあちゃまもなかなかの腕前です。
「やってみますか?」と釣りざおを貸してくださったので、私も釣り糸を投げ込んで見ました。きんめが二匹ついてきました。どうも糸を投げ込む位置で、きんめとアジのつき方があるようです。
時間の経つのも忘れて楽しんでいるうちに、はっと気がついたら目の前の桜島が夕焼けに赤く染まっていました。
お孫さんとの時間をこんな風に楽しんでいる幸せなご夫妻。都会では核家族中心の生活でこんな豊かな光景はなかなか見られない時代に、私も心が温められ幸せのおすそ分けを頂きました。
(徳重 富士子)