10月17日〜24日まで紅葉真っ盛りの東北ツアーにアテンドしました。今回のグループは日系二世やアメリカ人と結婚してアメリカに住んでいる日本人女性がそのご主人たちと日本に旅行に来た人たちです。
平均年齢は73歳。最高齢は80才の女性、一番若くても63歳、まさしくシルバーグループに、シルバーガイド、実にぴったり!アメリカから付いてきたエージェントのツアーリーダーを入れて10人のこじんまりとしたグループ。さあ、シルバー8日間の旅(本当のツアー名は東北ネイチャー・ツアー)はどんなふうに展開したか、かいつまんでお伝えします。
<第一日目>
旅は成田迎えから始まりました。全行程青森まで、29人乗りの中型バス。座席にゆとりがあるのでみんな思い思いの場所にゆったりと座ります。夕べ遅い到着だったのでホテルで一泊していらしたのでとても元気。説明は日英両方でとのリクエスト。最高齢の80才の女性は六十代後半にしか見えないくらい若々しく、背筋もしゃんと伸びてお洋服も素敵な着こなし。日本は二十年ぶりでとても懐かしいと言っていらっしゃいます。日本の社会の変化についてもむしろ若い人よりも洞察力のある見方をしていらっしゃいます。皆さんNHK放送を視聴していらして日本の現状をきちんと把握していらっしゃるのです。76歳の女性は4年前にご主人を失われたので、今回は同年のお友達と参加。この方だけが両足首にプラスチックのサポーターをつけて杖を必ず必要としていらっしゃいます。「ポンペイの遺跡もちゃんと歩いたのよ。」とおっしゃいます。ゆっくりですが、着実についていらっしゃるのには本当に感心しました。
最初の目的地は日光。東照宮近辺はまだまだ色づいていません。日本の神社仏閣の中に入るときは当然ですが靴を脱ぎます。奥様方は日本人なのに(アメリカ国籍)靴を脱いだりはいたりが外国人並みにめんどうくさそう。でもこれは仕方ないでしょう。ただ、東照宮拝殿や薬師堂(鳴き龍)は階段一段一段が30センチ位で高く、しかも拝殿はメタルのふちがとても滑りやすいので、足の悪い方をリーダーと二人がかりで抱えて差し上げなければなりませんでした。
ちょうど千人行列の秋祭りの日だったので、お神輿を通すために表門も陽明門前の石段も手すり類が全部取り払われてここも大変でした。
いろは坂を登ると、そろそろ紅葉が始まっていました。二週間経った今日、日曜日は紅葉も見ごろになっていることでしょう。きっとすさまじい混雑でしょうが。華厳の滝は水量も多くて美しく、皆さまお喜びでした。ここはエレベーターもあるので車椅子の方でも問題ありません。
中禅寺湖畔でしばし景色を楽しんでいただいて磐梯高原へ。今夜は裏磐梯で宿泊です。
<第二日目〜第三日目>
今日は3.6kmの五色沼自然探索路のハイキング。80歳のSさんと足の悪いYさんはバスで終着地で待っています。
(http://www.pref.fukushima.jp/kanko/data_m/22053.html)
ここまで来るともう秋です。紅葉です。ハイキングルートの両側の木々もグリーンや藍色の8つの小さな沼も周りは美しくいろづいた紅葉に囲まれています。
起伏はほとんどない平坦なルートですがところどころ大きな岩がごろごろしていて、「SさんとYさんは来なくてよかった。」と皆で言ってました。
ただし平坦で車椅子でも通れる自然路もあるので、グループによってはそちらに行ってもよいでしょう。ルートは桧原湖に出て終了。
ここから喜多方へバスで移動して、皆さん待望の喜多方ラーメンのランチ。本家本元の坂内食堂
(http://ramen.gnavi.co.jp/shop/jp/t019100n.htm)へ。自家製チャーシューの美味しかったこと。シニアの食欲は大したもの。苦しいといいながら誰も残さず全部食べてしまいました。たくさん歩いたんですもの、当然です。その後は喜多方市内観光。その後、会津若松へ向かって鶴ヶ城へ。
ここは女性軍は五階の天守閣まで階段を登りたくないといって、お茶室で優雅にお抹茶を飲んで待っています。
その間男性軍だけを天守閣へご案内。大阪城みたいにお城にエレベーターをつけるなんて無粋の極みと思うけど、上まで階段を上れない人たちのことを考えるとなんとも複雑な気がしてしまいます。
夕方ホテルへ戻って温泉で疲れを取りました。
翌朝は、もうみんなリフレッシュして元気いっぱい。今日はゆったりしたスケジュールなので気楽。米沢へ向かう途中、ドライバーさんが気を利かしてくれてワイナリーへ。いろんなワインを試飲して皆さま朝からご機嫌。米沢市内でちょっと味が濃いお昼。概して東北は味が濃いと感じます。皆さんは、はっきりしていてよいとおっしゃいましたが・・・。
そして蔵王エコーライン
(http://www.zao-machi.com/meisyo/eko-lain.html)からハイライン
(http://precious.road.jp/miyagi/highline.htm)を通って蔵王のお釜へ。
エコーラインの紅葉もすばらしい!ハイラインができるまでは、ハイカーしかお釜を見られなかったのですが、この開通のおかげで車椅子でもお天気のよい日はエメラルドグリーンの美しい水面を見ることができます。
そして今日は見えました。最高でした。
下って遠刈田温泉(とうがったおんせん)で、こけし屋さんを見学。
「遠かったといってたけど近かったね。」なんて冗談を言いながらホテルへチェックイン。今夜も温泉があるぞ!
<第四日目>
東北道を仙台へ向かって青葉城址をお散歩して、さあ、これから日本三景の一つ松島です。さすが名うての観光地、日本人旅行客でごった返していました。駐車場でバスから降りたとき女性陣がトイレに行きたいといったので、駐車場のトイレへ連れて行きましたが、あいにく和式のトイレが4つあるだけ。もっと向こうへ行けば車椅子用の洋式もあるといったのですが、「和式でいいわ。」と入られました。ところが80歳のSさんがいつまで経っても出てきません。心配したお友達のMさんが声をかけにいきました。Mさんの「富士子さん、ちょっときて!」とさけぶ声にびっくりして駆けつけたら、「Sさんが立てないのよ。」とMさん。何とかドアだけはしゃがんだままでも開けたSさんが立てないでしゃがみこんだままです。Sさんの両脇に私の腕を差し込んで、満身の力をこめて引き上げようとしました。ちょっとやそっとでは動きません。私と同じくらいの体格の方なので本当に必死で抱き上げましたら、やっと立てました。そのトイレの壁はつるっとしていてどこも何もつかまるところがないのです。おしゃれなSさんは本当にはずかしそうで、「自分ではまだまだ大丈夫だと思っていたのに。」と、すっかり自信をなくされてしまいました。この後の行動がとても控えめになられて、本当にお気の毒でした。私もトイレにご案内するときは必ず洋式のあるところをと、今まで以上に心がけるようにしております。
主人の母がひざが悪くて洋式しか使えなかったのを思い出すと、外国人だけでなく日本人の高齢者にとっても洋式トイレの必要性を切実に感じます。その後、気にしてどのくらい洋式があるかと見ているのですが、地方の観光地は障害者用とか車椅子用としてひとつぐらいあるとしたらある程度で、本当に和式がほとんどなのです。松島のような観光地でさえこの有様、これは何とかしてほしい問題です。
Sさんは「おとなしくしてるわ。」とおっしゃって、瑞巌寺や五大堂にはいらっしゃらずに、湾内クルージングだけに参加なさいました。旅館にチェックインしてやれやれです。
(第五日目〜最終日は明日へ続く。)
(徳重 富士子)